ファクタリングとは、入金待ちの請求書、売掛債権を買取ってもらうサービスです。
借金とは異なる手法のため審査基準が厳しくなく、多くの個人事業主や経営者が利用できる手法になります。
しかしながら、手数料が高額になってしまう場合があることから、
「ファクタリングは怪しい」「違法な手法」
というイメージを持ってしまう方も少なくありません。
ですが、実際は、ファクタリング自体は合法な手法です。
ファクタリングの詳細については、こちらの記事も参考にしてください。
ただし、中には闇金業者のような手法によって違法な取引をしている業者が存在するのも事実です。貸金業の業界に恐ろしい闇金が存在するように、ファクタリング会社の中にも悪質な業者が存在します。
悪質なファクタリング会社は闇金同様、緊急でお金を必要としている相手の弱みにつけこんで、自分たちの都合のいいように契約させようとする、絶対に関わってはいけない会社です。
今回はそんな悪質なファクタリング会社の被害に合わないために、悪質ファクタリング会社の手口や特徴、見極め方などについて解説します。
ファクタリング違法業者の手口
様々な金融サービスの中でもファクタリングは規制も少なく、参入しやすいため、悪徳業者が混じってしまう可能性も出てきます。
彼らの代表的な手口は、まずは”甘い言葉”で誘惑して信頼を得ます。
そして徐々にそれらしい理由を着けて手数料を割り増ししたり、いざ審査となった際にギリギリのタイミングでケチをつけて手数料を引き上げるのです。
さらに高額手数料ゆえにファクタリング行為自体が経営を圧迫し、支払い困難に陥ると、“遅延金”や”分割”によるエンドレスな搾取が始まってしまうのです。
彼らの罠にハマらないためにも、詳しい手口を知っておきましょう。
悪質なファクタリング会社の使う手口や特徴として、次の5つがあります。
・違法なファクタリング手数料を取る
・契約の内容が曖昧で、契約書を作らない
・担保・保証人を求められる
・債権譲渡通知を勝手に売掛先に送られる
・給与ファクタリング
それぞれの手口や特徴について、見てみましょう。
違法なファクタリング手数料を取る
悪質なファクタリング会社は、最初は相場よりも安い手数料で宣伝をしていながら、審査であれこれと理由をつけて手数料を引き上げることをします。
ファクタリングにかかる手数料の相場は2社間契約で10~20%、3社間契約で1~10%ほどです。これらの相場よりも大幅に安い手数料で宣伝している業者は怪しいと思った方がいいでしょう。
最終的に相場を大幅に超える30%超えの高い手数料が取られて、入金額が半分近くに減ってしまっては大きな損害を被ることになります。
契約の内容が曖昧で、契約書を作らない
手続きの際に契約の内容が曖昧であったり、契約書を作らない業者の場合、予想以上にお金を請求されることになります。
手数料の他に、審査の段階で聞かされていなかった「保証料」「手付金」などの名目で、入金額が大幅に減額されることもあります。
手数料で相場通りの金額をうたっていても、結局手数料の相場をはるかに超えた金額を取られては意味がありません。
また、契約にはない分割払いを提案してきて、支払いのたびに法外な手数料を取るなど、その場その場で自分たちに都合のいいように対応を変えてくるケースもあります。
他社も含めた毎月の支払いがキツく、分割払いで一時をしのげるようなら、渋々と手数料のかかる分割払いを選択してしまう利用者の方もいます。
そして最初は数十万円の取引だったのが、最終的に支払ったお金が100万円を超えるといった恐ろしいことも起きえるのです。
契約書が作られなかった場合は「民事不介入の原則」により、警察が間に入ることも難しいので注意が必要です。
担保・保証人を求められる
ファクタリングは売掛債権の売買であり、担保・保証人は不要なので、担保・保証人を求めてくる業者には注意です。
担保・保証人はお金の融資のときに必要なものであり、ファクタリングは売買契約だからです。
ファクタリングで担保・保証人を求めてくる業者は、ファクタリングと見せかけて高利貸しをしようとしている可能性があります。
担保・保証人を立てさせた上で高利貸しをし、返済できない場合は担保を取る・保証人に返済を迫るなど周りを危ない目に巻き込んで、お金を回収しようとします。
債権譲渡通知を勝手に売掛先に送られる
ファクタリングの2社間契約では、2社間契約という名前の通り、債権の譲渡を売掛先の会社に通知しません。
取引先の会社がファクタリングを利用したことを売掛先の会社に知られると、経営の悪化などを心配され、今後の取引に悪影響が出るからです。
それを防ぐために2社間契約を結ぶのですが、悪徳ファクタリング会社は債権譲渡通知を勝手に売掛先の会社に通知することがあります。
ファクタリング会社への支払いが遅れている場合や、法外な手数料をとった場合には、それを払わせるための脅迫材料として、売掛先の会社への債権譲渡通知が利用されるのです。
給与ファクタリング
現在、ファクタリング関係で最も大きな問題となっているのが「給与ファクタリング」です。
この影響によりファクタリングへの不信感が高まったと言っても過言ではありません。
今後支払われる予定の給与を債権と見立て、業者に対してその権利を売却し現金を受け取るのが給与ファクタリングです。
2社間ファクタリングと同じ様に見えますが、これは賃金業であり未登録であれば違法と、金融庁も見解を出しています。
給与ファクタリングについて、詳しくはこちらの記事もご参照ください。
→「給与ファクタリングとは?」
ファクタリング違法業者の特徴5つ
悪徳業者の卑劣な手口は理解いただけたと思いますが、契約前にファクタリング業者の安全性を確認するにはどうしたらよいのでしょうか?
まずは、「こんな業者は怪しい!」という、ファクタリング違法業者の特徴を5つ紹介します。
以下の5点の特徴のある業者に気をつけていただければ、悪徳業者に引っかかるリスクを減らすことができます。
・住所が不明または曖昧で直接会いたがらず、電話対応がメイン
・口座名が会社名と異なる
・償還請求権があり、債権の一部しか買い取らない
・手数料が高額(宣伝文句では安すぎる手数料)
・契約内容が不透明、提出書類が少ない
住所が不明または曖昧で直接会いたがらず、電話対応がメイン
ファクタリングは書面の信用度はもちろん、利用者の人柄が重視される傾向があるため面談を実施するのが一般的です。
それにも関わらず、特別な理由無く面談を行わないのは疑ってかかったほうがよいでしょう。
実際、申し込みから振り込みまでのスピードを重視するために対面面談を省略している会社はありますが、顔を見られたくない悪徳会社の多くが電話のみで対応しています。
ホームページに掲載の電話番号が03〜や0120と固定電話であれば安心!
というわけではありません。
クラウド転送サービスを利用すればオフィスや自宅、電話機すら不要でこれら固定電話番号を取得でき、バックグラウンドで携帯電話に繋ぐことができます。
ですが、複数回線を同時に使用できなかったり通話料が高くつくため、業者側はその後のやり取りを携帯電話でやりたがります。
「今後のやり取りは直接携帯で」と言われたら、疑いの余地有りです。
また、契約前に必ず住所を確認する必要があります。
確認方法は、各社のホームページの会社概要等に記載されている住所を検索します。
優良企業であれば堂々と本拠地を載せているのですが、レンタルオフィス・秘書箱・マンションの一室などを使っている場合は、要注意です。
口座名が会社名と異なる
悪徳業者は、正式には存在しない会社だったり、新規に設立したばかりのことが多く、
そのため金融機関の口座開設ができない可能性が高いです。
そんな時に彼らが使うのは個人名や他法人・事業名の買取口座です。
明確な理由なく振込口座名が会社名と異なるなら、ほぼ悪徳業者と断言できます。
また、楽天銀行やジャパンネット銀行は審査がゆるく、これらペーパーカンパニーでも簡単に口座を作れます。
ネットバンクだから詐欺というわけではありませんが、三菱東京UFJ・みずほ・三井住友等メガバンク口座であれば1つ信用できるポイントと考えられます。
さらに、支払い直前まで口座情報を教えて来ない場合も要注意です。
詐欺商売をしていれば、警察や弁護士を介して口座凍結を要請されることを恐れ、直前まで口座情報を開示しないことがほとんどです。
ファクタリングの契約書に口座情報が無ければ相手方の凍結防止策である可能性が高いです。
償還請求権があり、また債権の一部しか買い取らない
ファクタリングは原則的に償還請求権なしで契約が行われます。
ノンリコースとも言われますが、償還請求権がないことによって、売掛先が倒産した場合にも債権の買い戻しなどを求められることが無くなります。
ファクタリング業者は債権の買取時に回収リスクも受け渡されるのが原則ですので、契約内容に売掛先の倒産した際の債権の買い戻しなどが含まれているのであれば注意が必要です。
また、債権の額面を全て買い取るのが基本であり、一部のみの買取りを提案された場合もお気を付けください。
一部のみの買取りはファクタリング会社が回収リスクを下げたり、残りの債権を担保に取っていると判断される可能性がありますが、その様な場合には融資を行っていると考えるべきです。
手数料が高額(宣伝文句では安すぎる手数料)
ファクタリングの違法業者が提供していることの多いサービスのひとつに「給与ファクタリング」があります。このサービスの特徴は、手数料が高額であることです。
一般的にファクタリングの手数料の相場は、2社間ファクタリングで10~20%、3社間ファクタリングで1~10%とされています。
手数料が高額な業者は、まず違法業者であるとみて間違いないでしょう。
違法業者は金融機関でお金を借りられないような人を狙って、「ブラックな人でもOK」や「保証人は不要」といったような宣伝文句でネットなどでも勧誘してくるため注意が必要です。
また、最初の宣伝文句だけは、極めて安い手数料を提示し、どんどん手数料が追加されていく手法もあるので、宣伝文句の手数料が安すぎる場合にも要注意です。
契約内容が不透明、提出書類が少ない
ファクタリングは、債権売買もしくは債権を担保とした貸付になるため、一般的に契約書の作成や手数料の根拠となる見積、必要書類の提出などきちんとした手続きのもと契約が行われます。
法律上、契約は口約束だけでも有効に成立しますが、契約書を作成して書面で残しておくのが一般的です。
書面で残しておかなければ、後々「言った」「言わない」のトラブルに発展するケースは少なくありません。
違法業者は、証拠を残さないために契約書の重要な事項である金額などを空欄にして発行することもあります。
さらに悪徳な業者ともなると、契約書の発行すらしないところもあるほどです。
逆に、悪徳業者はさらに確認事項を多くして、利用者に不利な条件を分かりにくくしています。
加えて、契約書の控えを渡さないなどして後から利用者がしっかりと確認できないようにもすることもあります。
特に「売買契約」と定められていないファクタリングは、売買取引であるファクタリングにおいて100%違法ですので、しっかりと確認が必要です。
契約書を発行しない業者や発行しても内容があいまいな業者は悪徳業者である可能性が高いので、契約する際には十分注意しましょう。
優良なファクタリング会社を選別する方法
ファクタリングは大手金融機関系から民間まで100社以上ある一大市場ですが、中には悪徳会社が混じっているのも事実です。
そんな優良・悪徳業者を見分けるチェックポイントを5点ご紹介します!
・貸付ではなく債権の売買契約になっているか?
・ノンリコース(償還請求権なし)での契約になっているか?
・手数料だけでなく、買取・支払い方法にも問題はないか?
・債権譲渡通知は無しになっているか?
・担保は不要か?
貸付ではなく債権の売買契約になっているか?
契約書類が無いというのは問題外ですが、実際口頭のみの契約で済ませるという業者も存在する様です。
契約書類があった場合も貸付としての契約を避けるためにも、債権の買取であることが記載されているかの確認をしてください。
もし利息に関することが書かれているのならば、間違いなく貸金ですので契約は避けましょう。
先ほども紹介しましたが、ファクタリングは売買取引です。
契約の種類は「売買契約」でなければなりません。
契約の種類が「金銭消費貸借契約書」となっている場合は「貸金(融資)」ですので、しっかりと確認をしましょう。
ノンリコース(償還請求権なし)での契約になっているか?
償還請求権に関してもしっかりと確認しておきましょう。
売掛先の倒産さえなければ問題ないと考えてしまうのは非常に危険です。
万が一の際には買い戻しが求められてしまうことになりますし、そもそも回収リスクを負うべきファクタリング会社が、リスクを利用者に押し付けていること自体が大きな問題です。
償還請求権は、ファクタリング業者が売掛先から代金を回収できなかった場合に、利用者へ支払ったファクタリング料金の返済を利用者へ請求できるというものです。
償還請求権は「貸金業登録業者しかできない」ものですので、貸金業無登録業者では償還請求はできません。
償還請求権のある契約をする場合は、取引をするファクタリング業者が貸金業登録業者であるか事前に確認が必要です。
手数料だけでなく、買取・支払い方法にも問題はないか?
ファクタリングを利用する際には手数料に目が行ってしまうのは仕方のないことです。
高過ぎる手数料の業者を避けるだけでなく、債権の全額買取や一括支払いが行われるかもチェックしておくことをおすすめします。
それらを守れない業者は違法で営業している可能性が非常に高く、一見して好条件に見えてもどんなトラブルに巻き込まれるかわかりません。
債権譲渡通知は無しになっているか?
債権譲渡通知は、売掛金がファクタリング業者に譲渡されたということを売掛先に知らせることです。3社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が売掛先から直接資金を回収するため必ず行われます。
しかし、2社間取引では売掛先に知られずに利用できることがメリットです。
2社間取引での契約で債権譲渡通知の項目が入っている場合、売掛先に知らせるという脅しに使われることがほとんどです。
2社間取引では債権譲渡通知の項目の有無をしっかりとチェックしましょう。
担保は不要か?
ファクタリングは「売買取引」ですので、担保は必要ありません。
担保のある取引は「貸し付け(融資)」であり「ファクタリングではない」ので、ファクタリング契約時には絶対に見落とさないことが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ファクタリングにおいて危険な業者の特徴とその見分け方は、おおよそイメージいただけたかと思います。
ここで、その特徴をおさらいしましょう。
・住所が不明または曖昧で直接会いたがらず、電話対応がメイン
・口座名が会社名と異なる
・償還請求権があり、債権の一部しか買い取らない
・手数料が高額(宣伝文句では安すぎる手数料)
・契約内容が不透明、提出書類が少ない
ファクタリングの利用上のメリットは多数あります。
ただし、悪徳業者と取引してしまう可能性もあるため、十分に注意が必要です。
では、信頼性が高く安全なファクタリング会社はどこなのでしょうか?
悪質業者の見分け方のポイントは紹介しましたが、状況は日々変化しますし、みなさんが資金調達で切羽詰まった状態で、業者の質を判断することもとても難しいと思います。
チョウタツ王では、信頼のおけるファクタリング業者のみをリストアップしておりますので、
そういった悪質な業者を利用しないためにも、「売掛金の無料一括査定」にて比較検討してみてはいかがでしょうか。
もし皆様がファクタリングの利用をご検討されてる場合は、まずは一括査定の活用をおすすめしています。
当サービスによって、皆様がより最適なファクタリング業者に巡り合うことができれば幸いですので、ぜひご活用ください。
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