ご商売は長く続けられていると、新たな事業部として全く新規のビジネスに参入するというケースもよくあることです。特に古くから続く会社の場合は、このように新しい風を吹き込むことも時には会社の成長のために必要だというケースもあるのではないでしょうか。
しかし全く新しい業界に新規参入する場合にはそれなりの予習が必要なケースもあります。
今回、新たな事業として新規のビジネスであるデザイン事業部を立ち上げた皆川社長。デザイナーを新規採用し、デザイナーの出社初日に…
登場人物紹介
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チョウタツ王
中小企業経営者を支援する資金調達界の救世主。
ファクタリングを世に広めるため日々活動中。 -
ヒロコ
チョウタツ王のもとで助手として働く。
ファクタリングについて日夜研究中。 -
皆川社長
東京都内で建設会社を営む2代目社長。
仕事にかける情熱と社員を大切に想う心は人一倍だが…。
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皆川社長、最近ご機嫌ですね♪
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ヒロコちゃ~ん♪ いよいよ俺の会社もクリエイティブな領域に参入することになったんだよ!
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えっ、クリエイティブ?どんなお仕事を始めたんですか?♪
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ふっふっふ、デザイナーさんを新規に採用して求人広告のデザイン事業部を立ち上げたんだ!親父から引き継いだこの会社、なんとか建設業でやってきたけれども最近はやっぱりクリエイティブな仕事も重要だって気づいてね。そこでこうして会社の資金をつぎ込んで新しくデザイン事業部を立ち上げたというわけさ。
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すごーい!業績もバリバリ上がっていってキラキラの社長さんになりそうですね☆
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でしょ~?だからさ~、ヒロコちゃんもあの間宮…センパイなんかと遊びに行かないで俺と遊びに行こうよ!(先輩ってつけたくないな)
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え~?どうしようかな~♪
-♪ピロロロロロロロロ・・・・-
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おっと電話だ、もしもし?
はい、お疲れ様!どうしたの、うんうん、え、デザイナーさんは出社してないって?まさか!今日から出社のはずだし、既に在宅でいくつかお仕事をお願いしてるからそのお仕事も終わっているはずなんだけど?
え?原稿が全くない?どうして?ラフデザインすら上がっていないってどういうこと? -
嫌な予感がしてきた・・・
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うん、とにかくちょっとデザイナーさんに連絡してみて。
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何かあったんですか?
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いやデザイナーさんがどういうわけか出社してこないらしくて電話にも出ないらしいんだ。
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それは大変ですね(雲行きが怪しくなってきたわね)。
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多分大丈夫だと思うんだ。なぜならもうすでにバンバン求人広告のお仕事を取ってきてて、前受金すら貰っちゃってるからね♪
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えっ、皆川社長、デザイナーさんの出社初日の前にもうそんなにも仕事とってきちゃったんですか!?しかも前受金まで!?
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そうだよ♪俺すごいでしょ♪
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どうするんですか?!本当にデザイナーさんが働いてくれる人かどうかも分からないのに、いきなりそんなにお仕事とってきたって、皆川社長はデザインとかできるんですよね?
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え?もちろんできるわけないじゃん、俺建設屋だよ?
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ものすごく危ない気がしてきた・・・
-♪ピロロロロロロロロ・・・-
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おっと電話だ、もしもし?
お疲れ様。え?デザイナーさんが全く働かないどころか在宅でお願いしていた仕事も全く手がついていない!?!?しかも態度がめちゃめちゃ悪いって?
え?皆川は親のすねかじりだから仕事しなくても給料貰えて最高の野郎って言ってるって? -
アウトね。確信犯だわ。
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そんなデザイナーさん許すわけにいかない!俺が直接連絡して業務委託を解除しよう。そして新しいデザイナーさんを入れるんだ。
もしもし、社長の皆川ですけどデザイナーさん、仕事をしてくださらないなら業務委託契約を解除します。
はい?給料を払え?
仕事をしていないのに??
え?業務委託契約で毎月の報酬が決まっているから絶対に払え?払わないと裁判を起こすだって?
冗談じゃない!こっちはあなたが仕事をしないせいで今にもお客さんから違約金も請求されそうなのに・・・あっ、ちょっと!(プープープー) -
大丈夫じゃないと思うけど大丈夫ですか?
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大丈夫じゃないね・・・どうしようデザイナーさんが裁判を起こすって・・・
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完全に確信犯でやられたな、皆川社長。
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チョウタツ王!確信犯ってどういうことですか?
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業務委託契約を結ぼうとするフリーの中にはこういう人間もどうしても一定数いるということじゃ。
しかも今回の件は完全にこの裁判まで話がこじれることを想定に入れた上での動き方じゃな。
わしも長いこと生きておるが、10年に1回くらいのペースでこういうのにあたることがある。 -
どうしよう、そんなこと言われても、もうバンバン営業を取るために広告費をかけちゃってこの人に払うお金なんてないよ!それに他のクライアントさんにはどうやって説明すれば・・・!
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段取り下手か
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まあまあチョウタツ王、何か良い方法はありませんか?
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とにかくこういう問題が起こった時は危険度別にリスクを順位付けしていくのが優先じゃ。
こういうパターンの場合、悪質な従業員は確信犯で行動しているからこそ何をするかわからんと言う話がある。
裁判なんて実際に起こされてみろ、会社の看板に傷がつくことは目に見えておる。お前の親父さんから引き継いだ会社に泥を塗ることになるぞ。 -
特にこの業界は狭いですからね、裁判を起こされたなんてことが判明した時には周りの会社から何を言われるか分からないかもしれません。
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そうじゃろう?まず今日の時点で業務委託契約を解除するのじゃ。今すぐに業務委託契約の解除通知書を速達の書留で送るんじゃ!
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そうします。今日中に送るようにします。その後は?
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まずはこやつに支払う業務委託報酬をすぐにでも用意しなければなるまいな。場合によっては弁護士案件じゃが、今回はひとまず業務委託報酬を支払ってしまうことに集中するんじゃ。法的リスクの排除から進めるとよいぞ。
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でもどうしよう。この人のせいで売り上げが立たなかったから支払うお金はないんです。本業の建設業の方でも今資金繰りがギリギリで、この人のために出す金額は余分に用意できない状況です。
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よくもまあ本当にギリギリの状態で事業部立ち上げて広告もバンバン打ったのう、お主。
まあ過ぎたものは仕方がない、銀行融資を受けるという方法もあるじゃろうが、今回の場合はちと少額すぎて別の意味で銀行に相手にしてもらえない可能性が高いのう。
それに今その金額で会社の会計上に借り入れを計上するのは、経営上あまり良くないのではないか? -
そうなんです。実は来期に大口の融資の話があって、今この時期に変なことはしたくないのは正直なところです。
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ふむ。そうなるとやはり資金調達の方法としてはファクタリングしかあるまい。
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売掛金を現金化するあのファクタリングですか?
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その通りじゃ。ファクタリングは融資と違ってな、このような大きすぎない金額でも柔軟に調達することが可能なんじゃ。
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どういうことですか?
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ヒロコ、分かりやすく説明してやってくれ!
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会社の名義で借り入れを行おうとすると、事業性資金という形である程度使用用途についてもヒアリングが行われた上で貸し付けが実行されることになるわよね?
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そうだね。
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そうなると借入も大きな金額になることが多くて、その分だけ調達に時間がかかるというケースもあるわ。
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今回は僕がお取引している銀行でも、融資の実行まではかなりの時間がかかるって言う話をされた。
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そうでしょう?でも、ファクタリングなら今自分の会社が持っている売掛債権のどれを売却するかを柔軟に選ぶことができるから、その時必要な金額だけを最低限のリスクで現金化することができるというメリットがあるの。
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そうか!つまりいきなり金融機関から借入をして負債額をむやみやたらに大きくするのではなくて、その時必要最低限の金額だけを現金化することができるというわけか!
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その通り。しかも、ファクタリングは借入ではないから会計上の処理も借入として計上されるわけではないの。会計の話をすると借入・負債ではなく単純な売上になるわけね。
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すごい、それだと会社の貸借対照表にも響かないというわけだね!
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そうね、綺麗なバランスシートを保つことができるわ。
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しかも今回は比較的少ない金額のファクタリングでしょ?その金額に見合うくらいの売掛債権ってないかしら?
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ちょっと待ってね・・・ある!あるよ!長年お仕事を頂いている取引先様がいるんだけど、そこまで大きい金額ではないんだ。ちょうど手数料を考えてこの売掛債権を売却すると業務委託報酬に届くよ!
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じゃあその売掛債権を売却しましょう。長年取引があるということだから、審査上もばっちりよ。
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しまった!でもファクタリングということは相手先の会社にファクタリングを利用したことがバレてしまうよね?親父の代からの取引先だからあんまりそういうことは知られたくないなぁ。
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その点についても心配無用じゃ。ファクタリングは2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2通りの方法があるのじゃが、2社間ファクタリングを選ぶことによって相手先に連絡が入ることは一切ない。その分手数料はちと割高になるが、その辺りは取引先との信頼関係を取るか実際に入ってくる金額を取るかの2択じゃな。
項目 | 2社間 ファクタリング |
3社間 ファクタリング |
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売掛先への通知 | なし | あり |
売掛金の入金先 | 利用者の銀行口座 | ファクタリング会社の銀行口座 |
債権譲渡登記 | 必要に応じて | 必要に応じて |
手数料 | 10%~30% | 3%~10% |
売掛金の代金回収 | 利用者 | ファクタリング会社 |
入金までの期間 | 即日~1週間程度 | 即日~売掛先承諾まで |
審査の柔軟さ | 融資より緩い | 2社間より緩い |
総 評 | 売掛先への通知は不要だが3社間に比べ買取額が低い | 審査が緩く買取額が高いが売掛先へ通知が入る |
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今回は2社間ファクタリングにしようかな。
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それなら話は早い、早速ファクタリングに申し込みをして法的リスクのある支払いを先に済ませてしまおうではないか!
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そういえば皆川社長、デザイナーさんがいないって言ってたわね。
私の仲良しのお友達で1人、可愛いイラストを書くデザイナーさんがいるから紹介するわね。タピオカミルクティーとか原宿系のお菓子とかが好きな子だから、たまにご馳走してあげてね♪ -
わあ、こんなにかわいいイラストが描けたりデザインができるんだったら是非とも仕事をして欲しいな!この問題が解消して時間があるから、なんとかお給料の都合をつけて来てもらえるように調整してみるよ!
しかもタピオカミルクティーとかが好きでヒロコちゃんと仲がいいならきっと可愛い女の子なんだろうなあ。ぐふふ。 -
ちなみに言い忘れてたけど、その子は身長190センチ、体重120kgで元男子レスリングのチャンピオンだから筋トレとかも教えてもらえるわよ♪いわゆる今流行りの甘党男子ってやつね!
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そ、そんなあ~~~!
今回のまとめ
業務委託契約には危険が一杯。従業員トラブルの際にもファクタリングで早めの対処を!
ご商売は長く続けられていると、新たな事業部として全く新規のビジネスに参入するというケースもよくあることです。特に古くから続く会社の場合は、このように新しい風を吹き込むことも時には会社の成長のために必要だというケースもあるのではないでしょうか。
しかし全く新しい業界に新規参入する場合にはそれなりの予習が必要なケースもあります。今回皆川社長はほとんど予習をせずに全く新しい業界に新規参入し、採用に関するノウハウもない業界で手探り状態から新しく採用するスタッフを決めました。
そして長いことご商売を続けられているとこちらもよくある話なのですが、せっかく採用した人員や従業員が勤務態度が振るわず最終的に働かないだけならまだしも、会社に損害を与えてしまうというケースもあります。
特に正社員雇用する前に業務委託契約などをして採用している場合は、どうしても法的に業務委託契約先にも一定の発言力や影響力があり、少なくとも法的な部分では場合によっては業務委託先の方が大きな声を持っていることがあります。
従来の業界であれば長年蓄積してきた採用ノウハウや人事ノウハウが遺憾なく発揮されますので即戦力で問題のない人材を雇用することができますが、ノウハウのない業界で採用しようとすると様々な重要点を見落としてしまい問題のある従業員を雇用してしまうケースもあるでしょう。
このようなパターンの時に確信犯的に会社に対して人件費を不当請求するようなケースも0ではありません。また、採用や業務委託契約の際に取り交わした契約書がその業界にマッチしたものでない場合は、その穴をついて人件費以外にも不当請求をされてしまうケースが往々にしてあります。
このような場合には人件費がそのまま会社の債務として確定してしまうことがあり、そのまま裁判を起こされる可能性も出てきます。そうなると会社の名前に傷がつくということも十分に考えられます。このような法的リスクを残した状態で日々業務に従事するというのは至難の技。
従業員は恐怖で仕事に打ち込めなくなるというケースもありますし、思わぬ妨害を受けて会社の業務が回らなくなるという可能性もあります。
そして経営者の方自身も精神的に慣れない負担を受けることとなり、これが元で会社が回らなくなるというケースもよく聞かれます。つまり、このような作業ミスによる従業員トラブルが起きた場合には早急にロスカットをすることが必要となります。
しかし規模が小さい企業の場合はこのようなロスカットのための資金が潤沢でないケースも多く、新規に採用した従業員及び人員がきちんと働くことで得られる予定の資金を給料にあてていたという場合は会社側から持ち出さなければならないにも関わらず資金がないというケースもあります。
このような時には資金が着金するのを待っていると思わぬ形で法的トラブルに巻き込まれることがありますので、早急に対処していくことが何よりも重要です。そんな時にも使えるのがファクタリングです。
ファクタリングは借入ではありませんので申し込みから審査の時間を経て融資実行までの長い期間を待つ必要がありませんし、審査が通過するかあるいは審査に落ちてしまうかという審査結果連絡を冷や汗を流しながら日々待たなければならないということもありません。
ファクタリングは、きちんと売掛先が長年にわたり取引があるという状況であれば問題なく審査に通過できる可能性があります。加えて会社の会計上もファクタリングを利用した分は借り入れという形での計上ではなく売上という形での計上となりますので会計書類を汚さずに済みます 。
しかし全く新しい業界に新規参入する場合にはそれなりの予習が必要なケースもあります。今回皆川社長はほとんど予習をせずに全く新しい業界に新規参入し、採用に関するノウハウもない業界で手探り状態から新しく採用するスタッフを決めました。
そして長いことご商売を続けられているとこちらもよくある話なのですが、せっかく採用した人員や従業員が勤務態度が振るわず最終的に働かないだけならまだしも、会社に損害を与えてしまうというケースもあります。
特に正社員雇用する前に業務委託契約などをして採用している場合は、どうしても法的に業務委託契約先にも一定の発言力や影響力があり、少なくとも法的な部分では場合によっては業務委託先の方が大きな声を持っていることがあります。
従来の業界であれば長年蓄積してきた採用ノウハウや人事ノウハウが遺憾なく発揮されますので即戦力で問題のない人材を雇用することができますが、ノウハウのない業界で採用しようとすると様々な重要点を見落としてしまい問題のある従業員を雇用してしまうケースもあるでしょう。
このようなパターンの時に確信犯的に会社に対して人件費を不当請求するようなケースも0ではありません。また、採用や業務委託契約の際に取り交わした契約書がその業界にマッチしたものでない場合は、その穴をついて人件費以外にも不当請求をされてしまうケースが往々にしてあります。
このような場合には人件費がそのまま会社の債務として確定してしまうことがあり、そのまま裁判を起こされる可能性も出てきます。そうなると会社の名前に傷がつくということも十分に考えられます。このような法的リスクを残した状態で日々業務に従事するというのは至難の技。
従業員は恐怖で仕事に打ち込めなくなるというケースもありますし、思わぬ妨害を受けて会社の業務が回らなくなるという可能性もあります。
そして経営者の方自身も精神的に慣れない負担を受けることとなり、これが元で会社が回らなくなるというケースもよく聞かれます。つまり、このような作業ミスによる従業員トラブルが起きた場合には早急にロスカットをすることが必要となります。
しかし規模が小さい企業の場合はこのようなロスカットのための資金が潤沢でないケースも多く、新規に採用した従業員及び人員がきちんと働くことで得られる予定の資金を給料にあてていたという場合は会社側から持ち出さなければならないにも関わらず資金がないというケースもあります。
このような時には資金が着金するのを待っていると思わぬ形で法的トラブルに巻き込まれることがありますので、早急に対処していくことが何よりも重要です。そんな時にも使えるのがファクタリングです。
ファクタリングは借入ではありませんので申し込みから審査の時間を経て融資実行までの長い期間を待つ必要がありませんし、審査が通過するかあるいは審査に落ちてしまうかという審査結果連絡を冷や汗を流しながら日々待たなければならないということもありません。
ファクタリングは、きちんと売掛先が長年にわたり取引があるという状況であれば問題なく審査に通過できる可能性があります。加えて会社の会計上もファクタリングを利用した分は借り入れという形での計上ではなく売上という形での計上となりますので会計書類を汚さずに済みます 。