協力会社従業員の不祥事でパーになった請求をファクタリングで穴埋めした事例


私は創業80年になる土木業の3代目経営者です。 今回は協力会社・従業員の不祥事で大変困り、ファクタリングを利用しました。

当社は少数精鋭で営業するのが初代からのスタイルで、一人でも欠けてしまうと大きな痛手になるくらい、社員一人ひとりが経営者という意識を持って業務にあたっています。

現場に入る人間も、現場で新たな仕事に関して営業をかけることもありますし、当社の従業員は現場作業もできますが営業もできるバイプレーヤーです。

しかし、この人数では現場によっては単純に人数の割り振りが足りなくなることもあるため、協力会社を使うこともあります。

その中の一つが今回大きな問題を起こし、大変なことになったのです。

昨年、ある現場で「どうしても人数が足りなくなった」と元請様から連絡があり、人工(にんく)的にも厳しいので、なんとか現場で作業できる人員を増やして欲しいと打診をいただきました。

そこで、協力会社の登場です。

今回は、私の地元の後輩である個人社長に何人かよこしてほしいとお願いしました。

この社長のところにいる職人は若い子ばかりですが、今回の仕事の難易度であれば問題なく取り組めるであろうと思いました。

そして現場に投入して4日目でした。

その社長の所の若い職人が問題を起こした、と私の会社の従業員から連絡がありました。

すぐに元請様に連絡を入れましたが連絡が取れず、状況を確認すると、どうやら社長のところの若い職人が業務終了後にその現場周辺の飲食店で酒を飲んで暴れ、さらに翌日完全な二日酔いの状態で現場に出てきて全く使い物にならないばかりか、ふらつきながら登った足場で資材を落としたということでした。

言語道断とはまさにこのためにある言葉で、幸いにして怪我人が出たり、大きな事故につながることはなかったそうですが、業務的にはその協力会社を今後現場に投入することはできません。

そればかりか元請様が非常にご立腹で、私の会社すら現場から退場という処分になってしまいました。

当然今までの作業代金についてもご請求はできませんし、今後についても予定していた入金が一切ゼロになってしまいました。そうなると人件費の支払いや様々な部分でお支払いに問題が発生します。

協力会社の社長はすぐに私のところに飛んできて土下座をしていましたが、正直な話、彼に請求をしても財力的にお金を支払うことができないのは明白でした。

気持ち的には、この若い社長やその問題を起こした社員をどうにかしてやりたいと思っていましたが、そんなことをしていてもお金は1円も入ってきません。

経営者としてそこで正しい判断は、何とかしてお金を調達することです。

そこで私はすぐに様々な会社に支払いサイクルの変更をお願いしようと思いましたが、このようなお願いをすると狭い業界ですから、情報が漏れてしまいます。そのため、何か方法を考えてお金を調達する必要があります。借り入れも考えましたが、私の個人信用情報があまり良くないのでこれも難しいだろうということになりました。

そこで考えたのが、以前経営セミナーで話を聞いていたファクタリングです。

特に土木や建設業については、金額が大きくなったり、取引先の会社の規模が大きいと審査が通りやすく手数料もあまり高くならないという情報があったので、私はこれにかけることにしました。

ちょうど来月入金予定の仕事の請求書があったので、これをファクタリング会社に出してみることにしました。売掛金は1120万円です。

その時従業員の一人が「ファクタリングをするんだったら絶対相見積もりを取った方がいいですよ」、と教えてくれました。このように従業員が1人1人経営のセンスを持っているというのは私の本当に誇りです。

言葉を受けて私は、様々な社員に手伝ってもらいながら、ファクタリングの一括見積もりサービスを使ってみました。

すると、平均的な買取査定金額が大体930万円くらいだったのですが、一社だけ、取引先が10年以上のお付き合いのある会社であること・それに加えて上場企業であることから9割以上の金額で買い取ってくれるという会社さんが見つかったのです。
そのため、この会社に売却することを決めました。ちなみに、一番色が悪かった会社さんとこの会社さんの差額は70万円以上でした。70万円以上ということは、何人の従業員の社会保険料が払えることでしょう。とにかく助かりました。

しかも取引のスピードも非常に早く、借入なんて目じゃないくらいのスピードで入金されてきました。このスピードに慣れてしまうと、借り入れなんて申し込んでも時間がかかりすぎるから嫌だ、と思う人もいるのではないでしょうか。

資金繰りで何とかなったからいえることですが、とにかく、この業界は問題が発生すると問題を起こした人を責める風潮があります。ですが、それだけでは何も解決しません。本当にお金に困るのであれば、ファクタリングでなんとか急場を乗り切ってから後のことを考えるのが良いと思いますよ。

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