「50億円不正貸し付け、容疑の給与ファクタリング業者社長ら逮捕 警視庁」産経新聞 2021.1.14
皆様はこちらのニュースをご存知でしょうか。
コロナでお金に困っている方を狙って、違法に給料ファクタリングを行うことで、法外な手数料を取り、金儲けをしていた悪徳業者が逮捕されました。
こういった悪徳業者のせいで、ファクタリング自体が「信用できない」「よくわからず不安」「怪しい」というイメージを、つけられてしまいかねないと思います。
チョウタツ王としては、ファクタリングを正しく知って頂くことで、一人でも多くの方が安心してファクタリングできるようになることを目指しています。
そこでこの記事では、このニュースを取り上げ、どういった部分が違法であるかについて解説をしていきます。また、同じような違法ファクタリング業者の事例も紹介することで、こういった悪徳業者に引っかからないようにするためのポイントをまとめていきます。
この記事を読むことで、違法ファクタリング業者について理解できるので、安心してファクタリングをできるようになります。
「50億円不正貸し付け、容疑の給与ファクタリング業者社長ら逮捕 警視庁」のニュースについての解説
ファクタリング業者「ZERUTA」によって、違法に給与ファクタリングが行われていたというニュースです。以下に、概要をまとめました。
ファクタリング業者「ZERUTA」の違法な給与ファクタリングの概要
概要について、下記をご覧ください。
業者名 ZERUTA
サービス名 七福神
宣伝内容 「即日融資に代わる給料ファクタリングサービス」
「あなたの強い味方」
金利・利息 法定金利の約14~30倍にあたる、年利で約280~615%の利息
期間 2018年6月~2020年5月末
客の数 全国で9万7000人
貸付金額 合計で約50億円
手数料 合計で約13億5000万円
その他 全国で2番目の逮捕事例、2021年1月14日までに逮捕
【詳細】
個人の給与を担保に高額手数料で現金を貸し付ける新手のヤミ金「給与ファクタリング」を無登録で営んだとして、警視庁生活経済課などは貸金業法違反などの疑いで、ファクタリング業者「ZERUTA」の社長、足立慎吾容疑者(34)=東京都新宿区四谷=ら男女7人を逮捕した。足立容疑者は容疑を認め、他の6人は「貸金業ではない」などと否認している。
給与ファクタリングは、利用者の給与を「債権」として買い取る形で現金を貸す名目で、貸金業法などで定める上限金利を超えた手数料を融通時に差し引くケースが多い。金融庁は2020年3月、貸金業に該当するとの見解を出していた。新型コロナウイルスの影響で困窮する人らが利用しているとされ、同庁はコロナに便乗したヤミ金業者への警戒を呼び掛けている。
同課によると、足立容疑者らはHPで「即日融資に代わる給料ファクタリングサービス」などと宣伝。法定金利の約14~30倍にあたる年利約280~615%の利息を受け取っていたとみられる。2018年6月~2020年5月末に、全国の延べ9万7000人に約50億円を貸し付け、約13億5000万円の利息を得たとみられる。
逮捕容疑は2020年4月4日~21日、東京都に住む40代の男性ら12人に計約74万5000円を貸し付け、法定金利を超える計約18万8000円の利息を受け取ったなどとしている。
こちらについて、解説していきます。
通常のファクタリングと給与ファクタリングの違い
そもそも、「売掛債権を買い取って現金化する」という通常のファクタリングと、「個人の給料を現金化する」という給与ファクタリングとは全く別物です。
これらはどう違うかというと、通常のファクタリングは「債券の買取」なので、ただの売買の取引です。ですが、給与ファクタリングは売買の取引にはなりません。
金融庁が2020年3月に、給与ファクタリングは貸金業に該当するとの見解を示したことから、これは「貸金業」にあたることとなりました。
理由を簡単に説明すると、給料は会社から労働者に支払われますが、労働基準法の規定により、労働者がその給料の権利を誰かに渡したとしても、その権利を渡された人が会社に支払いを求めることは許されません。
権利を渡された人は労働者にその支払いを求めるしかないそうです。そのため、売買というより貸付という形態に近いと考えられ、給料ファクタリングは貸金業に該当するという見解となったとのことです。
また、貸金業を営む者は、財務局長又は都道府県知事の登録を受ける必要があります。つまり、無登録で給与ファクタリングを行うことは許されません。
通常のファクタリング … 売掛債権の買取
※貸金業にあたらない
給与ファクタリング … 給料日前にお金を受け取り、給料日で返すが、
これは、お金を借りているとみなされる
※貸金業にあたる
お金の貸し借りとなるので、給与ファクタリングをした方は、業者から借金をしているというのが正しい認識です。
「違法な」給与ファクタリングをしている場合、何が違法なのか
違法に給与ファクタリングをしている場合、以下の2つの点で、違反しているケースが多いです。
①貸金業法違反・・・無登録で営んでいる
②出資法違反 ・・・年利20%を超える手数料を取っている
①貸金業法違反
貸金業を行うには、財務局長か都道府県知事の登録が必要です。無登録で営むのは、違法行為です。
②出資法違反
出資法により、年利20%を超えてお金を貸すことはできません。銀行はもちろん、消費者金融もこの法律のもとに運営しているので、年利20%を超える利息になることはありません。
上記の貸金業法や出資法を違反して行う金融業者は、「闇金(ヤミ金融)」と呼ばれています。
多重債務に陥っても、ヤミ金融には手を出さず消費者センターなどに相談をするのが良いと思います。
以下に、相談窓口を書いておきます。
【相談窓口】https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html#02
◆金融庁 金融サービス利用者相談室(平日10時00分~17時00分)
電話:0570-016-811(IP電話からは03-5251-6811)
FAX:03-3506-6699
インターネットによる情報の受付は、こちら
◆多重債務相談窓口連絡先
https://www.fsa.go.jp/soudan/index.html
◆日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター
電話:0570-051-051(IP電話からは03-5739-3861 )
◆ 警察 電話:#9110(各都道府県警察相談ダイヤル)
◆消費生活センター等の消費生活相談窓口
電話:188(消費者ホットライン)
ファクタリング業者「ZERUTA」の違法な給与ファクタリングのまとめ
このファクタリング業者「ZERUTA」に関して、給与ファクタリングを「無登録」で行い、「法定金利の約14倍〜30倍にあたる年利約280〜615%の利息を受け取っていた」という部分が違法行為にあたります。
違法な給与ファクタリングの事例について
上記のファクタリング業者「ZERUTA」と同じような事例を、時系列で紹介します。
事例1|SONマネジメント
業者名 SONマネジメント
サービス名 D-ライン
宣伝内容 「(多重債務で貸金業者の間でリストに入っている)ブラックの方でも即日資金調達が可能です!」
金利・利息 年利で約630~1620%の利息
期間 2020年3月~2020年6月(逮捕容疑の期間、実質とは異なる可能性あり)
客の数 約2800人(逮捕容疑の期間、実質とは異なる可能性あり)
貸付金額 約1億1800万円(逮捕容疑の期間、実質とは異なる可能性あり)
その他 全国で初の逮捕事例、2020年7月29日に逮捕、コロナの影響で生活が苦しくなった方に貸付を行なっていた
事例2|ルネディオ
業者名 ルネディオ
宣伝内容 「給与を前借りできる」
金利・利息 年利で約600~700%の利息、3000%を超えるケースもあり
客の数 全国で600人
貸付金額 約3000万円
利息合計 約1800万円
その他 2021年1月28日に逮捕、福岡の業者
事例3|ハートフルライフ協会
業者名 ハートフルライフ協会
金利・利息 年利20%~、最高では法定金利の約34倍の年利約683%の利息
期間 2016年6月~2020年5月
客の数 約240人、主に中小企業の経営者
貸付金額 約20億円
利息合計 約4億円
その他 2021年2月5日に逮捕、東京の業者
事例4|日本強運堂・強運堂
業者名 「ジェイ・エス・シー」グループ
サービス名 「日本強運堂」「強運堂」
期間 2019年8月~2020年7月(逮捕容疑の期間、実質とは異なる可能性あり)
客の数 全国で1200人以上
貸付金額 約1億円以上
その他 2021年2月26日に逮捕、東京の業者
以上です。いかがでしたでしょうか。年利20%をはるかに超える利息で貸付を行なっています。
違法な給与ファクタリングを見分けるポイント
給与ファクタリングは貸金業にあたるので、通常のファクタリングというより、普通にお金を借りるということになります。
そのため、給与ファクタリングを行うためには、業者は貸金業の登録をする必要があり、また手数料は年利20%を超えてはいけないという決まりがあります。つまり、キャッシングや消費者金融と似たようなシステムです。
貸金業者は、「登録貸金業者情報検索サービス」を使って検索できるので、確認してみると良いと思います。
違法に給与ファクタリングを行う業者は、それを借金ではないと言って安心させてこようとしますが、それはおかしな話です。また、さらに高額な手数料や脅迫まがいの取り立てに発展するケースもあるそうなので、注意が必要です。
そもそもですが、給与ファクタリングを勧めてくる業者で、まともな業者は少ないといっても過言ではありません。気をつけましょう。
まとめ
この記事では、違法ファクタリングの事例と共に、どの部分が違法なのかについての解説をしました。
ファクタリングを検討されている方にとって、最も重要なのはどのファクタリング業者を選ぶかです。
悪徳業者を選ばないことは大前提ですが、なるべく自分に合ったファクタリング業者を選ぶことが大切です。
そのために、優良なファクタリング業者を効率的に選ぶためには、 ファクタリング業者の一括査定を利用するのがお勧めです。
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