最近よく目にする、オンライン完結タイプのファクタリング。
対面式のファクタリングと比較したとき、両者にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
この記事では、オンラインファクタリングと対面ファクタリング、この二つの違いについて詳しく解説していきたいと思います。
オンライン完結型ファクタリングとは?
ファクタリングとは売掛債権を早期に売却して現金化する資金調達手段のことですが、この手続きから入金までを全てwebやメールなどのオンライン上で行うタイプのものがオンライン完結型ファクタリングと呼ばれています。
従来のファクタリングでは買い取ってくれるファクタリング会社に出向くなどして担当者と対面で契約の手続きを進める方法が一般的でしたが、最近ではこのようなオンライン完結型を取り扱うファクタリング会社が増えてきています。
オンライン完結型ファクタリングの手順
オンライン完結型ファクタリングを利用する際の手順は概ね以下のような流れになります。
ユーザー登録
オンライン完結型ファクタリングではまずユーザー登録を行う必要があります。
登録方法はメールアドレスや、LINEなど会社によって様々ですが、法人であれば事業者登録などもここで行います。
申し込み・必要書類提出
登録後、申し込みの際に必要書類も提出します。
オンライン完結型ファクタリングで必要とされることの多い書類は以下の通りです。
・売掛債権を証明する書類(請求書・契約書など)
・本人確認書類(マイナンバーカード・免許証など)
・入金確認の可能な通帳のコピー
・決算書または確定申告書(直近数か月分あると◎)
書類の送付方法はFAX、PDF化したデータを専用のフォームから送信などの他、スマホで撮影した書類の画像をアップロードするなど、こちらもファクタリング会社によって違いますので確認してくださいね。
査定・見積額提示
査定が終わればファクタリング会社から見積額が提示されます。
申し込みから査定完了までにかかる時間はオンライン完結型であれば0~2日ほど。
契約・買取金額が入金
見積額に納得した場合は契約手続きを進め、完了次第指定した口座に買取額が振り込まれます。
申し込みから入金までが問題なく進めば、申し込みをしたその日のうちに振り込まれることも。
オンライン完結型ファクタリングのメリット
オンライン完結型ファクタリングのメリットとしては以下のような点があげられます。
入金までが早い
Webやメールで完結するオンライン完結型は従来のファクタリングに比べてさらにスピーディーな資金調達を可能にしています。
オンライン完結型を取り扱うファクタリング会社のほとんどは、契約進行に問題がなければ最短即日での入金に対応しています。
時間と場所を問わず申し込み可能
来店不要ですから、時間や場所の制限にとらわれない手続きが可能です。
申し込みは24時間受け付けているところが多く、遠方のファクタリング会社であっても条件さえ合えば利用することができます。
資金調達のためだけにまとまった時間を割くのが難しい、といった方も利用しやすいでしょう。
手数料が安め
オンライン完結型ファクタリングでは2社間ファクタリングが一般的です。
2社間ファクタリングの手数料相場は8~20%と言われていますが、オンライン完結型の相場は10%前後、中には3社間ファクタリング並みの1~2%という安値を設定するファクタリング会社も存在します。
対面型に比べ人件費やコストを大幅に削減できるからこそ実現できる安さです。
個人事業主や少額債権も利用可能
オンライン完結型を取り扱うファクタリング会社が全て、というわけではありませんが、個人事業主の利用が可能なところも増えています。
また、従来であれば断られるような数万円単位の少額債権に対応してくれるファクタリング会社はオンライン完結型のところが多いようです。
オンライン完結型ファクタリングのデメリット
オンライン完結型ファクタリングは手間やコスト面において非常に便利なサービスですが、以下のようなデメリットも存在します。
オンライン以外に対応していない
オンライン完結型は対面に必要な人員やコストを省くことで手数料などの削減を成立させているため、オンライン以外の形式には対応していない会社も少なくありません。
必然的にある程度、パソコンやスマホの知識が必要になります。
手間は省きたいがスマホやパソコンは苦手、といった場合は、数は多くありませんが電話とFAXでの手続きに対応してくれるファクタリング会社を探しましょう。
書類のデータ化が必須
オンライン完結型では必要書類を各社指定のデータにして送信しなくてはいけません。
スマホやスキャナで画像化したり、さらにpdf化したりなどする必要があることも。
このあたりの操作に不安がある方には面倒な作業かもしれませんね。
3社間ファクタリングはできない
オンライン完結型の多くは2社間ファクタリングのみの対応となっています。
これは、3社間ファクタリングでは売掛先企業にも連絡を取るために直接やり取りする必要が出てくるからです。
3社間ファクタリングを想定している場合はオンラインのみで済ませることはできない可能性が高いと思っておいた方が良いでしょう。
対面型ファクタリングとは?
対面型ファクタリングは利用者とファクタリング会社の担当者が直接会って契約を交わす、従来通りのファクタリングサービスです。
オンライン完結型が増えつつはあるものの、オンライン完結型とはまた別の強みを持っています。
対面型ファクタリングの手順
対面型ファクタリングを利用する際の手順は概ね以下のような流れになります。
事前相談
まず、手持ちの売掛債権を買い取ってもらえるかどうかを確認するために事前相談を行います。
事前相談により買取の見込みや
この時点では複数社を掛け持ちしても問題はありませんから、自社のニーズに沿った条件のファクタリング会社を見つけたら気軽に相談してみましょう。
申し込み
事前相談で本契約するファクタリング会社を決めたら申し込みをします。
対面型ファクタリングの申し込み方法は電話・窓口・郵送の他、オンラインで受け付けているところもあります。
電話や窓口での申し込みは不明点があれば相談しながら手続きを進めることができるため、初めてファクタリングを利用する方でも安心ですね。
ただし、営業時間内に連絡を取る必要がありますので注意してください。
必要書類提出
申し込み後、必要書類も提出します。
対面型完結型ファクタリングで必要とされることの多い書類はオンライン完結型とほとんど変わりありませんが、請求書が用意できない場合は発注書や納品書などで受け付けてもらえることもあります。
書類の送付方法は郵送や持ち込みの他、オンライン型同様にFAXやオンライン上での送付を受け付けているところもあります。
持ち込みであれば申し込み後即手渡せますし、不備があればその場で指摘してもらえます。
審査
提出した書類を元に、電話や面談でのヒアリングを経て買取可否の審査が行われます。
契約・買取金額が入金
審査を終え、買取金額やその他の契約内容に双方納得できれば契約締結、買取金額が支払われます。
対面型ファクタリングのメリット
柔軟に対応してもらえる
必要書類の項でもちらっと出ましたが、請求書がなければ発注書や納品書で対応するなど、対面型ではある程度の融通が利きます。
ファクタリング会社の担当者が利用者と直接会って話をするため、誠実な対応を心がければオンライン完結型では弾かれるような事情があっても多少考慮してもらえることもあるでしょう。
3社間ファクタリングが利用できる
対面型であれば手数料の安い3社間ファクタリングでの契約が可能です。
オンライン完結型は2社間ファクタリングとしては比較的手数料が抑えられるものの、3社間ファクタリングの相場ほど安い手数料を提示できるファクタリング会社はそう多くありません。
売掛先の了承を得られるなら3社間ファクタリングは最もコスパに優れた契約形態と言っていいでしょう。
対面型ファクタリングのデメリット
対面型ファクタリングのデメリットは主に時間と費用です。
面談のためファクタリング会社に出向く必要があり、その際の移動にまず時間と費用がかかります。
また、審査もオンライン完結型に比べると時間がかかる傾向があり、担当者が直接相談に乗ってくれる分、2社間ファクタリングであれば手数料は高くなります。
オンライン完結型ファクタリング VS 対面型ファクタリング
オンライン完結型のファクタリングを選ぶか、従来の対面型ファクタリングを利用するか。
この選択は利用者がどちらのメリットをより重視するかによります。
手軽さか安心感か
手軽さを重視するなら圧倒的にオンライン型ファクタリングに軍配が上がるでしょう。
反面、書類の準備や手続きに不安があったり、わからないことが多いなど、細かなサポートを期待するなら対面型ファクタリングはとても安心感があるはずです。
コストやスピード感の比較
スピード感も、対面型では到底オンライン型にかないませんが、コスト面では実は選ぶファクタリング会社次第、という面が多少でてきます。
ファクタリング会社の数がある程度確保されている都市部などでは選択肢を維持しつつも移動のコストは抑えることが可能になります。
昔ながらの経営で書類面に不備が出やすい、高齢でパソコンやスマホの操作が不得手といったケースでは直接持ち込めて融通の利く対面型の方がスムーズに契約できる可能性も高くなります。
まとめ
オンライン完結型ファクタリングと対面型ファクタリングの違い、それぞれのメリットとデメリットについてご紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか。
オンライン完結型ファクタリングはスピード感とコストパフォーマンスに優れ、電子機器に慣れている方にはとても便利なサービスです。
一方、対面型ファクタリングはスピード感には劣るものの、直接会った上での細やかなサポートを得意とするためパソコンが使えない、あるいはファクタリングを利用したいけどわからないことが多すぎる、といった方の心強い味方と言えます。
オンライン完結型であれ対面型であれ、その時々でいかに自身のシチュエーションに合致する方を選択できるかが肝要ですね。