初めまして。この度体験談を書かせていただくY(仮名)と申します。
元々美容業界で長らく働いていたのですが、昨年一念発起して会社を立ち上げた新米経営者です。
主な業務内容としては、美容サロンの経営や美容関係の商品のプロデュース、それに販売です。
一部コンサルティングも行っていますが、メインはやはりサロンの経営です。おかげさまで年商も1億円を超え、私についてきてくれる従業員も20名とかなりの人数になりました。
お取引先様も個人のお客様はもちろんのこと、福利厚生の一環としてサロンをご使用いただく会社さんも出てきて、月の売り上げもかなりのものになってきました。
会社としてはこれからますます成長していくとても良い時期だと思っていて、私も少し新規事業に手を伸ばしてみようかなと思っていた矢先に、トラブルが起こりました。
事の発端は創業から一緒に会社を立ち上げていきた、役員の一言でした。
「なんか最近備品や商品の減りが早いような気がする。お客様の数と、それぞれのアイテムの使用量が合わない気がする」
詳しいことは割愛しますが、ここでは10gで5万円くらいするクリームや化粧品のようなものを想像してください。
それが、お客様の数とどうしても使用量が合わず、多少サービスのつもりで多めに使っていたり、お客様からの信頼や指名を勝ち取るために、スタッフの個人プレーという形でサンプルでお渡ししていたことがあったとしても、どう考えても減り方が尋常じゃないということでした。
事実、このような個人プレーはある程度許容していましたし、社員にもその旨は伝えていましたが、それでもさすがに減り方がおかしい・・・。
そうこうしているうち、ある日化粧品を仕入れている会社さんからの請求書を見て愕然としました。請求金額が普通は月に100万円も行かないものですが、なんと今月は280万円ほど!!
どう考えてもおかしい数字ですので仕入先にすぐに連絡を入れて確認を取りましたが、どうやらうちのスタッフがサロンの名前を使って発注していたとのことでした。
納品もサロンに間違いなく行っており、その時の配達は一般的な配送業者だったこと、また受領サインがおそらくわざとでしょうが判別不能なものということで、防犯カメラも設置していなかったサロンでは、誰が勝手に発注をしているのかが分かりませんでした。
当然、サロンには発注したはずのクリーム・化粧品類はどこにも見当たりません。おそらくどこかに持って行っているのでしょう。
そして大体同じくらいの時期に、うちのサロンが定休日とさせていただいている日に限ってマンションの一室で営業しているサロンがあるらしい、それが最近インスタで話題らしい、という情報が入ってきました。
インスタを見てみると、明らかにうちの商品を使っていました。
これではっきりしたのが、うちの社員がサロンの商品を横領してそれを元にサロンを闇営業しているということでした。
完全に業務上横領にもなり得る案件ですし、会社としての損害も大きかったことから、すぐにそのサロンを営業しているスタッフを発見して問い詰めました。
もちろん、警察にも行く旨を伝えたのですが本人はサロンのために宣伝になることをやっていた、それが何が悪いのか?と開き直った様子で話にもなりません。
まだ若いスタッフだったので緊急連絡先である実家のご両親にもお話をさせていただきましたが、そもそも弁償してもらわなければならない金額は200万円近くとなっており、ご両親は経済状況的にも全く弁償などをすることができる余地もありませんでした。
また本人も売上金はホストに使ってしまって全くないということで、どうすることもできませんでした。
本人の処遇は警察に突き出すになり解雇するなり後でいくらでも出来ますが、まずは化粧品の仕入れ代金を支払わなければなりません。
入金も一週間後に迫っていた中で、とにかく急場しのぎでも良いのでお金を集める必要がありました。仕入先に事情を説明して支払いを待ってもらう方法も考えましたが、そのようなことをしてしまうと今後の交渉や取引に悪影響が出る可能性があったからです。とにかく創業間もない会社でこのようなトラブルを他の会社さんに見せるわけにはいかなかったのです。
そこでやむなく、消費者金融でお金を借りることにしました。しかし、もうおわかりかと思いますが、創業から間もない私に融資してくれる消費者金融などあるわけもなく、銀行についてはそもそも申し込みから審査結果が出るまで2週間以上かかるということで始めからあてにはなりませんでした。
どうしようかと困っていたところ、会社のスタッフから「最近は資金調達をファクタリングという方法で行う経営者が増えているらしい」という話を聞きました。なんでも、SNSで面白い感じのの漫画や体験談が掲載されていて、その掲載サイトではファクタリングの一括査定ができるということでした。
ちなみにファクタリングというのは私も勉強したのですが、すでに請求書を発行している売掛債権を、取引先からの入金を待たずに現金化できる方法で、手数料は最大で20%くらいになるケースもあるそうでした。それでも背に腹はかえられず、融資の申込のように厳格な審査があるわけでもない(!)ということだったので早速そのサイトで一括査定の申し込みをしました。
ちょうど、福利厚生の一環でかなりの回数サロンを利用してくれた会社さんのツケ払いの売掛債権があったためこちらをファクタリングに出すことにしました。500万円近い売掛債権だったので、手数料はかなりの金額がマイナスされると思っていたのですが、一番条件の良いところは、9割近い金額で買い取ってくれるといってくれたのです。
結論からいうとかなりスピーディーに契約の話がまとまって、その日のうちに売掛金が入金されてきました。これでなんとか支払いも出来ますし、損害回復についてはこれから裁判などやることは山積みですが、とにかく会社を続けることができるのが何よりも嬉しいポイントでした。
お金を借りるとなると精神的な負担もかなり大きいですが、ファクタリングを使うことで、その精神的な負担や、悩み続けなければならない時間を減らすことができるのは大きいと思います!