「日本政策金融公庫」という機関はご存知でしょうか?
コロナウイルスによる業況悪化に対する特別貸付を行うなど、ニュースで聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、起業を志したことのある人なら一度は聞いたことのある名前かと思います。スタートアップ時期の経営では、何かと頼りになる存在です。
日本政策金融公庫では、創業前または創業後間もない事業者が、無担保・無保証で利用できる新創業融資制度を設けており、創業者にとって非常に利用しやすい制度となっています。
ここでは、日本政策金融公庫とはどういう機関なのか、またその新創業融資制度についてわかりやすく解説していきます。
融資を受けようかと考えている方には、どこから融資を受けるかというところが非常に重要になってくるかと存じますので、ぜひご参考にしていただければと思います。
日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫は、日本公庫などの愛称で親しまれていますが、正式名称は「株式会社日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫は、会社経営者や個人事業主の方にとっての「ろうきん」のような存在です。
銀行よりも融資が受けやすく、利息などの貸し付け条件が良いのが「日本政策金融公庫」の特徴となっています。
日本政策金融公庫は、国が100%出資をする金融機関となっており、上場はしていないものの「株式会社」の形態を取り、2008年に国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行、国際金融等業務の政策金融機関が統合されて発足した機関です。
個人事業や中小企業の金融支援を目的に、融資と信用保険の二本柱で事業を展開しています。
融資実績は過去10年、減少傾向にはありますが、日本政策金融公庫はそんな中でも、新創業融資に力を入れています。
人口減少が加速する中、起業を促進し、新規雇用と国内総生産(GDP)を促進させるためです。
また、基本理念の中に「民間金融機関の補完」も謳われており、一般の銀行では融資されないようなリスクがある事業への融資も行っています。
日本政策金融公庫は、創業支援のみならず、事業拡大や経営の維持を目的とした融資も行っています。
中小企業や新規開業者のセーフティーネットとなり、中小企業を支えている機関となっています。
【参考】日本政策金融公庫で融資を受ける!メリットとデメリット
日本政策金融公庫の新創業融資制度と利用条件
日本政策金融公庫の新創業融資制度は、創業前または創業後間もない事業者が、無担保・無保証で利用できる創業融資であり、創業者にとって利用しやすい制度となっています。
融資額 : 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
自己資金 : 創業資金総額の1/10以上
連帯保証 : 不要
担保 : 不要
審査期間 : 1ヶ月程度
返済期間 : 資金使途によって変動
上記ように、無担保・無保証で最大3,000万円まで借りられて、自己資金の割合が低くてもOK、審査期間も比較的短いというのが特徴です。
ただし、新創業融資制度を利用するための要件は3つあり、
「創業の要件」
「雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件」
「自己資金の要件」
をすべて満たす必要があります。
創業の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象になります。
会社として創業融資を受けたい場合は、会社を設立していないと申し込みできません。
また、事業開始は開業届の提出日など形式的な日付ではなく、例えば、賃貸借契約書や水道光熱費の支払、売上金の入金や従業員などへの給与の支払いが開始された、実質的に事業が始まったことをもって事業開始と判断されます。
雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件
次のいずれかに該当する方が対象になります。
- 雇用の創出を伴う事業を始める方
- 技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
- 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
・現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
・現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方 - 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
- 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方
- 地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める方
- 公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方
- 民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
- 既に事業を始めている場合は、事業開始時に上記のいずれかに該当した方
ご自身が上記の要件に該当するかどうかは、実際に日本政策金融公庫に確認していただく必要はありますが、
要するに、
「従業員を雇用する開業」
「ニーズがあり差別化された技術やサービスでの開業」
「過去長く勤めた業種と同じ業種での開業」
であれば要件を満たすということです。
自己資金の要件
最後に自己資金について、以下の要件のいずれかを満たしている必要があります。
- 現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(1)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
(2)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方 - 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
- 産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業(市町村が作成し、国が認定した創業支援事業計画に記載された特定創業支援等事業)を受けて事業を始める方
- 民間金融機関(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫または信用組合)と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
- 技術・ノウハウ等に新規性が見られる方
- 新商品・新役務の事業化に向けた研究・開発、試作販売を実施するため、商品の生産や役務の提供に6ヵ月以上を要し、かつ3事業年度以内に収支の黒字化が見込める方
- 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」の適用予定の方
上記に加えて、事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる必要があります。
ただし、1/10の自己資金を用意すれば創業融資が受けられるということではありません。
あくまで申し込みができるというだけであって、実際には自己資金を多く用意すればするほど創業融資の可能性は高くなります。
実際の申し込みでは、3割程度の自己資金を用意できているケースが多いようです。
新創業融資制度の金利
詳しい金利は個別事情によって変動しますが、以下が参考値になります。
(引用:https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html)
新創業融資制度は、他の制度よりも無担保・無保証である分、若干金利が高く設定されています。
なお、新創業融資制度は、信用保証協会の保証が不要であるため、地方自治体の制度融資では通常必要となる保証料はかかりません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
日本政策金融公庫の新創業融資制度について解説させていただきました。
この記事を読んで、日本政策金融公庫の新創業融資制度についての理解が少しでも深まっていただければ幸いです。
ただし、日本政策金融公庫の融資は「審査に3週間〜1カ月程度の時間が掛かる」ので、資金調達が間に合わないという方には、ファクタリングを併用されることをおすすめします。
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