赤字でも融資を受けるために必要な準備とは

「赤字だと資金融資は受けられない?」
「融資審査にはどんな準備が必要?」

経営が赤字の状態であれば、何らかの対策が必要になります。その対策には現金が必要なケースもあるでしょう。そんな時に心強いのが金融機関からの資金融資です。

赤字経営の企業が金融機関から資金融資を受けるためにはどんな準備が必要なのか、この点に関して解説していきましょう。

赤字でも融資を受けることは可能

まず大前提として、赤字経営の状態でも銀行等からの融資を受けることは可能です。可能ですが、黒字経営の企業に比べれば審査に通るのは難しくなります。とはいえ、しっかりと準備をすることで、融資を受けられる可能性はあります。赤字だからと最初から諦める必要はありません。

赤字経営で融資を受けるために必要なもの

赤字経営の状態で、金融機関から融資を受けるのは簡単ではありません。しかし、金融機関が融資審査で何をチェックするのか、その審査をクリアするためにはどんな準備が必要なのかを考えれば、事前に用意すべきものもハッキリします。

そこで、赤字経営の企業が融資を申し込む際に、準備すべき資料等に関して解説していきましょう。

赤字の原因を究明した資料

赤字経営の企業が、そのまま赤字経営を続けていくというのであれば、お金を貸しても返済が難しいということになります。そのためまず必要になるのは、自社が赤字経営になってしまっている原因をしっかりと究明する資料です。資材価格や光熱費などが高騰した、大きな取引相手との取引がなくなったなど、なぜ現状赤字経営なのかを具体的に説明しましょう。

赤字の原因が判明していれば、今後その原因を解決するためにどのような企業経営をしていけばいいのかがハッキリします。反対に言えば赤字の原因が不明のままでは、今後の対応策が有効かどうかもハッキリしませんので、金融機関としても融資をしづらくなります。

まずは自社の赤字の原因をしっかりと考え、その理由を具体的に説明できるような資料を用意しましょう。

資金繰り表

資金繰り表とは、自社に関する支出と収入のタイミングをまとめた資料です。資金繰り表を作成することで、どの程度の融資が必要なのか、また融資を受けた場合どのように資金繰りが改善され、返済ができるようになるのかが明確になります。

資金繰り表の作成は融資を受ける受けないに関わらず、特に経営状況が芳しくない企業にとってはおすすめの作業です。自社に関するお金の出入りがハッキリし、現金が不足するタイミングなどが分かるようになるため、その後の資金調達の指標にもなるでしょう。

事業計画

現在の赤字の状況を資金繰り表で明らかにし、その原因に関する資料があれば、どのような原因で、現状どのような財務状況なのかが分かりやすくなります。その上で作成するのが今後の事業計画です。

今後どのように事業を展開していくのかという点を、赤字となっている原因を解消しながら進めていくという形で考えていけば、より実現の可能性は高くなるはずです。

この事業計画は、資金融資の審査でも重視される資料です。今後申し込んだ企業がどのように事業を展開していくのか、単純に努力するというだけではなく、具体的にどのような努力を行っていくのかが分かれば、金融機関の担当者としても審査をしやすくなります。

事業計画のポイントは実現の可能性が高いこと、赤字の原因となる部分が改善されていること、そして今後の事業自体に成長性や将来性があることなどです。金融機関はこの事業計画から、将来的に返済を続けていけるような財務状況になるのかどうかを判断しますので、しっかりとした資料を作成しましょう。

返済計画

金融機関から融資を受ける場合、融資を受けたお金を何に使うのかという使途と、その結果財務状況が改善され、どのように返済できるのかも考える必要があります。この返済計画に関しても、ポイントとなるのは実現の可能性です。

いくら返済すべき金額に合わせる必要があるからと言って、どう考えても実現できないような収益目標を掲げても、それは審査に通過する資料とはなりません。上の事業計画に沿って自社がどのように成長し、その結果どうやって返済していくのかをきちんと説明できる資料にしましょう。

保証人や担保の準備

赤字経営で財務状況がよくない企業の場合、融資の条件に保証人や担保を求められるケースが少なくありません。こうした条件をクリアするために、事前に保証人や担保を考えておくのも重要です。

不動産などを所有していれば不動産を担保に一定金額を借り入れることが可能です。また、経営者自身の経済状況に問題がなければ、経営者自身が保証人となるということもできるでしょう。

保証人や担保があると、融資のハードルはグッと下がりますので、準備できる方は準備をしてから申し込むといいでしょう。

赤字が理由で融資が受けられない場合の資金調達法

必要な書類を準備して金融機関に融資を申し込んだものの、審査の結果融資を受けられなかった場合、ほかにどのような資金調達法があるのかを簡単に紹介していきます。

ビジネスローン

銀行やノンバンク系などが提供しているビジネスローンは、資金融資と比較すると審査に通りやすい傾向にあります。また、商品によっては保証人や担保が不要なケースもあり、同じような資料を準備することで、ビジネスローンであれば借り入れが可能なケースも考えられます。

ただし、ビジネスローンは資金融資と比較するとやや金利が高い傾向にあるため、返済自体は厳しくなる傾向にありますので注意が必要です。とはいえ、使途を問わないフリーローンなどと比べれば低金利で借り入れが可能ですので、融資審査に通過できなかった場合は利用を検討してもいいでしょう。

手形割引

取引において手形を活用している場合、この手形を担保とした借り入れとなる手形割引を利用することができます。手形割引は額面金額の定められた手形という担保があり、ビジネスローンよりもより審査に通過しやすいのが特徴です。金利の面でもビジネスローンと比較しても大きな差はないため、手形が手元にある企業にとっては、ビジネスローンよりも利用しやすい資金調達法と言えるでしょう。

ファクタリング

近年資金調達法として注目を集めているのがファクタリングです。ファクタリングとは、手元にある売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法です。

企業活動をしていれば、どの企業もある程度の売掛債権は手元にあるかと思います。この債権を利用し、比較的簡単に現金を受け取れますのでおすすめの資金調達法といえます。

ファクタリングの詳細や注意点に関しては次の項で詳しく説明していきましょう。

利用しやすいファクタリングがおすすめ

赤字経営で資金調達の必要がある場合で、金融機関からの融資が受けられないというのであればおすすめの資金調達法がファクタリングです。なぜファクタリングをおすすめするのか、その理由やファクタリングの特徴に関して紹介していきましょう。

即日現金化が可能

ファクタリングの大きな特徴は現金化スピードの早さです。金融機関からの資金融資の場合、数週間~1ヵ月以上時間がかかることも珍しくありません。その点ファクタリングでは、多くの場合は申し込みから2~3日程度、かかっても1週間、最短であれば申し込み即日に現金を手にすることも可能です。

特に急ぎ現金が必要な場合は、融資を頼るより最初からファクタリングで調達した方がいいケースも少なくないでしょう。

借り入れではないので信用情報に影響がない

ファクタリングの大きな特徴は借り入れ契約ではなく、債権譲渡契約であるという点でしょう。売掛債権を売却した対価として現金を受け取る契約ですので借り入れではありません。そのためどれだけ利用しても自社の信用情報には影響がない方法となります。

むしろこのファクタリングを活用して、すでにある借入残高を減らすことができれば、自社の自己資本比率が高まり、後の融資審査でも有利な状況を作り出すことさえ可能になります。

赤字や債務超過でも審査に通る可能性がある

ファクタリング契約の前にも審査は必ず行われます。ファクタリング審査はほかの資金調達法の審査と比較しても、通過しやすい審査として知られています。その理由は審査で重視される項目を考えれば分かるでしょう。

ファクタリング会社が審査で重視するのは、持ち込まれた売掛債権が現金化されるかどうかという点です。分かりやすく言えば、債務者である取引先企業が、売掛金を支払うかどうかが最大の問題ということです。つまり、ファクタリング審査で重視されるのは取引先企業の信用情報や経営状況であり、債権者である申し込み企業の信用情報ではないということです。

そのため申し込み企業が赤字経営でも、債務超過の状況でもファクタリング審査に通過するケースがあるほど、審査には通りやすいという特徴があります。

額面金額以上は現金化できない

ファクタリングは債権譲渡契約です。そのため譲渡する売掛債権の額面金額以上の金額で契約することはできません。つまり、額面金額以上の現金を受け取ることはできないということです。赤字企業が必要とする金額が、売掛債権の額面金額以上である場合、ファクタリングだけでは対応できないケースがありますので注意が必要です。

まとめ

赤字経営の企業でも金融機関から融資を受けることは可能です。しかし融資審査に通過するのは簡単ではありません。しっかりと現状を報告し、さらに赤字の原因の究明、その原因に対処した上での今後の事業計画、そして事業計画に沿った返済計画の立案などが重要なポイントとなります。これらの資料で銀行を納得させることができれば赤字経営でも融資を受けることができるでしょう。

とはいえ、金融機関からの融資は時間がかかります。すぐに現金が必要な場合は、ファクタリングなどを活用し対処するのがおすすめです。

企業の資金調達の方法は1つではありません。それぞれの方法のメリットやデメリットを把握しつつ、自社に必要な方法を選択できるように準備しておきましょう。

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