ファクタリングを利用するための書類と必要情報

中小企業にとって心強い味方となるファクタリング。

キャッシュフローの改善を目指すなら、売掛債権を迅速に現金化できるこの資金調達方法は積極的に活用したいところです。

でも、ちょっと待ってください。

せっかくのスピード入金も、書類に不備があればそこで止まってしまいます。ファクタリングをスムーズに利用するためには、必要な書類や情報をきちんと揃えることが大切です。

この記事では、ファクタリングを最短で成功させるためにどんな書類を揃えておくべきか、どんな情報を準備すればいいのかを、わかりやすくご紹介します。

この記事を読んで、あなたの会社の資金調達がもっとスムーズに、もっと効果的になるお手伝いができれば幸いです。
さあ、一緒に準備を整えて、次のステップに進みましょう!

ファクタリング契約にはどんな情報が必要?

ファクタリングの契約をする際様々な書類の提出が求められますよね。
種々多様の資金調達をこなしてきた経営者の皆さんは慣れっこでしょうが、開業したての方や個人事業主の皆さんはこんな情報渡して大丈夫なの……?と不安に思う瞬間ありませんか?

一体、ファクタリング会社はどんな情報をどんな理由から必要とするのでしょうか?

無駄に心配しないため、無用なトラブルを避けるため、ファクタリングに必要な情報とその理由を確かめていきましょう。

利用者の本人情報

個人
・本人であることが確認できる情報

法人
・企業名:正式な会社名
・所在地:本社や主要な営業拠点の住所
・設立年月日:会社の設立日
・代表者名:代表取締役の名前
・連絡先:電話番号やメールアドレス

これら利用者本人あるいは企業の情報は審査にはあまり影響がありません。
あくまで契約相手が本人であり、企業なら実在しているかを確かめられることが重要です。
法人の情報確認として手っ取り早いのがこれらのほとんどが記載されている商業登記簿謄本であるため、企業が契約する際にはこの書類の提出が求められるのです。

財務情報

財務情報は、その会社がペーパーカンパニーなどでなく実際に運営されているか確認するために必要になります。確定申告書や決算書、通帳のコピーなどがこれにあたります。
3期分ほどあればファクタリング会社も安心ですが、スタートアップ企業などはこの限りではありませんので相談してみましょう。

売掛金情報

・売掛先の企業名:売掛金の発行先
・請求書の発行日と支払期日:それぞれの日付
・請求金額:具体的な金額
・取引内容:どのような商品やサービスに対する請求か

ファクタリング契約において最も重要である、売掛金が実在するかを確認するために必要になります。請求書や発注書で確認することができます。

ファクタリングの必要書類は?

これらを踏まえて、ファクタリングで必要とされることの多い書類をチェックしていきましょう。
の多い物ほど必要とされやすい重要な書類ですよ。

★★★売掛金の証明書類

・売掛債権を証明する資料(請求書・契約書・発注書など)
・基本契約書※

売掛金と売掛先の証明が肝になりますから、自社の請求書のみより売掛先からの発注書などもあるとより確実性が増します。

※基本的に請求書は必須だと考えておけばよいのですが、長期取引の証明である基本契約書がある場合は個別の請求書がなくともファクタリングを利用できるケースがあります。
ただ、その取引の中のどの発注をファクタリングに使うのかがわからないと契約できませんので個別の注文書などを併せて提出する必要がありそうです。

★★本人または法人の証明書類

・本人確認書類
 ・マイナンバーカード
 ・運転免許証
 ・各種保険証
 ・住民票など
 ・パスポート
・商業登記簿謄本(法人のみ)

法人も代表者の本人確認書類は必要になります。
これらはなりすまし防止や反社会的勢力でないかの確認のために求められます。
ファクタリング会社によりけりですが、一般的には顔写真入りのものなら1点、顔写真が入っていないものは2点必要になります。

 例:マイナンバーカード・運転免許証ならどちらか1点でOK
   保険証・住民票・パスポート・印鑑登録証明書などは2点

尚、2020年2月4日以降に申請されたパスポートは住所の記載がなくなったため、1点のみでの身分証明書としては機能しなくなっていますので注意してくださいね。

★★事業の証明書類

・取引先からの入金確認ができる通帳のコピー
・決算書または確定申告書
・直近の決算書
・直近数ヶ月分の銀行取引明細

追加で必要になることがある書類

・納税証明書
・印鑑証明書
・債権譲渡通知
・売掛先の支払履歴(法人のみ)
・与信調査書(法人のみ)
・銀行の口座証明書(法人のみ)

全ての書類を求められることはまずありません。
とくにの書類はこの中のどれかが必要になることもある、といった程度です。
ですが、★★★の請求書はどんなファクタリング契約でも必ずどちらかは必要になりますから慌てずに準備しておきましょう。

書類の取得にかかる時間

上記の必要書類には自分で準備できるものと、申請して取得しなければならないものとがあります。申請が必要な書類は受け取るまでに時間がかかることもあります。

自分または自社で準備できる書類

・本人確認書類:1日※
 ・マイナンバーカード
 ・運転免許証
 ・保険証
 ・パスポート
・請求書、発注書:1~3日
・通帳のコピー:1日
・決算書、確定申告書:1~3日

※本人確認書類は新規取得には時間がかかりますのですでに持っているもので対応すると仮定しています。

申請が必要な書類

商業登記簿謄本:郵送・オンライン申請は1週間~ 窓口申請は1日
印鑑証明書:郵送・オンライン申請は1週間~ 窓口申請は1日

上記の書類は直接窓口で申請する以外の方法ではどれも数日以上かかると思っておいた方が良いでしょう。
必要な申請を先にしつつ、自分で揃えられるる書類を整えておくなど、時間を効率的に使い余裕を持って準備しておきたいですね。

請求書がないと絶対にファクタリング契約はできない?

ファクタリング、とくに2社間ファクタリングにおいて請求書は売掛債権が“架空債権”でないか、“二重譲渡”されていないかを確認するための重要な書類です。
請求書があればそれ以外の書類は不要、とされることはあっても、その逆はなかなか通りません。

なかなか、ですから絶対にできないわけではありません。
ここからは請求書なしでファクタリング契約を結ぶには何が必要かを見ていきましょう。

請求書がない状況とは?

まず、請求書がない、とは如何なる状況でしょうか?
いくつか考えられますが、もっとも単純でよくある、そして解決が早いものはこちら。

紛失した

管理はしっかりするに越したことはありませんが、よくあることではあります。
この場合に請求書を作り直すのは何ら違法な行為ではありませんからデータで残っているなら再度印刷し、手書きなら書き直しましょう。
その際、金額や各日付などは間違えないように注意してください。
売掛先に提出しているものとズレがあると意図せずとも詐欺になってしまう可能性があります。

次によくあるのがこちらのパターンです。固定の取引先と長く経営している会社にありがちなのがこちら。

昔から付き合いのある取引先で今さら個別の請求書を発行していない

逆に考えれば安定した取引を続けている相手の売掛債権を使うということですから、いくつか書類を整えられればファクタリング会社としてもあまり問題はないパターンです。
ただし、書類は以下のうち1つではなくこの記事の前の方で紹介した必要書類のうち★のものも含めてできるだけ多く用意した方が良いでしょう。
請求書がない状態での売掛金の証明にはそれだけ手間が必要になります。

・取引基本契約書
・納品書
・継続取引が確認できる期間分の通帳のコピー
+必要書類の★★、★からできるだけ多く

最後はガラッと事情が変わり、そもそも請求書発行前の段階でのファクタリングが可能かという話になります。結論からいうと2020年の民法改正から可能になりました。

将来債権であるため、まだ請求書がない


こちらはファクタリングの中でも更に新しい種類のもので、注文書ファクタリングと言われています。
通常のファクタリングは案件が完了し、納品も終えて請求書を発行した段階で初めて契約が可能になるのですが、注文書ファクタリングでは請求書を発行する前の注文書や発注書などを使い、これらを将来債権の証明として契約することが可能です。
この場合は何の問題もなく請求書無しでファクタリング契約を結べるのですが、一点問題があります。
注文書等の段階ではまだ最終的な金額が確定していないため、予定しているより売掛金が減る可能性があり、そのリスクをファクタリング会社が負う都合で手数料がより高額に設定されるということです。
注文書ファクタリングを申し込むときは、このリスクを十分に承知しておきましょう。

請求書がないなら作ればいい?

請求書がないと他の書類がたくさん必要になる、請求書1枚あればいいなら作ってしまえばいいじゃない!

と考えてしまった方はちょっとお待ちください。
まず、存在しない債権をあたかもあるかのように見せかける目的で請求書を作成し、これを利用して資金調達をする行為は詐欺罪にあたります。紛失した請求書を書き直すときに間違えた、だけでもかなり良くありません。増してや架空の債権をや。

実際に存在している売掛金の請求書を作成すること自体に違法性はありませんから、請求書だけがない(発行していない)という場合は作成した請求書を売掛先に送っておくのもひとつの手です。長年信頼関係がある取引先ならそのまま請求書を発行する方針に切り替えてみても良いのではないでしょうか?

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ファクタリングにおける必要書類がなぜ必要なのか、どの情報が重要なのか、おわかりいただけたでしょうか。
十分に納得した上で自分に合ったファクタリング会社を見つけるための判断材料のひとつとしていただければ幸いです。

チョウタツ王 お客様の声