ブラックリストに掲載されても「借りられる」ファクタリングとは

ブラックリストに掲載されても借りられるファクタリングとは

企業や個人事業主の方が、事業資金を確保するために資金調達をする場合、気になるのが自身の信用情報ではないでしょうか。

仮に過去に何かしらの支払いでトラブルを起こし、その情報がブラックリストに残っている状況ですと、資金調達は難しくなります。

では近年利用者が増えているファクタリングはどうなのか?ブラックリストに掲載されている方は利用が難しいのか?この点に関して解説していきましょう。

そもそもブラックリストとは?

ブラックリストに掲載されている方でもファクタリングが利用できるかどうかという点を解説する前に、まずはブラックリストとはそもそも何なのか?この点について簡単に解説しておきましょう。

過去の支払いに関する事故情報が掲載される

一般的にブラックリストという名称で知られていますが、この「ブラックリスト」というのは正式名称ではありません。正式には「事故情報」と呼ばれるもので、過去の金銭のやり取りにおける事故情報をブラックリストと呼びます。

主にどんな情報が掲載されるかというと、過去にクレジットカードに支払いが大幅に遅れる、もしくはしなかったことがある、消費者金融からどのくらい借り入れている、家賃を滞納したことがあるなどなど。比較的広い範囲の事故情報が掲載されます。

掲載される期間は、どのような内容で掲載されているかにもよりますが、概ね5~7年間程度であり、このブラックリストに掲載されている状態だと、クレジットカードが作れない、消費者金融から借り入れできないなどといった問題が生じます。

持っているのは信用情報会社

ではこのブラックリスト、どこの誰が持っているのでしょう。

ブラックリストと呼ばれる事故情報を持っているのは、信用情報会社と呼ばれる会社のデータです。代表的な信用情報会社は、「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」、「株式会社日本信用情報機構(JICC)」、「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」など。

こうした信用情報会社は、各金融系企業から、上記のような事故情報を集め、まとめて情報を持っています。

銀行や消費者金融、クレジットカード会社などの金融機関は、それぞれ信用情報会社と契約しており、審査の際にこの信用情報をチェック。ブラックリストに掲載されている方にはお金は貸さない、クレジットカードは作らないといった判断をしています。

ブラックリストに掲載されてもファクタリングは利用可能

ブラックリストの基本的な情報は上記の通り。では、こうしたブラックリストに掲載されている方は、ファクタリングは利用できるのか?

結論から言ってしまうと、ブラックリストに掲載されていても、ファクタリングの利用には大きな問題はありません。

正確に言えば、ブラックリストに掲載されていることが、ファクタリングの利用に直接的な影響はないということになります。

銀行やノンバンクからの資金融資と同様に、企業や個人事業主の資金調達法のひとつとなるファクタリングですが、なぜブラックリストに掲載されていることがマイナスにならないのか?この点に関して解説していきましょう。

ファクタリングは貸金契約ではない

ファクタリングにおいては、ブラックリストに掲載されていることが大きな問題ではないというのはどういうことか。

その大きな理由が、ファクタリングは貸金契約ではないという点です。

企業や個人事業主の資金調達法としては、銀行などからの資金融資や、金融機関が提供するビジネスローン、商工ローンといった金融商品、さらに手元に手形がある場合に利用できる手形割引などが一般的です。

これらの資金調達法はすべて貸金契約となります。一見貸金契約に見えにくい手形割引も、形としては手形を担保とした貸金契約の形となります。

こうした貸金契約を行う会社は、すべて貸金業者登録が必要です。そして、上で紹介した信用情報会社の情報を閲覧できるのは、こうした貸金業者登録をしている会社ということになります。

貸金業者登録をしている金融機関が、それぞれ任意の信用情報会社と契約し、自社の契約で起きた事故情報をその信用情報会社に登録します。こうした集まった信用情報を、登録している各金融機関が参考にして顧客と契約するかどうかを決定しています。

ファクタリングという契約は、原則売掛債権の譲渡契約であり、貸金契約ではありません。ファクタリングを利用する企業が、手元にある売掛債権をファクタリング会社に売却し、その売却益として、売掛金から手数料や諸経費を差し引いた金額を受け取るという契約です。

そのためファクタリングサービスを提供するファクタリング会社は、貸金業者としての登録は不要ということになります。貸金業者ではないため、信用情報会社とは契約する必要がありません。

つまりファクタリングの契約において、信用情報の確認はしませんし、しない以上ブラックリストに掲載されていても、ファクタリング契約には大きな影響がないということになります。

ファクタリング審査では取引先の情報が重視される

もうひとつのポイントとしては、ファクタリング審査で重視される点も大きなポイントとなります。

例えば銀行からの資金融資の審査の場合、重視されるのは当然返済能力となります。こうした資金融資など、貸金契約の審査において重視されるのは、返済能力です。

貸し付けた相手の返済能力を審査するためには、その企業の財務状況、経営状態、将来的な成長率、そして過去の事故情報が参照されます。いずれにしても、貸し付けを希望した企業の情報が非常に重要になるわけです。

一方ファクタリングですが、審査において重要視されるのは、持ち込まれた売掛債権の売掛金が、きちんと現金化されるかどうかという点です。そこで重視されるのは、ファクタリングを申し込んだ企業ではなく、売掛金を支払う取引先の支払い能力となります。

仮に申し込んだ企業の代表者がブラックリストに載っていたとしても、取引先が信用できる企業であり、売掛金がきちんと現金化されるのであれば、ファクタリング会社としては審査に通過させても問題ないということになります。

ファクタリング審査において重視されるのは、申し込んだ企業の信用情報よりも、取引先の信用情報。そのため申し込んだ企業の代表者が、例えブラックリストに掲載されていても、大きな問題はないということになります。

ブラックリストに掲載されてファクタリング審査に落ちるケース

ファクタリング審査において、ブラックリストに掲載されていることは原則として大きなマイナスにはなりません。

とはいえ、ファクタリングの審査では、当然ですが通らないというケースもあります。自身がブラックリストに掲載されているケースで、ファクタリング審査に通らないとすればどのようなケースが考えられるか。この点に関して解説していきましょう。

取引先の信用情報に問題がある

上記の通り、ファクタリングの審査で重視されるのは、申し込んだ企業よりも取引先の信用情報です。

申し込んだ方がブラックリストに掲載されている状況でも、取引先がしっかりとした企業であれば審査に落ちることはほぼありません。

反対に言えば、申し込んだ方がブラックリストに掲載されていない状況で、しかも申込企業が健全な経営をしていても、取引先の信用情報が低い場合、審査には通らないというケースもあります。

取引先に関しては、原則として企業規模が大きいほど審査には通りやすくなります。特に取引先が公的機関の場合などは、ほぼ審査に落ちることはありません。

同じような額面金額の売掛債権が複数ある場合は、できるだけ取引先が大きい売掛債権、もしくは取引先が好調な売掛債権で申し込みをするようにしましょう。

売掛債権に問題がある

ファクタリングの審査では、売掛金が現金化されるか同どうかが最重要視されます。そのため意識したいのが持ち込む売掛債権の内容です。

同じような売掛金額の売掛債権でも、審査に通りやすい債権と通りにくい債権があります。

持ち込む債権を見極めるポイントはいくつかありますが、まず注目したいのが売掛債権の支払いサイトです。支払いサイトとは、売掛債権が発生してから売掛金が入金されるまでの期間のこと。

支払いサイトは短い売掛債権の方が審査に通りやすく、支払いサイトが長いと審査に通りにくくなります。支払いサイトが長いということは、それだけ取引先の財務状況が変化するタイミングが多くなるということ。ファクタリング会社としては、支払いサイトが長い方が、リスクが大きいということになり、審査に通りにくくなります。

また、持ち込んだ売掛債権自体が存在しているか確認できない、もしくは存在しているとはいえ、すでにほかの業者などに譲渡済であるなどといったケースでも、審査には通りません。

持ち込む債権はより審査に通りやすい条件のものを用意する。また、その債権が確実に存在し、またどこにも譲渡していないことを証明できる書類を用意しておくといいでしょう。

ファクタリング会社独自のブラックリストがある

一般的にブラックリストとは、信用情報会社に掲載されている事故情報を指します。こうした事故情報に関しては、原則ファクタリング審査では参照されません。

しかし、問題はファクタリング会社が独自でこうした信用情報を持ち、そのブラックリストを審査で参考にする場合です。

ファクタリング会社の中には、親会社に金融機関を持つファクタリング会社も少なくありません。銀行や消費者金融、クレジットカード会社やリース会社などです。こうした親会社が、独自で事故情報を持っている可能性があります。

申し込む方が、過去に消費者金融の返済が遅れた経験がある、銀行からの借り入れの返済が滞った経験があるなどといった事故情報があると、その情報が親会社のブラックリストに残っており、その影響でファクタリング審査に落ちるという可能性は考えられます。

もうした懸念があるという方は、利用するファクタリング会社を選ぶ際、しっかりとその敗けにある金融機関を確認して、問題のないファクタリング会社に申し込むようにしましょう。

まとめ

企業として事業資金が不足した場合、何らかの方法で資金を確保する必要があります。この際気になるのが、資金確保を申し込む方の信用情報でしょう。いわゆるブラックリストに掲載されている状況ですと、資金の借り入れは難しくなります。

そこでおすすめしたいのがファクタリングという資金調達法です。ファクタリングはほかの資金調達法とは違い、貸金契約とはなりません。貸金契約とはならないため、ファクタリング会社の多くは貸金業者登録をしておらず、そのため信用情報を確認することはありません。

仮に申し込む方がブラックリストに掲載されていても、ファクタリングの審査には大きな影響はないため、安心して利用ができます。

特に個人事業主の方などで、自身がブラックリストの掲載されている可能性がある方などは、ファクタリングという資金調達法を検討してみるといいでしょう。

チョウタツ王 お客様の声