経営において、資金繰りの悪化は会社の倒産に繋がりかねない大変深刻な問題です。
対処が遅れれば、赤字・黒字に関わらず万が一の事態も起こり得ます。
資金繰りの悪化を改善するのに対処が早すぎるということは決してありません。
手遅れにならないためにも、早め早めの対処を心がけましょう。
皆様が資金繰りの改善策を練る場合、まずは資金調達に関するさまざまな知識・方法を知ることが得策です。
本記事では、資金繰りが悪化した際に経営者がとるべき改善策についてご紹介いたします。
皆様の資金繰り改善に、どうぞお役立てください。
法人の資金繰り改善策15選
今回は、資金繰りが悪化した際の法人向け改善策15選をご紹介いたします。
1、簿外資産の確認とそこからの借り入れ
2、公的融資の活用
3、ファクタリング
4、売掛金の回収を早める
5、売掛金未回収の回避
6、支払いを先延ばす
7、交渉して返済プランをリスケジュール
8、社会保険料や税金の支払いの延期、もしくは分割支払い
9、短期ビジネスローンの活用
10、前入金の交渉
11、借り換えの検討
12、社内預金制度の活用
13、不要な資産の売却
14、経費はすべて法人カードで支払う
15、リース・レンタルを活用する
1、保険や共済からの借り入れ
事業者の中には、貯蓄型保険や共済に加入されている方々も非常に多いのではないでしょうか。
その場合のほとんどは、掛け金(積立金)の範囲内で借り入れができる可能性が高いです。
契約内容によって金額は異なりますが、おおよそ掛け金(積立金)の7〜9割程度となっています。
サービスは継続しつつ、借入金は資金繰りが落ち着いた後に返済すれば問題ありません。
そもそもこの制度自体を知らない事業者も多くいらっしゃるため、資金繰りの改善策を練る場合、まずは加入されている保険や共済の担当者に確認をしてみましょう。
2、公的融資の活用
法人向けの公的融資制度は、大きく分類すると日本政策金融公庫・信用保証協会・商工会議所の融資制度が該当します。
公的融資では、融資利息の一部を行政が補填する形となり、安い金利の借り入れが長期で可能です。
つまり、資金繰り改善には大変有効な融資制度だといえます。
ただし、保険や共済からの借り入れとは違い、少々時間がかかってしまうことがデメリットです。
保険や共済からの借り入れであれば、一般的に2〜3営業日ほどで現金が振り込まれることでしょう。
ところが、公的融資ではおよそ4〜6週間程の時間を必要とするため、急遽手元に現金を用意しなければならない状況では活用できない方法なのです。
また、既に公庫や保証協会と付き合いがある事業者であれば、通常よりも早くで融資を受けられる可能性は高いです。
早め早めの対応を心がけましょう。
3、ファクタリング
中小企業や個人事業主が抱える資金繰りの大きな課題である「売掛金の回収」
これを解決する手段として挙げられるのが「ファクタリング」です。
現在非常にニーズが高まっている金融サービスのひとつで、主に中小企業や個人事業主によって利用されています。
未回収の売掛金に関するリスクを軽減できたり、売掛債権を譲渡して現金を調達できたりすることが特徴です。
■現金化までがスピーディー(最短即日)
■自社の業績が悪くても利用できる
■売掛金未回収のリスクを回避できる
などのメリットも挙げられます。
ファクタリングサービスに関する詳しい内容は、こちらの記事をご参照ください。
4、売掛金の回収を早める
売掛金の回収には、通常1〜3ヶ月ほどの時間がかかります。
そのため、ひとつ前に解説した「ファクタリング」で売掛債権を譲渡して現金化をする方法を提案いたしました。
しかし、取引先に直接交渉して売掛金の回収を早めるという方法もあるのです。
具体的には、
■既存の取引先に支払いを早めてもらうように交渉する
■手形から振り込みに変更してもらえるように交渉する
などの手段が挙げられます。
当然、対応できない場合も多いと思われますが、交渉を受け入れてくれる取引先も必ず存在するはずです。
ぜひ、交渉を試みてみましょう。
5、売掛金未回収の回避
皆様は自社の売掛金の回収率を瞬時に答えることができますか?
実は、中小企業の経営者の中には、この質問に答えられない方が多くいらっしゃいます。
一般的な中小企業の売掛金の回収率は、およそ95〜99%程度です。
つまり、残りの1〜5%は未回収であるといえます。
その理由として挙げられるのは、
■取引先の商品・サービスに対する不満による代金未払い
■取引先担当者の入金漏れ
■取引先の倒産
などです。
売掛金をきちんと回収できていない状態が続けば、資金繰りの悪化を深刻化させることに繋がるでしょう。
売掛金を回収できていない取引先や回収できてない理由などをしっかりと把握し、回収率を100%に限りなく近づけることが大切なのです。
6、支払いを先延ばす
取引先に支払いの先延ばしが可能であるか交渉をしてみましょう。
ただし、この方法はそれなりの取引実績や信頼関係の構築ができていることが前提です。
そうでなければ、単に信頼関係を壊す結果となってしまいます。
また、重要な取引先に対して安易な交渉を行うことは、取引を拒否されるなどと、事業そのものに大きな損失を生みかねません。
そのような事態が起きぬように、支払いを先延ばしにする交渉を行う際には取引先を厳選することが必須です。
7、交渉して返済プランをリスケジュール
すでに金融機関との付き合いがあるのであれば、金融機関に対する返済が資金繰りを悪化させている可能性も考えましょう。
そのような場合には金融機関と交渉し、月額の返済額を減らす、または先送りにしてゼロにするように交渉を行う必要があります。
もちろん、簡単な交渉ではありません。
やむを得ない状況とはいえ、契約していた返済条件を破る行為にあたるため、誠実な姿勢でお願いをすることが大切なのです。
8、社会保険料や税金の支払いの延期、もしくは分割支払い
資金繰り悪化の原因は、社会保険や税金の支払いにある場合も少なくはありません。
そのような場合、金融機関同様で支払いの延期や分割支払いの交渉が必要です。
これは金融機関に対するリスケジュールよりも難しいといえます。
ところが、この状態を放置すれば延滞税が乗っかるなどの処置が取られ、資金繰りをさらに悪化させる結果となるでしょう。
決して簡単な交渉ではありませんが、交渉が成功した例も当然あります。
結論としては、金融機関に対するリスケジュール同様に、前持った誠実な交渉が大切になるのです。
9、ビジネスローンの活用
ビジネスローンとは、金融機関の融資業品の中でも事業資金としての利用に目的を絞ったものを指します。
ただし、金利が高いことから一般的に敬遠されやすい傾向にあるのです。
確かに、民間金融機関のビジネスローンは担保でも付けない限り、年利15〜18%程度に設定されています。
公的融資と比較すれば、高く感じてしまうのも当然です。
しかし、急遽手元に現金が必要な状況で、悠長に公的融資の入金を待っている余裕はありません。
低金利に越したことはありませんが、万が一の場合には大変有効な資金調達手段だといえるでしょう。
10、前入金の交渉
これは、自社に対する支払いを早めるための手段となります。
商品・サービスの取引条件を前入金を前提とした仕組みに変えるというものです。
特に、新規顧客が相手であれば交渉はスムーズになるでしょう。
また、既存の商品・サービスに値引きやオプションを設け、前入金で支払うのメリットを感じさせというのもひとつの戦略です。
11、借り換えの検討
借り換えとは、高い金利で借り入れているものを低い金利のところから新たに借り入れたお金で返済を行い、以後低金利のところに支払いを続けていく方法です。
低金利の借入に移すことができるため、利息負担が軽減し、利益率の改善に繋がります。
事業者は、
■何社からいくら借り入れをしているのか
■各社いくらずつ借り入れをしているのか
■金利何%で借り入れをしているのか
などをきちんと把握し、金利が高い借入金があるのならば、低金利のものに借り換えを行うようにしましょう。
12、社内預金制度の活用
社内預金制度とは、従業員が会社に預金を行う制度を指します。
ビジネスローンで資金調達を行えば金利は15〜18%ですし、従業員が銀行に定期預金をしても金利は1%以下です。
ところが、社内預金制度を活用し、仮に金利を5%に設定することができれば、
■会社は低金利で資金調達を行うことができる
■従業員は高金利で利息を受け取ることができる
など、お互いwin-winの関係を築くことができるでしょう。
希望者のみ、給料から天引きを行う仕組みをとれば、資金繰りは非常に改善しやすいはずです。
13、不要な資産の売却
事業歴が増えれば、それだけ不要な資産も増えていきます。
例えば、
■未使用のWebサイト
■未使用のシステム
■未使用の設備
■未使用のオフィス
などが挙げられらます。
「いずれ使うかもしれない」と思っても、使わずに終わることがほとんどです。
資産というものは保有しているだけでコストがかかってしまいます。
断捨離を意識し、不要な資産は売却していきましょう。
14、経費はすべて法人カードで支払う
法人カードで支払いを行なった際、実際に引き落とされるのは翌々月であることが一般的といえます。
つまり、経費の支払いは現金で行うよりも、すべて法人カードを活用することで、支払い日を遅らせることができるのです。
また、最近では法人カードでも分割の支払いが可能です。
法人カードの活用は、資金繰りの改善に大きく役立てられるでしょう。
15、リースの活用
設備投資を行うときは、リースの活用についても検討してみましょう。
もちろん、リースを活用には利息の負担が必須になります。
しかし、投資時点の一時的な資金負担はありませんし、毎年の支払額が一定となるため、資金繰りがわかりやすくなるというメリットもあるのです。
また、現在所有している設備がある場合には、セール&リースバックを活用することもできるでしょう。
セール&リースバックとは、所有設備をリース会社に売却すると同時に、リース契約を締結して設備の利用を継続するという手法になります。
企業は設備を継続して利用しながらも売却代金を得られるため、資金繰りを改善できるというわけです。
まとめ
以上が、法人向け資金繰り改善策15選です。
このように、資金繰りの改善策にはさまざまな方法があります。
そのため、選択に困っている方も大変多いのではないでしょうか。
そこでチョウタツ王は、この中から次の2つの改善策をおすすめいたします。
【スピードよりも低金利を重視したい事業者】
⇒公的融資
融資利息の一部を行政が補填していて、安い金利の借り入れが長期で可能であるため。
【低金利よりもスピードを重視したい事業者】
⇒ファクタリング
最短即日対応が可能な企業も多く、業績が悪化していても利用しやすいため。
資金繰りの改善を行うのに早すぎるということは決してありません。
対処が遅れたことにより、倒産という最悪の事態に至った企業も多く存在します。
早め早めの対処を心がけましょう。
また、もし皆様がこれからファクタリングの利用をご検討されている場合は、まず一括査定の活用をおすすめいたします。
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ぜひご活用ください。