会社経営で資金繰りがショートしないコツを伝授!原因と予防策について徹底解剖

会社経営において資金繰りが苦しくなると、資金ショートという自体に陥ってしまいます。たとえ黒字であっても、運転資金が尽きてしまえば倒産という事態もあり得てしまうのです。

当記事では会社経営において資金繰りがショートしないコツや、資金繰りがショートしてしまう原因や予防策について解説していきます。

会社経営における資金ショートとは

資金ショートとは「収支のバランスが保てなくなり、今後の支払いに必要な資金が不足する」ことです。

手持ちの資金が不足することで、設備投資・公共料金・商品の仕入費用など、支払いが滞ってしまいます。資金ショートの状態に陥ると、会社が倒産するという結果を招いてしまいます。

赤字や債務超過との違い

では、資金ショートと赤字や債務超過の違いはどのようなものでしょうか。簡潔に説明します。

赤字

赤字とは「売上から経費・原価を差し引いて損失が発生している」状態のことです。儲けが出ていない状態ともいえます。赤字だからといって即倒産になる可能性は低いため、事業戦略を練り直すことで、会社経営を立て直すことも十分可能です。

債務超過

債務超過とは「会社が保有している資産より、負債のほうが多い状態」のことです。債務超過の場合、純資産はマイナスになりますが、手元に資金が残っていること可能性は十分にあります。一方で資金ショートは、資金が枯渇している状態なので、債務超過よりも深刻だといえるでしょう。

資金がショートしてしまう7つの原因

会社経営において資金がショートしてしまう原因は以下の通りです。

  • 売上の減少
  • 支出の増加
  • 売掛金の回収遅れや貸し倒れ
  • 買掛金の支払いサイトが短い
  • 過剰な在庫を抱えている
  • 資金の管理不足
  • 不測の事態が発生

それぞれ解説していきます。

売上の減少

売上が減少することで、入金される売掛金の金額も少なくなり、資金繰りは厳しくなってしまいます。売上に対して売掛金の割合が大きすぎても資金繰りは悪化しますが、売上自体が減少している状態は更に問題です。売上の減少として考えられる原因は以下の通りです。

priority 会社や商品の評判の低下
priority 競合他社の売上の上昇
priority 取引先とのトラブルによる取引停止

支出の増加

支出の増加も資金がショートする原因となります。原材料の価格高騰による仕入代金の増加や、増員による人件費の増加などが挙げられます。また設備投資や大規模な受注のための先行投資なども考えられるでしょう。

建設業のように大規模な受注で資金ショートしてしまうケースもあるため、中長期的な利益獲得のためにも手元の資金に余裕を持たせておくことは大切です。

売掛金の回収遅れや貸し倒れ

将来入金される予定の売掛金が入金されなかったり、取引先が倒産したりすると、資金計画に狂いが生じてしまいます。

売掛金が回収できなかったとしても、経費の支払いは発生し続けることから、入金と出金のタイムラグによる資金ショートを招いてしまうのです。

買掛金の支払いサイトが短い

買掛金を支払うまでの期日が短いと、資金繰りの面では不利となります。また従業員に対する給与においても同様のことです。支払いサイトが長いと、決済までの猶予期間があることで、現金を手元に残しておける状況が生まれます。

過剰な在庫を抱えている

在庫は貸借対照表では資産に該当します。しかし仕入れる時に現金が必要となり、在庫である商品が売れることで現金収入を得ることができます。

しかし過剰に在庫を抱えた状態というのは、現金を支払ったまま回収できていない状況となるため、資金ショートにつながるリスクにつながるのです。

資金の管理不足

資産管理を疎かにしてしまうことで、運転資金が足りないことに気付かないケースもあります。帳簿上の売上や営業利益が順調でも、現金が不足していれば会社経営が続けられずに黒字倒産の危機に直面してしまうのです。

キャッシュフローを把握できていないからこそ起こりうる問題といえます。経営を安定させるためにも、資金の動きを逐一把握して管理できる状態を作り上げておきましょう。

不測の事態が発生

災害や地震や疾病など、社会的な外部要因により不測の事態が発生してしまうことも考えられます。

近年で売上が急激に落ち込んでしまった業界や企業も珍しくありません。ランサムウェアといったサイバー攻撃により、身代金を支払うケースも発生しています。予期できない要因ではあるものの、これも資金ショートの一因です。

資金ショートを防ぐ5つの予防策

会社経営において資金ショートを防ぐ予防策は以下の通りです。

  • 資金繰り表を作成する
  • 過剰に在庫を抱えすぎない
  • 売掛金の回収期日と買掛金の支払期日を変える
  • 請求漏れが無いか今一度確認する
  • ファクタリングの利用を検討する

それぞれ解説していきます。

資金繰り表を作成する

まずは会社の財務状況やキャッシュフローを明確にするために、収支の把握や管理が重要となります。

資金繰り表を作成することで、一定期間内に現金の入出金を確認することが可能です。資金不足を迎えそうな時期の見通しが立ちやすくなることから、事前に対応策を練ることで資金ショートを防ぐことができるでしょう。

過剰に在庫を抱えすぎない

過剰に在庫を抱えすぎることで、在庫を管理するコストを負担し続ける必要があります。また在庫商品が劣化することで、棚卸評価損といった資産価値の減少というリスクを抱えることにもなります。

過剰な在庫を処理する方法として、まとめ買いを促すセールを実施してみましょう。在庫の処分に目処が立てば、倉庫のサイズを小さくするのも効果的です。

売掛金の回収期日と買掛金の支払期日を変える

売掛金の回収期日を早め、買掛金の支払期日を遅くする形となります。ただし取引条件の変更となるため、既存の取引先によっては打診を断られてしまう可能性もあるでしょう。新規の取引先であれば、変更後の条件を提示することができるので、期日を変更する良いきっかけとなります。

また売掛金の回収期日を早めに設定したとしても、営業担当が期日通りの回収を怠ってしまうケースも考えられます。営業担当に売掛金の期日回収の重要性を啓蒙することも必要です。

請求漏れが無いか今一度確認する

取引先の会社数が多いと、売上の入金漏れが生じる可能性があります。また請求書を発行した後でも、期日までに入金されていないことも起こり得ます。売掛金が発生していても、請求漏れがある限り、そのまま待っていても入金されることはありません。取引先が失念している場合は、当然ながら催促を忘れないようにしましょう。

ファクタリングの利用を検討する

ファクタリングとは、利用者が保有している売掛債権をファクタリング会社に売却(買取)し、期日よりも早いタイミングで資金化できる金融サービスのことです。

売掛債権を期日前に現金化できることから、緊急で資金が必要な状況でもファクタリングは活用できます。来店不要でオンライン完結も実施されていることから、つなぎ資金といった少額から、設備投資や設備資金と行った規模感での資金調達も実現できます。

資金繰りがショートしそうなときの相談先

資金繰りがショートしそうなときの相談先は以下の通りです。

priority 日本政策金融金庫などの公的機関
priority 会社の顧問税理士
priority 経営コンサルティング会社

それぞれ解説していきます。

日本政策金融金庫などの公的機関

日本政策金融金庫のように、資金ショートなどの資金繰りの改善について相談できる公的機関を利用してみましょう。具体的には以下の通りです。

  • 日本政策金融金庫:融資制度に頼らない支援制度や、災害や疾病の被害に対する融資制度が充実しています
  • 商工組合中央金庫:中小企業専門の金融機関です。資金繰りの改善だけでなく、財務体質の強化など事業全体の支援を行う点が強みです
  • 信用保証協会:「信用保証制度」により、中小企業は資金繰りを円滑に進めることができます。金融機関とのプロパー融資との併用も可能です。
  • 中小企業活性化協議会:47都道府県に設置されている公的機関であり、「地域の総合病院」としての役割を掲げています。企業経営の新たな相談先の候補として検討してみてください。

会社の顧問税理士

税理士は会社の税務に関する業務を幅広く担当してくれます。資金繰りに関する業務は、具体的には以下の通りです。

priority 企業の財務分析:決算書をもとに、事業計画の見直しを行う
priority 事業計画の改善:事業計画の修正や借入金の返済期日の調整など
priority 資金繰りの改善策の提示:具体的な方針や対策の提案
priority 改善策の実行に向けた支援:融資先や支援団体の紹介など

注意点として、税理士は税務のプロフェッショナルですが、財務に関して必ずしも専門的な知識を有しているわけではありません。会社経営に関するコンサルティングについての知見は、各々の税理士によって異なります。

経営コンサルティング会社

民間企業である経営コンサルティング会社に相談するのも手です。公式HPや会社概要でどのようなサービスを行っているのかを確認してみましょう。

中小企業向けのコンサルティング実績が豊富か、資金繰り改善に向けた経営再建や融資支援の活用などのアドバイスを受けられるのかがポイントです。融資の審査通過の確率を上げることで、スピード融資を実現させることにもつながります。

当然ながら依頼するにあたっては報酬が発生し、相場も会社ごとに異なります。金額が大きく異なる場合もあり、依頼先の選定に時間がかかってしまう場合があることも押さえておきましょう。

まとめ

資金ショートは会社が倒産する原因として直結するものであり、避けなければならない事態です。赤字や債務超過のほうが深刻な経営状況にも思えそうですが、まだ再建の余地が残されているともいえます。

そのため会社の資金繰りの状況を常に把握しておくことで、最低限の運営資金を確保しておくことが重要です。金融機関からの融資が通らない場合は、ファクタリングの利用も検討してみましょう。

チョウタツ王 お客様の声