資金調達には、さまざまな種類がありますが、最近注目を浴びているファクタリング。
そして、そのファクタリングとよく比較されるビジネスローン。
どちらもスピーディーな資金調達が可能なサービスなので、早急に現金が欲しいという会社にとっては、活用する価値のあるサービスですが、それぞれに違う点があります。
そこで、今回はファクタリングとビジネスローンの違いについて解説していきます。
今回の記事を読むことで、それぞれの違いについて理解でき、自分の会社に合った資金調達の方法を見つけることができるようになるでしょう。
ファクタリングとビジネスローンについて
まずは、ファクタリングとビジネスローンが、どういうものか説明します。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、入金待ちの請求書、つまり売掛債権を買取ってもらうサービスです。
ファクタリングを使うことで、今後回収予定の売掛金に関するリスクを軽減できたり、売掛債権を譲渡して現金を調達できたりします。
売掛金を回収する前に現金化することが可能なので、「今すぐ現金が欲しい」という場合に最適な資金調達手段になります。
例えば、
「売上は上がっているのに、回収までに時間がかかり、今月の支払いに間に合わず黒字倒産」
なんていう最悪のケースを、回避することもできます。
ビジネスローンとは?
ビジネスローンとは、個人事業主や中小企業向けのローンです。
おびただしい数の資料を準備する必要がある銀行の融資に比べて、ビジネスローンの審査方法は「スコアリングシステム」を採用しており、とても簡単です。
「スコアリングシステム」とは、決算書の数字等から会社の信用度を自動的にスコア化するシステムです。
そして、算出されたスコアに応じて、融資の可否や金額、金利などが決定されます。
またビジネスローンは、ほとんどの場合無担保です。
ファクタリングとビジネスローンは全くの別もの
ファクタリングとビジネスローンは、どちらも資金調達の手段ですが、そもそもサービスの種類が違います。
よく混同されがちですが、ファクタリングは「融資」ではなく、「売掛債権の買取サービス」です。買取なので、ファクタリング手数料を支払って取引は終了します。
一方、ビジネスローンは「融資」です。つまり、お金を借りるサービスになるので、金利(利息)が発生します。
このように、そもそもサービスの種類が違うということをしっかりおさえておきましょう。
ファクタリングとビジネスローンの3つ共通点
サービスの種類としては別物ですが、資金調達の手段として、ファクタリングとビジネスローンには、次の3つの共通点があります。
1.資金を調達するまでの期間が短い(最短即日)
2.審査が通りやすい
3.保証人や担保設定が不要
なので、
・一日でも早く資金を調達したい
・銀行の融資の審査に通らなかった
・すでに銀行からは枠いっぱい借りている
という悩みを持つ会社には、とても心強い味方となっています。
ファクタリングとビジネスローンの違い
では、ファクタリングとビジネスローンにどのような違いがあるかと言うと、
・審査基準
・対応可能な金額
・負担費用の種類
といった3点が2つのサービスの差になります。
審査基準
ファクタリングとビジネスローンでは、審査の基準が違います。
ファクタリングでは、売掛先(取引先)の信用力が、審査時には重要視されます。
一方、ビジネスローンでは、自社の財務の状態が、審査時には重要視されます。
ファクタリングは取引先が信用力のある会社ならば、自社に赤字や税金滞納があっても利用できます。
ですが、ビジネスローンは、たとえ信用力がある会社と取引していても、自社が赤字や税金滞納中がある場合は、審査を通るのは難しいでしょう。
調達可能な金額
調達可能な金額についても違いがあります。
だいたいの相場は下記になります。
・ファクタリング:10万円~数億円
・ビジネスローン:少額〜1000万円
ファクタリングの場合は、売掛債権の買い取りになるので、売掛債権額に応じた金額を調達できます。
相場としては、1億円まで資金調達が可能というファクタリング業者が多いです。
一方で、ビジネスローンの場合は、会社の事業規模や経営内容によって借りられる金額は変わってきます。
相場としては、限度額は最大1000万円というところが多いです。
負担費用の種類(手数料か金利か)
前述の通り、ファクタリングは売掛債権の買取サービスで、ビジネスローンは融資です。
ですので、負担する費用の種類が下記のように異なります。
・ファクタリング:手数料
・ビジネスローン:金利
この違いによって、支払い方法も異なってきます。
ファクタリングは、手数料ですので、一度支払ったら終わりになります。(支払う場合よりも、ほとんどは手数料を引かれた金額が振り込まれます。)
一方、ビジネスローンは、毎月金利を上乗せした金額を返済していくことになります。
また、ビジネスローンは融資で、会社全体として借りられるお金には限りがあります。
ビジネスローンでお金を借りすぎると、将来的に他の融資先、例えば銀行からお金を借りるための枠がないという状況に陥りかねません。
ですので、基本的に銀行の融資より金利の高いビジネスローンを、安易に借り過ぎないようにしましょう。
ファクタリングとビジネスローンどっちを選ぶ?3つの判断基準
1.調達スピード
結論から言うと、ファクタリングとビジネスローンも、調達スピードには差はありません。
ファクタリングの場合、資金調達までの期間は最短即日から5営業日であることが多く、ファクタリング業者や利用する会社の状況等によって変わります。
また、必要書類をあらかじめ揃えておけば、申し込みをして即日で資金を調達することもできます。
そして、ビジネスローンの場合も、同じようにあらかじめ必要書類を揃えたうえで、審査に申し込めばスピーディーに資金を調達することが可能です。
どちらも条件が揃えば即日での資金調達が可能と、とても素早い資金の調達手段となっています。
2.利率(手数料または金利)
結論から言うと、こちらも差はありません。
・ファクタリング:2~20%
・ビジネスローン:8%~18%
相場は上記のようになっています。
一般的には、ビジネスローンは法定金利で利息計算がされていることもあり、ファクタリングより利率が低くなることが多くなります。
しかし、上手にファクタリング業者を選定することで、ビジネスローンよりも安くすることもできるので、一概にビジネスローンの方が利率が低いとは言えないでしょう。
3.利用条件
ここまで見てきた2つの判断基準は差がなく、どうやって選べば良いのか困惑している方もいるでしょう。
そこで、重要になるのが、3つ目の判断基準である利用条件になります。
とはいえこちらは、判断基準というよりもそもそもサービスが使えるかの条件になります。
ファクタリング:売ることができる売掛債権がある
ビジネスローン:審査に通るだけの財務状況である
ファクタリングは、売掛債権の買い取りサービスなので、当たり前ですが、売ることができる売掛債権がないと使うことはできません。
ビジネスローンは、返済能力があると判断されなければ、審査には通りません。
赤字や税金滞納がある会社では、審査に通ることは難しいでしょう。
結局の所、どちらかを選ぶというよりかは、どちらを使う条件を満たしているかで選ばざるを得ないことが多いのです。
ただ、どちらも条件を満たしているという場合は、どちらを選べば良いかというと「ファクタリング」になります。
なぜならば、ビジネスローンは融資、つまりお金を借りるからです。
ビジネスローンで枠がいっぱいに…
当然ですが、借りられるお金には限りがあります。
そして、ビジネスローンは審査の通りやすさと調達の速さには定評がありますが、そのかわり他の融資と比べてどうしても金利が高くなりがちです。
例えば、無計画にビジネスローンでお金を借りてしまい、税務状況が改善して金利の低い銀行からの融資を受けられる状況になっても、借りられる枠がないということも起きてしまいます。
一方で、ファクタリングは売掛金の売り買いとなりますので、借入にはならず、このような心配はありません。
ですので、将来的なことを考えると、お金を借りる枠をあけておくために、まずはファクタリングが使えるなら、ファクタリングを使うことをオススメします。
また、ビジネスローンを使う時は、きっちりと計画的に利用できない場合はより状況を悪化させるので、まずは計画を立てることから始めましょう。
ファクタリングとビジネスローンのどちらを使うべきか決める手順
ここまで、ファクタリングとビジネスローンの違いについて見てきました。
どちらを使うべきか決める手順としては、
1.ファクタリングが使えるか検討
2.ビジネスローンが使えるか検討
といった順番になります。
理由は前述の通り、長期で見た際にビジネスローンは今後の会社経営で、金利の低い融資を受けるチャンスを潰してしまうかもしれないからです。
なので、まずはファクタリングが使えるか確認しましょう。
そして、売ることができる売掛債権があるならファクタリングを使う、売ることができる売掛債権がないなら、ビジネスローンを使う
という流れをおすすめします。
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