【お金がない時の救世主？】クレジットカードの現金化とは

どうしても手元の現金が足りない。そんな思いをしている方もいらっしゃるかもしれません。そんな時にどのような現金調達法があるのか？

一般的にはキャッシングや消費者金融ということになりますが、ネット上などでよく見かけるのがクレジットカード現金化です。

このクレジットカード現金化とはどのような方法なのか？違法性はあるのか？利用は控えるべきなのか、利用しても問題ないのか？

クレジットカード現金化の仕組みやその危険性などについて解説していきます。

クレジットカードの現金化とは？

クレジットカードの現金化という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。一般的にクレジットカードには、ショッピング枠とキャッシング枠が設定されており、現金が必要な場合はキャッシング枠を使用します。

しかし、クレジットカードの現金化は、ショッピング枠を現金化するという方法。では、どのような方法で現金化するのか。代表的な2つの例を紹介しましょう。

買い取り方式

利用されることが多いのが買い取り方式です。簡単に言ってしまえば、クレジットカードで商品を購入し、その商品を売却することで現金を手にするという方法です。

クレジットカードの現金化で購入されるケースが多いのがブランド品。ブランド品を購入しそのまま売却することで、現金を手にする形になります。当然ですが、購入費用は後日クレジットカード会社に支払う必要があります。

キャッシュバック方式

キャッシュバック方式とは、クレジットカードで商品を購入した際、発生するキャッシュバック分を現金として受け取るという方式です。実際にキャッシュバックを行っている商品を購入するというよりは、クレジットカード現金化のために設定された架空の商品を購入するというのが一般的で、商品自体にはほとんど価値がないというケースが目立ちます。

分かりやすく例を挙げると、ネットショップ(多くの場合クレジットカード現金化会社が運営している)で、1つ10万円のポケットティッシュを販売しており、このポケットティッシュをクレジットカードで購入すると9万円のキャッシュバックが受けられるといったイメージです。

購入者は10万円でポケットティッシュを購入し、9万円のキャッシュバック分から手数料などが差し引かれた分の現金を手にするといったシステムです。もちろんポケットティッシュは後日自宅に届きますし、クレジットカード会社からは10万円分の請求が来ます。

クレジットカード現金かは違法なのか？

このクレジットカード現金化という方法、ネットで検索すると「危険」や「利用厳禁」などといった言葉を多く見かけます。では、クレジットカード現金化に違法性はあるのかどうか？この点を解説していきます。

厳密に言えば違法ではない

クレジットカード現金化に違法性はありません。買い取り方式を見てもらえば分かる通り、形としては自分で商品を購入し、その商品を後に買い取り業者に持ち込んでいるのと同じことだからです。これが違法であれば、現金化目的ではなく行った買い物も、後に売却したら違法ということになってしまいます。

つまりクレジットカード現金化は、厳密に言えば違法ではないということになります。

金融庁などは注意喚起を行っている

クレジットカード現金化に違法性がないとはいえ、利用者にはデメリットやリスクが大きい現金調達法であることは間違いありません。実際にクレジットカード現金化を利用したことで、大きな問題に巻き込まれる方もいらっしゃいます。

そんな状況から、金融庁や消費者庁ではクレジットカード現金化に対する注意喚起を行っており、利用しないように周知しています。

クレジットカード会社が規約で禁じている

違法ではないにしても、多くのクレジットカード会社は、このクレジットカード現金化の利用を規約で禁じています。法に触れるわけではありませんが、クレジットカード会社との契約違反になる可能性は否定できませんので、この点は注意が必要です。

クレジットカード現金化が危険な理由

クレジットカード現金化が違法でないというのであれば、なぜ危険や利用厳禁と言われるのか？それはクレジットカード現金化のシステムや、クレジットカード会社との契約が問題となります。

金利(手数料)が高額

まずは何より利用手数料の問題です。多くのクレジットカード現金化業者では、換金率80～90%を謳っています。しかし、ここまでの換金率となるのは稀で、多くの場合換金率は70%程度と言われています。

仮に換金率が90%として考えてみましょう。

10万円の商品を購入し、9万円の現金を手にした場合で、クレジットカード会社からの引き落としまでに30日間あるとします。

この場合、形としては、9万円を借りて30日後に10万円返済するという形になります。30日間で9万円に対する金利1万円と考えると、金利は11%。これを年利に置き換えると135%となります。

カードローンや消費者金融の金利は、利息制限法により上限年利18.0%に定められています。この数字を見れば、クレジットカード現金化の手数料がいかに高額かわかるかと思います。

業者にクレジットカード情報を伝えなければいけない

多くの場合クレジットカード現金化は、オンラインと電話で申し込みます。クレジットカードで購入するといっても、自分がカードを持ってどこかの店に買いに行くのではなく、クレジットカード情報を、クレジットカード現金化業者に伝えて、業者が購入する形になります。

そのため、クレジットカードのカード番号やセキュリティコードを業者に伝える必要があります。

クレジットカード現金化は違法ではないとはいえ、それを生業とする業者には怪しい業者が多いのは間違いありません。こうした怪しい業者に、自分のクレジットカード情報を提供するのはリスクが小さくありません。

仮にその情報がより悪徳業者に売られてしまうと、さらに大きな被害に遭う可能性があります。

クレジットカードが強制解約になる可能性がある

上記の通り、多くのクレジットカード会社は、クレジットカード現金化の利用を規約で禁じています。この規約に違反したことが発覚すれば、クレジットカードは強制的に解約となり、最悪残債の一括返済を求められる可能性もあります。

詐欺被害に遭う可能性がある

クレジットカード現金化会社を利用して、実際に詐欺被害に遭ったという事例は少なくありません。例えばキャッシュバック方式を利用し、クレジットカードで支払ったにもかかわらず、キャッシュバック分が戻らず音信不通になってしまったり、1度申し込んだら、翌月頼んでもいないのにまた利用されていたりなどの被害報告があるようです。

こうした特に悪徳な業者は、人の弱みに付け込んで、どんどん利益を得ようとする傾向にありますので、もっとも有効な対処法は、「そもそも利用しないこと」ということになります。

クレジットカード現金化を利用するくらいなら？

ここまで説明してきた通り、クレジットカードの現金化は、違法性こそないとはいえ、利用するリスクが大きくおすすめできる方法ではありません。それでもどうしても現金が必要という場合、どのような方法があるのかを考えてみましょう。

キャッシング枠を活用する

まずはクレジットカードのキャッシング枠を利用するという方法です。クレジットカード現金化の利用を考えるほどの方であれば、すでに使用している可能性はありますが、まだ枠が残っているのであれば、キャッシングを利用した方が金利も安く安心です。

カードローンを利用する

普段利用している銀行で、カードローンのサービスを提供している場合、こうしたカードローンに申し込む方法もあります。銀行のカードローンも、消費者金融同様上限金利は18.0%ですので、クレジットカード現金化と比較すれば有利な条件で借り入れが可能です。

また、多くの銀行では上限金利が18.0%よりも低く設定されているため、消費者金融などと比較するとより有利な条件で借り入れることが可能です。

消費者金融に申し込む

カードローンに申し込んだものの、審査に通らなかったという場合は、消費者金融を一時的に利用する方法もあります。消費者金融も大手であれば安心して借り入れができますし、銀行のカードローンと比較すると、やや審査も甘い傾向にあります。

カードローンや消費者金融を利用する場合、注意したいのが総量規制です。法律で個人が借り入れできる限度額は、年収の1/3までと定められており、このラインを超えると、カードローンでも消費者金融でも借り入れはできません。

ちなみにマイカーローンや住宅ローンなどは総量規制の対象外ですので、それ以外の借り入れと、自身の年収を考えて、申し込みをする必要があります。

友人・知人・家族に借りる

キャッシング枠は使い切っており、総量規制でこれ以上借入できないという場合。クレジットカード現金化に頼る前に、友人や知人、家族に相談してみるのがおすすめです。もちろんお金の貸し借りというのは、友人などにはお願いし辛いかと思いますが、それでもクレジットカード現金化の手数料の高さを考えると、知り合いから借りる方が安心です。

もちろん借りた分はしっかりと返済しましょう。その後の人間関係に影響が出るのはおすすめできません。

まとめ

クレジットカード現金化は、クレジットカードのショッピング枠を現金化する方法です。クレジットカードでブランド品などを購入し、即売却することで現金を手にすることができますが、当然購入代金は後日クレジットカード会社に支払うことになります。

行っている行為自体に違法性はありませんが、クレジットカード会社では利用を禁じているケースが多く、利用が発覚すると強制解約の可能性があります。

また、クレジットカード現金化は手数料が高く、一般的な消費者金融の金利と比較すると、10倍近い手数料が取られるため、単純に損金が大きくなります。

クレジットカード現金化の利用を考えている方は、なんとかほかの方法で現金を借り入れるように検討しましょう。クレジットカード現金化のリスクはそのくらい大きいものですので、利用は厳禁と覚えておいてください。