経営において、資金繰りの悪化は会社の倒産に繋がりかねない大変深刻な問題といえるでしょう。
対処が遅れれば、赤字・黒字に関わらず万が一の事態も起こり得ます。
資金繰りの悪化を改善するのに対処が早すぎるということは決してありません。
手遅れにならないためにも、正しい知識を身につけ、早め早めの対処を心がけましょう。
本記事では、資金調達のひとつの手段になり得る「銀行融資枠(コミットメントライン)」とは何か、そして「追加融資を受ける5つのポイント」について詳しく解説いたします。
これから資金調達のために融資の申請などご検討される方々にとって、非常に良い判断材料となるはずです。
皆様の資金繰り改善に、どうぞお役立てください。
銀行融資枠(コミットメントライン)とは?
「銀行融資枠(コミットメントライン)」とは資金調達の手段のひとつで、銀行と契約を結んで融資枠内と判断されれば、審査をしなくても融資を受けることができる仕組みのことを指します。
安定的な経常運転資金枠の確保や不測の事態への対応を目的として利用されることが多いです。
・効率的な資金運用
・IR対策
・コマーシャルペーパーや社債のバックアップライン
・金融機関との取引関係の維持
など。
最近では中小企業も積極的に銀行融資枠を利用していて、資金調達をするケースも増えています。
銀行融資枠は事業者の決算状況から決定され、それを超える借り入れはできません。
しかし、その融資枠内であれば、金融機関は設定したコミットメントラインを契約期間中拒否することはできないため、契約を結んだ企業は容易に資金調達ができるというわけです。
これにより、銀行融資枠の契約を結べた企業は、万が一の場合の備えを確保したともいえます。
結果、経営にも大きなゆとりを生むことができるしょう。
銀行融資枠(コミットメントライン)の種類
銀行融資枠にも2つの種類があり、仕組みもそれぞれ異なります。
① スタンドバイライン
② リボルビングライン
スタンドバイライン
「スタンドバイライン」は、非常時以外には資金引出を行わないことを前提として契約をします。
リボルビングライン
「リボルビングライン」は、資金が必要な時であればいつでも資金引出を行える契約です。
銀行融資枠(コミットメントライン)の契約方法
銀行融資枠(コミットメントライン)には、契約方法も2つの種類が存在します。
① バイラテラル方式(相対型)
② シンジケート方式(協調型)
バイラテラル方式(相対型)
「バイラテラル方式(相対型)」は、各金融機関と個別にコミットメントライン契約を結ぶ方法指します。
シンジケート方式(協調型)
「シンジケート方式(協調型)」は、アレンジャーと呼ばれる幹事金融機関を中心として契約が行われます。
複数の金融機関が一つの契約書に基づき、同一条件でコミットメントライン契約を結ぶのです。
追加融資を受ける5つのポイント!
ここからは、銀行融資枠(コミットメントライン)で「追加融資を受ける5つのポイント」を解説していきます。
利用者の多い「バイラテラル方式(相対型)」についてです。
コミットメントラインを契約する企業にとって、これから解説する内容は必ず理解しておけなければなりません。
ぜひ、参考にしてみて下さい。
① 業況を良くする
② 信用を勝ち取る
③ 目標を数値化して正確に伝える
④ 負債の圧縮
⑤ 会社の評価を高める
ポイント①:業況を良くする
もちろん、業況を良くすることは決して簡単なことではありません。
しかし、「融資をしたい」と思ってもらえるような企業へと成長することは、資金調達をする上で何より大切なことといえます。
それゆえ、業績を良くすることは第一に考えなければならないのです。
業況が悪い状態である場合は、大きなテコ入れが必要になるかもしれません。
ポイント②:信用を勝ち取る
業況を良くすることが重要だとお話ししましたが、それと同じくらい信用を勝ち取ることも重要です。
「融資をしたい」と思ってもらえる企業になるには、銀行から信用を得なければなりません。
・赤字の企業
・納税が滞っている企業
・債務超過、または仮払金や貸付金が多い企業
・保有資産の含み損が大きい企業
・決算書の精度が低い企業
業況が良くなることで改善される部分は多いですが、これらの特徴に当てはまる企業はどうしても銀行からの信用を失いやすくなってしまいます。
まずは、収支状況を細かく報告することから始めましょう。
業績が悪くても、信用を得るためにできることはたくさんあります。
マイナスな部分も含め、きちんと報告を怠らないことで、銀行から信用を勝ち取りやすくなるのです。
ポイント③:目標を数値化して正確に伝える
今後の目標を伝えることも、銀行から信用を得るためには必要なことです。
現実的な目標をきちんと数値化して伝え、企業のより良い未来をイメージしてもらうことで、信用を勝ち取りやすくなります。
売り上げや経費などの会社の支出がどうなっていくのか、事業計画書と資金繰り表を用いて今後の目標を正確に伝えるようにしましょう。
ポイント④:負債の圧縮
負債の圧縮とは、現在抱えている債務を減らすことを指します。
業況を良くする上でも、銀行から信用を得る上でも、重要なことといえるでしょう。
具体的には繰上返済を行うほか、無理のない範囲で返済を進めることです。
全体の20〜30%を返済するだけでも追加融資の可能性は大きくなると考えられます。
また、返済期限に遅れないことは尚重要なので、その点はきちんと徹底できるようにしましょう。
ポイント⑤:会社の評価を高める
最後のポイントは、「会社の評価を高める」ことです。
具体的には、面談を通してコニュニケーション能力や行動力、事業への熱意を担当者にアピールするようにしましょう。
過去の実績を掛け合わせて伝えることで、より効果的になります。
シンプルなことですが、担当者からの印象を決める大事な部分です。
面談の際には、ぜひ意識してみて下さい。
まとめ
「銀行融資枠(コミットメントライン)」とは何か、そして「追加融資を受ける5つのポイント」について詳しく解説いたしました。
資金繰りの悪化やキャッシュフローの悪化は万が一の事態にも繋がりかねません。
本記事の内容を参考に、銀行融資枠(コミットメントライン)について正しく理解するようにしましょう。
皆様の資金繰り改善やキャッシュフロー改善に、ぜひお役立て下さい。
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