建設業の会社を経営しております。東京の下町を中心に建設業といっても、リフォーム屋さんのようなことをすることもあり、今回も大きなトラブルが発生したのは個人のお客様の現場でした。
複数の業者が出入りするような現場に呼ばれて弊社の社員が現場に入ったのですが、そこで、盗難騒ぎが起きてしまったのです。
現場の職人といっても様々な業種の人間が出入りしますし、その間当然現場の施錠はないということで、実際問題誰がどのように窃盗行為を働いたのかは全く分かりません。
警察の捜査でもこの辺りのことがはっきりとはしておりませんで、こうなるともはやどの業者が謝罪をすべきかで、責任の擦り合いは文字通り熾烈を極めたものでした。
私の所にも対応依頼が回ってきたもので、社長として先方様にお詫びに伺うことになりました。するとどうでしょう、施工主様は大変激怒されておられました。どうやら、他の会社が何件か結託して、最終的な施錠管理に関する責任は弊社にあると口裏を合わせていたというのです。
個人のお客様ですから、複数の業者の代表者がそのようにしてもっともらしく説明をしたことで、そのように思われたのでしょう。
弊社としても名誉のために弁解をしなければなりませんでしたが、とにかく、施工代金の値引きは当然のことで損害賠償を求められるとのことでもありました。
状況証拠的には、弊社の従業員が関与していないと証明することはできるものの、やはりこれの解決には大きな時間がかかりますし、そもそも「ないこと」を証明するのは非常に難しいのです。
そこで弊社は苦渋の決断ではありますが、あくまでも今回のことでご不快な思いをさせ、またご不便をおかけしたという「お見舞金」という体裁で損害賠償の支払いを渋々了承することといたしました。
もちろん、他の業者は知らんふり。責任を弊社に押し付けたことで安心しているのでしょう。
こういった業者のことは後で始末をするにしても天使とまずはお客様にお支払いするお金を用意しなければなりませんでした。
会社の内部留保からでもよかったのですが、帳簿的に会社の内部留保から補填をするとあまり都合が良くなかったため、ファクタリングという方法で資金調達を行うことといたしました。
このファクタリングという方法はなかなかに便利なもので、帳簿上も借入という表記にはなりません。なぜならすでに発行済みの売掛債権を売却するというシステムだからです。
2社間ファクタリングといって、相手先の企業さんに知られずに売掛債権を売却することができるケースもありますが、今回は協力をいただく法人様に誠心誠意事情を説明申し上げ、その上でご了承をいただいてから3社間ファクタリングに挑戦いたしました。
その方が結果的に手数料も安く上がりますし、手続きもスムーズに進むと踏んだからです。
これが奏功し、ファクタリングの手数料は「1ケタパーセント」という低水準で契約を結ぶことができ、それでいてお客様にお支払いする分や、様々な損失補填のための資金をわずか3日程度で用意することができたというわけです。
弊社はまだ帳簿上などと「わがまま」をいえる立場ではおかげさまでありますが、これが全く資金の余力のない企業さんや個人の一人親方さんの場合は特に、ファクタリングのありがたさが身にしみるのではないかと思います。
同じような状況に私が創業当初にぶち当たっていたとしても、おそらく同じ方法を使って売掛金から損失補填を行ったことでしょう。
特に創業当初というのは金融機関はどこも冷たいもので、にこやかに相手をしてくれるのはせいぜい銀行の受付のお姉さんくらいなものでした。
奥の部屋に通されれば当然のことながら相手にもしてもらえず、貸して欲しい時に金融機関はお金を貸してくれず、必要ない時に貸付を迫ってくる、というのが金融機関です。
これを考えると、ファクタリングはやはり中小企業はもちろんのこと、資金繰りに困っている個人営業の社長さんや法人ではあるものの実際に動いているのは数名単位という小規模ビジネス運営者の方に特におすすめしたいものです。
また、ファクタリングは他社に金融ローン商品の融資を断られていても問題なく申し込みが可能ですし、税金などの各種滞納があっても相談に乗ってもらうこと自体は可能とのことでした。
個人信用情報や会社の信用情報をチェックすることもほとんどないとのことでしたので、情報共有がてらお伝えしておきます。
特に私がもし今後、新しいビジネスを立ち上げるとしても、ファクタリングにはお世話になるのではないかと思います。
自社の信用でお金が借りられない人は、取引先の信用で売掛債権を現金化するという方法が取れることを、決して忘れないでくださいね。
ちなみに、ファクタリングは業者の数が非常に多くなってきているので、一括査定サービスを使って一番条件の良いところとお取引をするというのが鉄則です。
これもワンポイントアドバイスとして覚えておいて頂ければ幸いです。