ブラックでもなんとか…必ず借りられるビジネスローンはある?

過去にローンやクレジットなどの支払いで、延滞や未払いなどがある場合、ブラックリストに載るという状態になります。

ブラックリストに載ってしまうと、個人の場合新規の借り入れなどが難しくなります。では、ブラックの状態で、企業の資金繰りが厳しくなった場合、ビジネスローンは利用できるのでしょうか?

ブラックの状態で必ず借りられるビジネスローンの有無や、ブラックの状態での資金調達に関して解説していきます。

ブラックには2つの意味がある

一般的にはブラック、もしくはブラックリストなどと呼ばれますが、実はこの名称は正式名称ではありません。

正確にいえば、信用情報において、事故情報がある状態をブラック、もしくはブラックリストに載ると表現します。

このブラックという状態には2つの意味があります。どちらも信用情報に事故情報があるという点では共通ですが、ブラックの対象に違いがあります。その違いに関して簡単に解説していきましょう。

その法人自体がブラック

まずは、法人自体がブラックと認定されているケースです。

そもそもブラックかどうかを決める信用情報機関は基本的に3つあります。「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」、「JICC(株式会社日本信用情報機構)」、「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つです。

この中でJICCには、個人の情報だけではなく、法人に関する信用情報も掲載されています。

法人の信用情報における事故情報、つまりブラックリストに載るとはどういう状態なのか。

主に掲載される事故情報は、ローンやクレジットなどに関する延滞や、裁判所から強制執行を受けた実績、会社更生を受けた実績など。会社自体にこうした過去があると、一定期間ブラックリストに掲載されるという形になります。

法人の代表者がブラック

上記の3つの信用情報機関すべてが取り扱っているのが、個人に関する信用情報です。個人の信用情報におけるブラックも、基本的に法人のブラックと同様です。クレジットやローンの延滞、未払い、代理弁済や、自己破産の情報などがあるとブラックリストに掲載されるという状態になります。

細かく言えば、家賃の滞納などもブラックの対象。こうした過去がある方は、高い確率でブラックという状態になっているでしょう。

法人の代表者の個人的な信用情報が、法人が契約するビジネスローンにどのような影響があるかと言えば、多くのビジネスローンでは、法人の代表者が連帯保証人になる必要があるからです。

連帯保証人の信用情報に問題があれば、当然ビジネスローンの利用も難しくなるということになります。

ブラックでもビジネスローンは借りられるか?

ではこの記事の本題である、法人の代表者、もしくは法人自体がブラックの場合、利用できるビジネスローンがあるのかどうかという点に関して解説していきましょう。

まずはビジネスローンの基本的な情報を紹介しておくと、ビジネスローンを提供しているのは、銀行などの金融機関に加え、消費者金融やリース会社といった、いわゆるノンバンク系と言われる金融関係企業です。

ビジネスローンという名称ですが、いわゆる個人に対するフリーローン商品とは違い、資金の使用目的は事業資金に限られていますので、どんな目的で借りたいのかを明確にして申し込む形となります。

一般的には銀行等の金融機関より、ノンバンク系の方が審査は緩い傾向があるものの、その分金利も高い傾向にあります。

では、ブラックの状態でこのビジネスローンを借り入れることができるのかという点を解説していきます。

原則として借り入れは不可能と考えた方がいい

基本的に個人、法人のどちらかがブラックの場合、原則としてビジネスローンを利用することはできません。

ビジネスローンを申し込んだ場合、当然受ける側は信用情報機関で信用情報を確認します。その中にいわゆるブラックと呼ばれる情報が入っていれば、当然貸付金の回収が難しいという判断し、審査を通過しないというケースが多くなります。

とはいえ、絶対に借りられないと断言するのも難しいところ。ビジネスローンを申し込んできた企業に、貸し付けるかどうかの判断を最終的に下すのは貸し付けを行う側に委ねられます。

貸す側の判断は、それこそ会社ごとの基準に沿ってということになりますので、全ての会社で必ず審査に落ちるとは言い切れません。

とはいえ、いくつもの会社にビジネスローンを申し込むのはおすすめできません。ブラックの中には「申し込みに関するブラック」と呼ばれるものがあり、こちらのブラックに引っかかる可能性があります。

申し込みに関するブラックとは、短期間にいくつものビジネスローンに申し込むと、その申し込んだという情報が各信用情報期間で共有されます。

短期間でビジネスローンの申し込みが複数回確認されるということは、それだけ資金繰りが厳しいということと判断され、その時点で審査に通らないということになります。

ビジネスローンを申し込む場合は、きっちりビジネスローンの内容を理解し、必要な書類を準備して、審査に通過できるようなイメージで申し込むことが重要になります。

ブラックでもビジネスローンが借りられるケース

原則としてブラックの場合、ビジネスローンの利用は難しくなります。とはいえまったく不可能というわけではありません。

ブラックの状態でもビジネスローンが利用できるケースに関していくつか紹介していきましょう。

ブラックになった理由に情状の余地がある

まずはそもそもブラックになったといっても、どんな理由でブラックになったかという点です。

近年の例で言えば、例えば新型コロナウイルスの観戦拡大の影響で、一時的にブラックリストに載ったという場合は情状の余地ありと判断され、ビジネスローンの審査に通過する可能性があります。

とはいえ、こうした情状の余地があるケースでも、ブラックになった後、できるだけ速やかにそのブラックの状況を解消していること、もしくは解消に向けた動きをしていることが条件となります。

そのほかでも突然の円安による原材料高騰が影響した一時的ブラックでも、説明次第では十分ビジネスローンの審査に通過する可能性はあります。

やむを得ない事情でブラックに載ってしまったという場合は、ビジネスローンの申し込みの際にしっかりと事情を説明することが、ビジネスローンを利用する条件といえるでしょう。

ブラックになっているもののある程度時間が経過している

信用情報機関のブラックリストとは言え、一度掲載された場合でも、永遠にブラックの状態というわけではありません。どのような理由でブラックとなったかにもよりますが、ブラックになってから2~10年でブラックの状態は解消され、信用情報はキレイになります。

一般的に自身の信用情報に関しては、詳しくはわからないという方が多いかと思います。ここで紹介した3つの信用情報機関は、有料で自身の信用情報の情報開示を行っていますので、気になるという方は確認してみるのもいいでしょう。

自身はブラックと思っていても、実はすでにブラックの情報は消えているというケースもあり、この状態であれば、ビジネスローンの利用も可能ということになります。

ブラックの状況で資金調達するなら?

紹介してきた通り、原則としてブラックの状態ではビジネスローンの審査に通過する可能性は低いと言わざるを得ません。

しかし、ブラックの状態でも、自社の資金繰りが厳しいという状況は当然ですが考えられます。

ブラックの状態でも利用できる資金調達法に関して紹介していきます。

売却できる資産があるなら資産売却

まず、ブラックの状態では基本的に貸金契約を結ぶ資金調達法は利用が難しいといえます。

貸金契約を結ぶということは、貸し出す側は貸金業者ということ。貸金登録をしている貸金業者は、資金融資の申し込みを受けると審査を行います。そして審査の際に参考にするのが、信用情報機関の持つ信用情報です。

その信用情報にこそブラックという情報が掲載されているため、ブラックの状況では審査に通るのが難しくなります。

貸金契約ができないということは、どのように資金調達をするのか?まず考えられるのが、資産売却です。企業として不動産や株券などの資産を持っている場合、こうした資産を売却することで、資金を確保することは可能です。

株券のような資産であれば、比較的短期間で現金化も可能ですが、持っている資産が不動産のような場合、現金化には時間がかかります。即現金が欲しいという場合は、できるだけ急ぎ現金化できる資産を売却するようにしましょう。

可能性が高いのはファクタリング

売却できるような資産がないという企業の場合、頼りになるのがファクタリングです。

ファクタリングは手持ちにある売掛債権をファクタリング会社に売却することで、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法。一見貸金契約のように見える資金調達法ですが、ファクタリングは債権譲渡契約を行う方式のため、貸金契約にはなりません。

貸金契約ではないため、ファクタリング会社が信用情報機関にブラックであるかどうかを確認する可能性は低く、ブラックでも契約できる可能性があります。

ファクタリングという資金調達法自体、債務超過の企業や税金滞納の企業でも活用できる資金調達法ですので、当然ブラックの状態でも利用は可能。利用には手数料が必要ではありますが、資産売却と比較しても現実的な資金調達法といえるでしょう。

まとめ

個人、もしくは法人の信用情報における事故情報がある状態をブラックの状態、またはブラックリストに載った状態と表現します。このブラックの状態になると、ビジネスローンの利用は難しくなり、資金調達自体が難しくなります。

ビジネスローンを提供するのは、貸金業者登録をしている企業であり、金融機関やノンバンク系の企業となりますが、こうした企業は信用情報会社の持つ情報を参照に審査を行うため、いわゆるブラックの状態では、審査に通過する可能性は低くなります。

ブラックになった理由や、時期によってはブラックの状態でもビジネスロ-ンの審査に通過する可能性はありますが、その場合は申し込みの際、ブラックになった事情やその後の対応などを丁寧に説明する必要があります。

ブラックの状態で資金繰りに困った場合は、ビジネスローンにこだわらず、資産売却やファクタリングなど、資金確保に必要な手段をいろいろと考えておくのがおすすめです。

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