写真の使用量請求で大変困った広告業者がファクタリングで円満和解まで持ち込んだ事例


もともとタウン誌などの広告を取り扱う仕事をしておりましたが、数年前からWeb関係の仕事にも手を出し始めました。私は、そんな広告屋のオヤジです。

従業員数もそこまで多いわけではないので、本当に都内で仕事をしているというだけで、地方の広告屋のオヤジと何ら変わりはありません。そして、パソコン関係のことは私は一切出来ないため、採択・裁可のみ私が行うこととして、実際の作業は全て従業員に任せていました。どうしても元来は紙ベースの仕事の方が多かったし、私の仕事は営業取ってくることですから、このあたりのことは従業員任せで良いと思っていたのです。良くありませんでしたが。

Web関係の仕事は単価の相場観も紙ベースとは異なることから、とにかく低単価で量を取らなければ生き残っていけない業界であることはよくわかりました。とにかく上流工程に少しでも食らいつこうと様々なクリエイティブを提案して、納品を繰り返すことでそれなりのクライアントさんとお仕事をすることができるようにもなりました。

また、お客様も公的機関のお客様やNPO関係のお客様が増えてきて、これから上り調子で安定して行けば良いなあと思っていた矢先、私の元に一通の書類が届きました。開けてみてみると、とある地方都市の弁護士事務所さんでした。

はて、そんな地方とお取引があったという記憶もありませんし、どのような内容なのでしょうか。

いずれ弁護士事務所から連絡が来るということはあまり良いことではありませんし、縁起の良い事でもありませんよね。内容を確認してみましたが、これまたいまいちよく分からない内容で、どうやら写真関係で何かトラブルを申し立てられたということだけはわかりました。事実関係を行ってみると、とんでもないことが分かったのです。

弊社の納品物の中に、著作権が存在する写真が紛れ込んでいたというのです。これはどういうことか私にもすぐに分かりました。紙ベースの業界でも、著作権がらみのことはご法度ですし、紙ベースの仕事であればまず間違いなくこの辺りのリーガルチェックは行われてしかるべきだからです。

どうやらうちのスタッフが、時間がなくて納品物を急いでしまったがために、写真の権利関係を一つ一つ確認せず、イメージ検索で出てきたものをそのままクリエイティブに組み込んで使ってしまったということでした。

弁護士事務所さんの方に電話をかけてみると、度々警告文的なものが弊社に来ていたということですが、私はパソコン関係に疎く、確認をしておりませんでした。電話をつなぎっぱなしにしながら私の代表メールアドレスをチェックしてみたら、確かにそれらしいメールが届いているではありませんか!

脱サラして広告やを始めて早四年目。もはやここまでかと思いましたが、とにかく使用料をお支払いすれば穏便に済ませていただけるとのことでした。

また、権利者の方も弊社がWeb業界の新参者で、悪意あってこのようなことをしたのではなく、単純に「手落ち・ミス」でこのような事態が発生しているということをご理解いただけたようです。使用料金はかなり高額にはなってしまいましたが、きちんと支払いを期日までに行えば訴訟などは行わないとのことで和解のご提案を頂戴いたしました。

そうなると、速やかに先方の所へ馳せ参じてお詫びを申し上げ、そして金銭をお渡しする必要があります。振込でも良いとおっしゃっていただいたものの、こちらはやはり誠心誠意現地まで赴いて頭を下げるのが私の役目。

古臭いと思われるかもしれませんが、私はとにかくこれで今までやってきたのですから。そうなると、資金調達を行わなければなりません。

写真の使用料というのは皆さんあまりご存知ではないかもしれませんが非常に高額になることで知られており、和解に応じていただくためにはおよそ50万円程度の金額が必要だということがわかりました。(※これでもかなり破格の和解条項にしていただいたことを申し添えておきます)

現地への移動費用などもできれば会社のプールではなくこちらから出したかったので、私はおおよそ60万円から70万円程度の費用を求めて資金調達に取り組み始めました。

とはいうものの、経営状態は決して悪くはありませんでしたが、会社の規模も小さいことですし、とにかく今回は時間がありませんから金融機関のローンを使うことはできません。ビジネスカードローンなどの使用も考えましたが、こちらもおそらく満額で借りられてせいぜい2、30万円まで。

いわゆる手形割引のようなサービスがこの業界にもないか調べてみたところ、ありました。

ファクタリングというサービスです。ファクタリングはもともと建設業界とか介護業界、あるいは海運業界など、取引の残高が大きくなるような業種のみ使えるとばかり思い込んでいたのですが、最近は私どものような広告業やデザイナー関係のお仕事の方も積極的にファクタリングで資金調達をされているということで、私は今回ファクタリングを利用するに至ったというわけです。

一括査定サービスというものがあることを知り、相見積もりを取るべく連絡を入れてみたところ、相手先企業様が大きい会社さんであったことから、安心して取引ができそうだというご連絡をいくつか頂きました。

これも私にとっては革命的な出来事。

なぜなら、こういた資金調達の申し込みの際には超~~~高圧的な担当者を説き伏せて、そして時には頭を下げたりおべんちゃらを言ったりしてお金を何とかする、というのが私の考え方だったからです。ファクタリングは商取引ですから、こういったことも必要ないわけです。

取引は大変スムーズに進み、二日後には手元に必要な金額が揃ってきました。確か二日後の午前中のことだったのではないでしょうか。

私はその日の午後に新幹線のチケットをとり現地へ飛び、先方様に頭を下げて和解をさせていただくことができました。

このように創業間もない経営者には特に心強いのがファクタリングという存在です。特に今回のように大至急資金を用意しなければならない時は金融機関のローンが多少枠が残っていたとしても間に合わないことも往々にしてあるでしょう。

それくらいならば、経理上も借金というにしなくても良い、ファクタリングで資金調達を行うのが何よりも大事です。

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