資格受講費用の横領で大損害を被った社長が、ファクタリングでなんとか人件費だけ確保した事例


北海道は函館を中心に、札幌旭川の方まで手を伸ばして建設業をやっております。親父の代から会社をやっているので、会社そのものは今年で創業46年になります。

これだけ長い期間会社をやっているとトラブルや修羅場も一度や二度ではありませんでしたが、なんとか少数精鋭で家族ぐるみの経営をしてきたつもりです。従業員も全員会社の経営者との認識を持って事にあたってくれているため、会社の業績も安定しています。

ところが、昨今青年雇用促進だか何だか知りませんが、商工会の関係で「若いのを何人か引き受けてやってはもらえないか」と頼まれてしまい、どうしても若い人間を何名か受け入れることになりました。

私は直感的にこの受け入れ自体が嫌で嫌で仕方がなかったのですが、お世話になっている方に頭を下げられたこともあり、お預かりをすることになりました。

会社の平均年齢が大幅に下がるくらい若い子達が入ってきたのですが、ほとんどは意外と礼儀も正しくて、仕事もきっちりと覚えてくれるので重宝はしていました。

そのうち真面目に仕事をしている子達の中で、資格を取得したいと言い出す子達も出てきたりして、私はなんだかそれが嬉しくて、資格取得にかかる費用は会社で全額負担してやると明言したんです。

これがそもそもの間違いでした。建設業に関係する資格って結構高額なんですよ。その資格取得代を全額現金で支給するようなスキームを弊社では長年取ってきていたのですが、これがいけなかった。結論から言いましょう、若いやつらのうち、半分くらいがこの資格取得費用を横領したのです。

とはいえ、仕事自体は真面目にこなしていましたし、研修や資格取得の講習会などに参加するので休みも与えていたのですが、これもきちんと参加していた様な素振りだったので私としては安心していました。

そして資格を取得したという時期になったので、会社の方で状況を確認して資格証を作り、現場に出す日がやってきました。すると、パソコン関係は得意なので、資格証はこちらの方で用意しますと若い奴らのうち何人かが率先してきたため、私もいけなかったのですがこれを頼んでしまいました。

そして現場に出て作業を行っていたところ、資格の講習を受けていれば絶対にしないようなミスを犯して、大きな事故につながってしまいました。(詳細は特定されるのを防ぐ為伏せますが、玉掛けに関係する事故です)

明らかに馬鹿じゃないかと思えるようなミスで、資格の講習を受けていないことがまるわかりでした。全員呼び出して事実確認を行ったところ、遊ぶ金欲しさに資格を取得すると嘘をついて、実際には資格取得代は遊びに使って講習自体はいっていなかったと白状したのが2名。残りは幸いにして、きちんとそして資格を持った上で仕事をしていました。しかし、無資格者に業務をさせたというのは重大なインシデントです。こちらも詳細は伏せますが、悪質な法令違反には当たらないという見解を頂き、現場監督や元請けさんに謝罪をしたり賠償をしたりすることでなんとか話が収まる状態にはなりました。

おさまる状態とはいうものの、賠償金額やペナルティ、そして機会損失の金額は半端ないことになってしまい、悪事に関わった2名の両親まで呼んできてもたぶん賠償しきれないような金額でした。そもそもこれは会社が監督不行届だったことですので、会社が賠償しなければなりません。

そこで、少しでも当面の間の人件費関係の足しにしようと資金調達を行うことになりました。会社の内部留保は一時的にであれその賠償で吹っ飛んでしまいますから。そこで今回利用したのがファクタリングです。

売掛債権を現金化することができるファクタリングは、私もシステムは聞いたことがあったのですが実際に使ったことはありませんでした。

実際に使ってみるとこれがまた非常に便利なもので、借金ではないので審査もほとんどありませんし、融資実行日がいつで~みたいな、まどろっこしいタイムラグもありませんでした。

申し込んでその日のうちには結果が出て、翌日の午後には振り込みの連絡をもらうことができました。振込の翌日にはきちんと口座に入金が確認できたので、かなり助かったのを覚えています。

こうして窮地を脱して、また一から会社の内部留保を貯めていくために仕事に励むことになりました。

夢は働かない大社長!みたいなことを思っていた時期もありましたが(笑)やっぱり自分は従業員と一緒に現場に入って汗水たらして頑張るほうが性に合っているのかもしれません。

これは神様がくれた試練だったのかもしれませんね。ちなみに、悪事を働いた2名については即日で親元に送り返してやりましたが、残った若い奴らは今後誠心誠意頑張ってくれるとのことで、今後の後継者にもなれるのではないかと社員一同期待して今日も一緒に働いています。

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