ニュースでもよく耳にする『上場』や『IPO』という言葉。
会社を経営している方は特に聞く機会が多いかと思います。
しかし、意味はよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、3分でわかる上場の全て。株式公開・IPOのメリット・デメリット徹底まとめを紹介します。
上場・IPOについて知っておきたい、上場を検討しているという方は
参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
上場・IPOとは
ではまず、『上場』『IPO』とはなにかから説明します。
上場とは
上場とは、自社の株式を株式市場において、売買が可能な状態にすることです。
不特定多数の者を対象に株式を発行することで、
上場した会社は、株式が売れた分だけ資金を確保することができるようになります。
また、上場した企業のことを、『上場企業』と言います。
IPOとは
IPOとは『Initial Public Offering』の略で日本語だと『新規上場株式』のことです。
上場と同じ意味で使われます。
また、IPO株投資という投資法がありますが、
これは「上場する前に株を手に入れて、上場日に売る」という投資方法のことで
上場するときに投資家に配られる“株を買う権利”を抽選で手に入れ、
上場日のはじめに付く株価(初値〔はつね〕)で株を売ることで利益を出すというものです。
株式上場と株式公開の違い
『株式上場』ではなく『株式公開』と言われることがありますが、
結論から言うと、株式上場と株式公開の違いは全くありません。
2004年以前は、
株式上場⇒証券取引所で株式を売買する場合
株式公開⇒店頭市場で株式を売買する場合
と違いがありましたが、2004年以降店頭市場という売買方法はなくなったため
現在は意味の違いがなくなりました。
株式市場の種類
株式市場はいろいろな種類があり、市場ごとに公開基準は異なります。
上場する際は、現状と条件によって自社に最適な市場を選ぶのが大切です。
日本の株式市場は札幌・東京・名古屋・福岡の4つの証券取引所で成立していて
各証券取引所は、それぞれ新興企業やベンチャー企業のサポートをすることを目的とした
新興市場があります。
また、こうした全国の証券取引所を『JPX・日本取引所グループ』が取りまとめています。
JPX・日本取引所グループのホームページでは、上場を検討中の方に向けた
『取引に関わる』様々な情報もあるので、検討中の方は一度チェックしてみてください。
JPX・日本取引所グループの公式ホームページ
上場(IPO)のメリット・デメリット
上場するのはメリットが多いですが、デメリットもあります。
次にメリットとデメリットについて説明します。
上場(IPO)のメリット
◆知名度の向上
上場すると知名度が向上し、優秀な人材の確保や新規顧客の増加などが見込めます。
◆資金調達がしやすい
上場すると不特定多数の投資家からの資金調達が可能になるだけでなく
金融機関の信用も上がるので、よりいい条件で借り入れできる可能性があります。
◆内部管理体制の充実
上場するにあたり、組織的な経営体質の整備をしなくてはならないため
規程の整備などを通してリスクを意識した体制が構築できます。
◆信用度の向上
監査法人の監査により優良企業としてのイメージアップ・信用度の向上につながります。
◆従業員のモチベーション向上
上場により、従業員の会社への愛着が高まり、モチベーションの向上も期待できます。
◆創業者の利益の確保
株式上場時に自社株を市場に売り出すことができるので、
相当額の買収差益(キャピタルゲイン)を得ることができます。
上場(IPO)のデメリット
◆株式公開準備に時間とコストがかかる
上場するための準備では、申請資料の作成はもちろん
経営管理体制の整備や人材の確保など時間とコストがかかります。
◆上場の維持費がかかる
上場すると『年間上場料』という維持費の支払いが必要になります。
上場時の時価総額が50億円以下の場合、東証一部で96万円、東証二部で72万円がかかります。
◆社会的責任・経営責任が大きくなる
当然ですが、不特定多数の投資家の間で取引されるようになれば
経営責任・企業の社会的責任は大きくなります。
万が一、経営上の過失などにより株価を低下させた場合は
経営陣の責任追及をされてしまいます。
不祥事・スキャンダルは起こらないよう細心の注意が必要です。
◆買収のリスクがある
上場すると、自社株の売買が証券取引所を通じて自由に取引されるようになり、
ライバル企業や投資ファンドによる買い占め、敵対的買収の対象になるリスクがあります。
◆株主の意向に配慮した経営が必要になる
上場すると、経営者の方針だけで経営を進めることができなくなります。
多くの株主は所有することで利益を得ることが目的なので
中長期的な戦略を立てにくくなる可能性があります。
上場するための手順
上場するには、準備が必要です。
上場を検討し始めたら上場するまでのスケジュールを作成します。
①株主上場時期の決定
上場の3年前には、過去の財務諸表の整理・見直し、関係会社の整理などの情報の整理。
株式公開準備の担当者を選任しての内部統制の整備や管理部門の強化。
外部監査人の選定など、人と制度の準備が必要となるため、
上場の予定の時期は最初に決めておきましょう。
②公開準備室の設置
経営管理チーム、申請書類チーム、事業計画チームなど
チームを結成して必要作業の分担をします。
上場の準備は全体的な協力が不可欠になります。
③社内体制の強化・経営計画の策定
具体的には、以下の必要な制度等を確立していきます。
・組織・業務フローの構築
・会計処理方針や原価計算制度の確立
・在庫管理システムの確立
・予算管理や月次決算制度の確立
・内部監査(けん制)体制の確立
・社内規程の整備など
④申請書類・審査書類の作成
申請書類・審査書類の作成を行います。
審査書類を主幹事証券会社に提出すると審査が開始されます。
⑤事前審査
上場するときの事前審査は、「形式基準」と「実質基準」に分けられます。
形式基準審査を通過した後に実質基準審査を行い、企業の上場可能かどうかを判断します。
◆主な形式基準
・純資産額
・時価総額
・利益の額
・会計監査
・上場時株主数
・最低上場株式数
・企業再編やファイナンスに関する規制
◆主な実質基準
・企業経営の継続性、収益性
・企業経営の健全性
・企業内容開示の適性
・経営管理体制の整備
⑥株式の公募・売り出し
審査を通過すると、株式の公募・売り出しになります。
まとめ
今回は、『3分でわかる上場の全て。株式公開・IPOのメリット・デメリットを徹底まとめ』
を紹介しました!
上場は知名度の向上や、資金調達などたくさんのメリットがあります。
しかし、一方で上場するには、時間・お金・人などコストがかかり、
上場した後も維持費がかかるというデメリットもあるので
上場を検討されている方は自社の状況を考え計画的に行動することが大切です。
また、上場は資金調達に有効ではありますが、すぐに資金調達ができるわけではありません。
なので、すぐに資金調達をしたいという場合は、『ファクタリング』がおすすめです。
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