補助金・助成金一覧2024年最新版【建設業】

2024年現在、建設業界をとりまく環境は日々激しく変化しています。
働き方改革の影響や、それに追い打ちをかけるようにますます高騰する物価にスムーズに対応できている会社はそれほど多くはないでしょう。

ですが、これらの資金繰りをサポートする制度を、国や自治体もしっかり整えています。
この記事では、建設業者が活用可能な各種補助金や助成金をご紹介していきたいと思います。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金、この2つはどう違うのでしょう?

ざっくり言えばどちらも国や自治体からお金が支給される制度のことですが、もらえる条件などに違いがあります。

管轄と目的の違い

まず、大前提として管轄する府省の違いがあります。

補助金は経済産業省の管轄で、主な目的は地域振興や公益の促進ですのでそれに即した事業を支援するために支給されます。
対して、助成金は厚生労働省の管轄となっており、主な目的は雇用や労働環境の改善です。

審査の有り無しの違い

前述したことからもわかる通り、補助金はその特性上金額が大きくなりやすく、申請すれば必ず支給されるわけではありません。応募倍率も高く、公募期間も決まっています。
申請の際には事業の公益性や実績などをしっかりとアピールする必要がありますね。

では助成金の方はどうでしょうか。
こちらは労働者の待遇改善が主目的ですから、特に期間なく通年で応募を受け付けていることがほとんどです。要件を満たしてさえいればほとんどの場合で申請は通ります。
従業員の待遇改善を考えている場合はもちろん、家族都合で就業継続が難しくなったスタッフがいる場合などにも対応する制度がありますので、知っておいて損はないでしょう。

補助金一覧

では、実際に建設業で活用可能な補助金制度をご紹介していきましょう。

IT導入補助金

中小企業・小規模事業者等を対象にした、業務の効率アップなどのための ITツール導入を支援する補助金です。パソコンやタブレットからインボイス制度に対応するためのソフト、セキュリティ対策ソフトなど、ソフト・ハードの種類に関わらず、幅広く導入費用の支援をしています。
建設業では、資本金または出資総額が3億円以下、もしくは常勤の従業員が300人以下で対象になります。
また、4つの申請枠があり、それぞれ対象となるツールや金額に違いがあります。

通常枠

priority 支給額:5万~450万円
補助率:1/2以内

インボイス枠(インボイス対応類型)

priority 支給額:350万円以下
補助率:4/5以内

インボイス枠(電子取引類型)

priority 支給額:350万円以下
補助率:2/3以内

イセキュリティ対策推進枠

priority 支給額:5~100万円以下
補助率:1/2以内

申請に必要な準備と加点項目

申請するために必要な準備として下記の施策が必要になります。

  • 「gBizIDプライム」アカウントの取得
  • 「SECURITY ACTION」宣言
  • 「みらデジ経営チェック」の実施

また、公募サイトには申請の際に加点となる項目の一覧があります。
項目の数が多いので、事前にチェックしておきましょう。

参考:IT導入補助金2024

ものづくり補助金

中小企業や小規模事業者等が直面する働き方改革や保険適用の拡大、賃上げやインボイス導入などの制度変革に対応するため、サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資などを支援する補助金です。
5つの申請枠があります。

通常枠

priority 支給額:750万~1250万円
補助率:2/3以内

回復型賃上げ・雇用拡大枠

priority 支給額:750万~1250万円
補助率:2/3以内

デジタル枠

priority 支給額:750万~1250万円
補助率:2/3以内

グリーン枠

priority 支給額:750万~4000万円
補助率:2/3以内

グローバル市場開拓枠

priority 支給額:3000万円以下
補助率:2/3以内

申請に必要な準備

申請するために必要な準備として下記の施策が必要になります。
・「gBizIDプライム」アカウントの取得

参考:ものづくり補助金総合サイト

事業再構築補助金

長期的な社会情勢の影響などで経営が悪化した企業が事業の再構築をするため、あるいは事業転換、再編などの大きな再構築に挑戦するための支援をする補助金です。

前者の業況が厳しい事業者向けには、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠、
挑戦する事業者向けの成長枠、グリーン成長枠、
両者に向けた産業構造転換枠、サプライチェーン強靱化枠があります。

最低賃金枠

priority 支給額:1500万円以下
補助率:3/4以内

物価高騰対策・回復再生応援枠

priority 支給額:3000万円以下
補助率:3/4以内

成長枠

priority 支給額:7000万円以下
補助率:2/3以内

グリーン成長枠

priority 支給額:1.5億円以下
補助率:2/3以内

産業構造転換枠

priority 支給額:7000万円以下
補助率:2/3以内

サプライチェーン強靱化枠

priority 支給額:5億円以下
補助率:1/2以内

申請に必要な準備

申請するために必要な準備として下記の施策が必要になります。
・「gBizIDプライム」アカウントの取得

参考:事業再構築補助金

小規模事業者持続化補助金

名前のとおり、小規模事業者の事業存続のための施策を支援する補助金です。
常勤する従業員数が20人以下の小規模事業者が対象となっており、5つの申請枠があります。

通常枠

priority 支給額:50万円以下
補助率:2/3以内

賃金引き上げ枠

priority 支給額:200万円以下
補助率:2/3以内

卒業枠

priority 支給額:200万円以下
補助率:2/3以内

後継者支援枠

priority 支給額:200万円以下
補助率:2/3以内

創業枠

priority 支給額:200万円以下
補助率:2/3以内

申請に必要な準備

申請するために必要な準備として下記の施策が必要になります。
・「gBizIDプライム」アカウントの取得

参考:小規模事業者持続化補助金

助成金一覧


次に、助成金制度です。
建設業で活用可能な制度としては以下があげられます。

建設事業主等に対する助成金

建設事業主等がスタッフの雇用環境改善、技能向上に取り組むための助成金です。

トライアル雇用助成金

35歳未満の若年者または女性を建設技能労働者としてトライアル雇用する場合の助成金です。

priority 支給額:1人4万円以下×3ヶ月以内

人材確保等支援助成金

若年者および女性労働者の入職や定着を図る取り組み、作業員宿舎や施設、賃貸住宅の整備を行なうための助成金です。

支給額:200万円以下 /1事業年度
補助率:3/5以内

人材開発支援助成金


労働者の職業訓練を実施するための助成金です。

支給額:500万円以下 /1事業年度日

参考:建設事業主等に対する助成金 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kensetsu-kouwan/kensetsu-kaizen.html

業務改善助成金

中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援するため、事業内の最低賃金引上げと生産性向上に向けた設備投資等を行なった場合に、その費用の一部が助成されます。

30円コース

priority 支給額:30万~130万円
※最低賃金の引上げ額が30円以上

45円コース

priority 支給額:45万~180万円
※最低賃金の引上げ額が45円以上

60円コース

priority 支給額:60万~300万円
※最低賃金の引上げ額が60円以上

90円コース

priority 支給額:90万~600万円
※最低賃金の引上げ額が90円以上

参考:業務改善助成金

キャリアアップ助成金

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。
(引用元:厚労省:キャリアアップ助成金)

正社員化支援コース

priority 支給額:1人30万~80万円

賃金規定等改善コース

priority 支給額:1人33000~65000円

賃金規定等共通化コース

priority 支給額:45万~60万円

賞与・退職金制度導入コース

priority 支給額:30万~56万8000円

社会保険適用処遇改善コース:手当等支給メニュー

priority 支給額:30万~40万円 /2年目まで
7.5万~10万円 /3年目

社会保険適用処遇改善コース:労働時間延長メニュー

priority 支給額:22.5万~30万円

参考:キャリアアップ助成金パンフレット(pdf)

両立支援等助成金

従業員が仕事と家庭を両立できるよう支援する事業主への助成金です。
男女の育休や、介護のための離職の防止など様々な状況に対応しています。

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

priority 支給額:10万~60万円

育児休業等支援コース

priority 支給額:30万円

育休中等業務代替支援コース

・育児休業:AB合計で125万円以下
A:2万~5万円
B:10万円以下/月 12ヶ月以内

・短時間勤務:AB合計で110万円以下
A:2万円
B:3万円以下/月 子が3歳になるまで

・代替要員の新規雇用
支給額:9万~67.5万円

柔軟な働き方選択制度等支援コース

priority 支給額:20万~25万円 / 1事業年度5人まで

介護離職防止支援コース

priority 支給額: 30~55万円 / 1事業年度5人まで

不妊治療両立支援コース

priority 支給額:30万円

参考:両立支援等助成金

まとめ

いかがでしたでしょうか?
資金繰りに苦労することの多い建設業ですから、これらの補助金・助成金はぜひ積極的に活用していきたいですね。特に補助金は公募期間がある程度決まっていることが多いですから見逃さないようにしましょう。

参考:厚生労働省 雇用関係助成金ポータル

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