経営者の方なら「帝国データバンク」という会社を耳にしたことはあるかと思います。
帝国データバンクの評点が上がれば、金融機関からも信頼を得られ、事業資金を調達しやすくなります。
実際に、企業信用調査が51点以上になれば『銀行から営業にやって来る』とも言われています。
しかしながら、帝国データバンクの調査は突然依頼がされます。
「帝国データバンクの〇〇と申しますが、取材に伺ってもよろしいでしょうか?」
多くの経営者は、突然の事態に驚いて、どう対応するべきか?と迷ってしまいます。
断っても大丈夫だろうか…
それとも、ちゃんと依頼を受けるべきだろうか…
断った場合はどうなる?受けた場合どうなる?
なかなか判断が難しいものかと思います。
この記事では、帝国データバンクの調査に関係する事柄と、調査の注意事項について解説しますので、もし調査依頼があったときのための参考としてお役立てください。
帝国データバンクとは
そもそも帝国データバンクとはどういった会社なのでしょうか?
帝国データバンクは、分かりやすく言うと「企業活動に役立つ情報を提供している」会社です。
帝国データバンクの主な事業内容は、企業の信用調査をメインに、信用リスク管理サービス、データベースサービス、マーケティングサービス、電子商取引サポートサービス、出版など様々な業務を行っています。
国の機関ではなく、民間の株式会社になります。
「企業活動に役立つ情報を提供している」会社と言いましたが、言い換えれば「情報提供サービス」会社となります。
どんなところに情報を提供しているのかというと、銀行などの金融機関、商社や大手メーカーをはじめ、情報を求める全国の中小企業と取引しています。
帝国データバンクの調査について
帝国データバンクが行う「企業信用調査」とは、依頼者が取引先の状況を知るために利用されています。
企業信用調査とは
新規取引先候補に対しては「取引可否判断のため」、既存取引先に対しては「継続的に取引を行うため」の情報を入手するための調査であり、情報がないため取引できないことや、不必要に厳しい支払条件を課したりすることを防いで、商取引の円滑化をはかるものです。
引用:帝国データバンク(公式サイト)より
例えば、取引先が経営悪化や債務超過に陥っていたら、企業にとっても「大きなダメージ」が生じてしまいます。
こうしたリスクを回避するために、信用調査によるデータが用いられます。
帝国データバンクは独自に調査を行い、依頼をした側に調査結果を報告します。
また『信用レポート』を作成し、調査対象の企業が「どのような状態にあるのか」細かく状況を伝えます。
ただし、帝国データバンクの調査は、いつどこで行われるかは依頼者以外には分かりません。
例えば会社にいきなり、帝国データバンクによる信用調査が入るかも知れません。
また、帝国データバンクに依頼者が誰なのか質問をしても、依頼者側の情報は一切明かすことはありません。
調査を断ってもいいのか?
帝国データバンクが来たとしても、調査を断ることは可能です。
なぜなら、帝国データバンクは民間の企業であり、『任意でお願いをしている』に過ぎないためです。
実際に、帝国データバンクによる信用調査を断る企業もありますが、帝国データバンクが会社に訪問してきた場合は、以下のような目的を持って、調査を行っていることを念頭に置きましょう。
Q.なぜ、当社を調べているのですか?
原則として、弊社のお客さまからの依頼指示によって企業信用調査を行っています。
ただし、弊社データベースに登録させていただいた企業の情報は随時、信用調査目的等で閲覧利用するお客さまがいらっしゃるため、なるべく新しい情報をお届けするよう、定期的に更新取材をさせていただいています。
このような依頼者・利用者と貴社が円滑に商取引を行っていただくことを目的としています。
引用:帝国データバンク(公式サイト)より一部抜粋
このように、帝国データバンクによる調査が来たということは『取引先のどこかが、企業の信用状況を探りたい』と考えている現れです。
そのため、帝国データバンクが調査に来た場合、できる限り丁寧に対応することです。
なぜなら、調査を断った場合、正確な評点を付けてもらえないというデメリットがあるからです。
また、信用情報を基に取引を検討する企業もあるので、データを隠すメリットはどこにもありません。
実際に、信用保証協会には真摯に情報開示する方が、資金調達、他社との取引などを踏まえても得られるメリットは大きくなることが考えられます。
調査で評点が得られた際のメリット
帝国データバンクの評点を上げるメリット
- 銀行や金融機関から信頼が得られる
- 大手企業と取引をする機会につながる
- 取引先から「安全な企業」として認識される
- 新たなビジネスチャンスの可能性がある
- 社内の意識が向上する
このように帝国データバンクの評点を上げることで、得られる経営上のメリットは計り知れません。
ただ、経営状況の悪い企業が『悪い評点』を受けた場合、金融機関との関係、取引先からの評価が下がることも否定できません。
このため、帝国データバンクの調査を『受けるべきか、断るか』は各企業の状況によって、判断が異なります。
信用情報の面で問題が無く、銀行や金融機関等の取引先との関係を良好にしたいのであれば、ぜひ帝国データバンクによる『企業信用調査』を快く受けることを推奨します。
評価項目
評価項目は帝国データバンクによって公開されています。
帝国データバンクの評価項目
業歴
資本構成
規模
損益
資金現状
経営者
企業活力
これら7項目に加点減点を反映させて、合計で100点を満点にしています。
項目は至ってシンプルで、帝国データバンクの調査の有無にかかわらず、健全な会社経営を目指すときにチェックしておきたい項目でもあります。
上の項目により、信用程度は以下のようにランク付けされます。
帝国データバンクによる信用程度のランク付け
Aランク(86 ~100点)
Bランク(66 ~ 85点)
Cランク(51 ~ 65点)
Dランク(36 ~ 50点)
Eランク(35 以下点)
基準となっている『評点51』というのは、『Cランク』に位置します。
帝国データバンクで注意すべき5つの項目
帝国データバンクの取材を受けるときの5つの注意点は以下の通りです。
① 本当に帝国データバンクの職員かどうか確認する
② どのような調査が行われるのか把握しておく
③ 正確なデータ、決算書を調査会社に公開する
④ 説明の仕方をシミュレーションしておく
⑤ 銀行融資に強い専門家を同席させる(会社の名刺を持たせる)
① 本当に帝国データバンクの職員かどうか確認する
帝国データバンク自体は信頼できる会社ですが、帝国データバンクを名乗って調査を行おうとする業者や、あたかも帝国データバンクであるかのような素振りで情報を吸い取ろうとする業者がいます。
とくに電話口での調査には注意が必要ですが、訪問取材の場合は、失礼にならない程度に相手の身分を確認するようにしましょう。
② どのような調査が行われるのか把握しておく
まず、本記事の全章で説明したような『評点の目安』について、しっかりと把握することが必要です。
そして、帝国データバンクの調査に応じることが、評点アップにプラスに働くことを理解しましょう。
調査内容や目的を知っておけば、突然調査を受けた場合も慌てず、冷静に対処できます。
③ 正確なデータ、決算書を調査会社に公開する
調査会社には『決算書』をきちんと公開しましょう。
決算書や、その他帝国データバンクが求める資料を隠してしまう、質問に答えない、怪しい態度を取るといった場合には、評点を正確に付けて貰えません。
また、一旦『悪い評点』が付いてしまうと、他の企業からの信頼を失い、金融機関からも融資をしてもらえないという、最悪の状態に陥ってしまいます。
そのため普段から、決算書対策は万全にし、いつ調査が入っても見せられるような「決算書」を作りましょう。
また、情報を求められた場合には、正確な数値を伝える、もしくは記載するようにしましょう。
正しいデータや資料の作成は、自社の信頼を高める効果があります。
調査会社との付き合いに限らず、他社との取引のためにも、正確な数値やデータを出すよう心がけてください。
④ 説明の仕方をシミュレーションしておく
帝国データバンクによる企業信用調査がいつ入っても、慌てずに済むよう、説明の仕方はシミュレーションしておきましょう。
ウソがあってはいけませんが、自社の良い点をストレートに『言葉』として表現するのは、思った以上に難しいことです。
まずできることは、会社の状況を把握しておくことです。
経営状況の細かな点は提出する書類が語ってくれますが、全体の状況を把握しておくなら、当日不意になにかの質問をされても堂々と対応できます。
また、話し下手な方は、いざという時スラスラと言葉が出ないかもしれません。
いざ調査を受けた時、言葉足らずで後悔しないよう、普段から「言葉で伝える」練習をしておいてください。
とりわけ、会社としての取り組みや将来への展望に関係する部分は、熱意を込めてわかりやすく説明できるようよく練習が必要です。
1人で練習するよりも、社内で協力してもらって事前にシミュレーションしておくとよいでしょう。
⑤ 銀行融資に強い専門家を同席させる
④の部分を補う方法として、銀行融資に強い専門家を調査に同席させておけば安心です。
第三者として税理士や弁護士、経営面のコンサルティングを行なっている会社の社員など専門家を招くことができます。
彼らはプレゼン能力はもちろんのこと、相手が高い評価を与えたくなるようなポイントを良く知っています。
ただ、第三者を同席させると、帝国データバンクから嫌がられるので、第三者を招く場合には、事前にそのことを伝えておくか、あくまで会社の関係者として自然に同席させるようにしましょう。
また、同席者には会社の名刺を持たせておくと安心です。
そして、②〜④までの内容を踏まえて「自社の状況」が正確に伝えられるよう、120%の力を出して真摯に受け答えをしてください。
きちんと対応をすれば、代表者の評価項目(評点の一部に含まれる)にも良い影響が与えられます。
ここまでのポイントをきちんと抑えておけば、帝国データバンクの評点が50%を超える可能性は非常に高くなります。
もちろん、決算書やその他必要な書類は制度を高めて、いつでも出せる状態に整えておくことが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
帝国データバンクの調査に関係する事柄と、調査の注意点について解説させていただきました。
この記事を読んで、帝国データバンクの調査についての理解が少しでも深まっていただければ幸いです。
帝国データバンクの評点をアップすれば、金融機関から信頼を得ることができ、事業資金の調達がしやすくなります。
ただし、帝国データバンクに評価されていないと資金調達ができないかというと、どうではありません。
事業を進めていく中で、資金調達が間に合わないという方、今すぐ「事業資金が必要だ」という方には、ファクタリングを利用されることをおすすめします。
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しかしながら、一般的には、どのようなファクタリング業者を選択するのがよいか、判断することは非常に困難です。
しっかりと吟味せずにファクタリング業者を選んでしまうと、”違法なファクタリング”に巻き込まれたり、法外な手数料を請求されてしまうリスクもあります。
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