ファクタリングを使うタイミングはいつがベスト?

「ファクタリングってどのタイミングで使うもの?」
「ファクタリングを利用してみたいんだけど」

近年利用する企業も増えているファクタリングという資金調達法。その手軽さゆえにいつでも気軽に利用できるという特徴があります。しかし、ファクタリングも特徴があり、利用するのにベストなタイミングというものも存在します。

ではどのようなタイミングで利用すべきか、そのあたりを詳しく解説していきましょう。

ファクタリングにおすすめのタイミング

ファクタリングは非常に便利な資金調達法の1つです。利用に関してはおすすめのタイミングがありますので、そんな代表的な例をいくつか紹介しましょう。

急な出費が発生したタイミング

企業活動をしていればさまざまな支払いのタイミングがあるかと思います。一般的に光熱費や人件費など固定費を支払うタイミングは一定です。そのため計画性を持って対応できるでしょう。

問題は急な出費が発生した場合です。事業に必要な設備機器に不備が生じて支払う修理代や買い替えの費用、事業に不可欠な自動車等の故障や事故に関わる出費など、あらかじめ予測するのが難しい出費というのは存在します。

もちろんこうした不測の事態に備えて資金をプールしておくのがベストですが、常に備えられるわけでもありません。そんな不測の事態に力を発揮するのがファクタリングという資金調達法です。

納税や支払いが必要なタイミング

ある程度予測できる出費であっても、支払いに困ってしまうケースはあるかと思います。特に納税や取引先への支払いに関しては、1日でも遅れてしまうと自社の信用情報に影響します。信用情報に問題が発生してしまうと、後に金融機関等から融資を受けたいと思っても審査に通過するのが難しくなってしまいます。また、取引先からの信用が落ちればその後の取引にも影響が出てしまうでしょう。

何らかの理由でこうした納税や支払いが厳しいという場合には、ファクタリングでその場を凌ぐのがおすすめです。期日を守り、きちんと支払いを行うことで、後の業務にも好影響があるはずです。

資金融資が決定するまでの期間

金融機関に融資を申し込み、審査を受けて実際に融資を受け取るまでにはある程度の時間が必要です。一般的に融資を申し込んでから実際に現金を手にするまでの期間は早くて1週間、時間がかかる場合は1ヵ月以上かかるケースも珍しくありません。

さらにいえば、こうした資金融資には各種資料が必要になります。今後の事業計画書や返済計画書などを提出するとなれば、資料の作成時間を見積もる必要があります。

仮に融資を受けられるとしても、申し込みから融資まで時間がかかりますので、その間に運転資金が枯渇してしまう可能性は否定できません。そんな時に利用できるのがファクタリングです。

急激に売上・発注が増えたタイミング

ここまでは原則として現金が足りなくなった場合、つまり財務状況が良くない場合を紹介してきました。それ以外にも企業としては業績が伸びるタイミングでもファクタリングを活用できるタイミングがあります。それが急激に売上や発注が増えたタイミングです。

何かのきっかけで売上や発注が急増すると、その原材料の発注が必要になります。普段以上に発注をかけますので、当然ですが支払金額も多くなりますが、発注が増えた分の収入はまだ手にしていません。つまり、そのタイミングで現金がないと、増えた発注に対応できなくなってしまいます。

特にこうしたタイミングで、大型の案件が決まるなどした場合には注意が必要です。発注された数量を準備する資金がないからと言って、このチャンスを逃してしまっては企業としては大きなマイナスです。

そんな時にはファクタリングを利用し、将来入ってくる売掛金を先に現金化して対応することが可能です。企業として業績アップのチャンスを見逃さず、また黒字倒産という最悪の事態を招かないためにもファクタリング等を利用してしっかりとチャンスをつかみましょう。

ファクタリングの特徴を把握しよう

ファクタリングを上手に活用するためには、ファクタリングの特徴を把握しておくことが重要です。そんなファクタリングの特徴について、代表的な部分を紹介していきます。

借り入れではないので利用しやすい

ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することで、売掛金を入金期日前に現金化するという資金調達法です。このファクタリングの契約において結ばれるのは貸金契約ではありません。債権を譲渡する契約ですので債権譲渡契約を結ぶことになります。

つまりファクタリングは売掛債権という自社の財産を売却して現金化する方法であり、借り入れとはならないわけです。借り入れとはならないために、例えば融資審査を待つ期間に利用しても、融資審査に悪影響は出ないということになります。

企業の資金調達法の多くは借り入れの契約が必要です。資金融資もビジネスローンも手形割引もすべて貸金契約です。こうした中で借り入れとならないファクタリングは、気軽に利用できる資金調達法と言えます。

現金化スピードが早い

金融機関の融資審査は長ければ1ヵ月以上かかるものです。ファクタリングも利用の際は審査が行われますが、審査の時間は融資審査と比較すると非常に短く簡略的なものになります。そのため一般的なファクタリング契約で2~3日、長くても1週間程度で審査結果が出て契約、そして現金を手にすることができるでしょう。また、最近では即日現金化対応のファクタリング会社も増えており、こうした会社を利用すれば申し込み当日に現金を手にすることも可能です。

申し込み即日に現金を手にすることができる資金調達法としては、ビジネスローンや手形割引がありますが、この2つは借り入れの契約となりますので、債務が増えることになり金利とともに返済が必要になります。

返済不要で即日対応可能なファクタリングは、この両者と比較してもより利用しやすいといえるでしょう。

2つの契約方法がある

ファクタリングにはさまざまな契約方法がありますが、一般的なファクタリングとしては2つの契約方法が考えられます。

申し込み企業とファクタリング会社の2社で契約を交わすのが2社間ファクタリングです。売掛先である取引先にも知られることなく、自社の判断のみで利用できる契約方法で、一般的にファクタリングと言えばこの2社間ファクタリングを指します。

メリットは即日現金化が可能など現金化スピードが早いこと、そして誰にも知られないで利用できるという点です。デメリットとして手数料相場がやや高く10~30%の手数料がかかるという点が挙げられます。急ぎ現金が必要なケースなどにお勧めの契約方法と言えるでしょう。

もうひとつは申し込み企業とファクタリング会社に加え、売掛先である取引先企業も含めた3社で契約を交わす3社間ファクタリングです。取引先の理解を得る必要はありますが、利用できればメリットも大きい契約方法と言えます。

そのメリットは何より手数料相場が安いという点。一般的に1~9%程度が相場と言われており、2社間ファクタリングよりも有利な条件で契約が可能です。デメリットは契約まである程度時間がかかるという点です。契約に取引先にも参加してもらうため、早くても1週間程度は時間が必要と言われています。

そこまで急がないものの、好条件でファクタリングを利用したいというケースでおすすめの契約方法となります。

ファクタリングを利用する場合の注意点

借り入れ契約ではなく現金化スピードが早い、しかも契約方法が選べるなどファクタリングには大きなメリットがいくつもあります。しかし利用に関しては注意すべき点もありますので、その点に関しても解説しておきましょう。

手数料が必要

ファクタリングでは手数料の支払いが必要になります。その相場に関しては上でも触れた通りですが、この手数料は申し込み企業にとっては純粋な損失になります。

例えば額面金額100万円の売掛債権でファクタリングを利用し、その手数料が10%の場合、実際に手にできる現金は90万円となります。自社としては100万円分の仕事を納品したのに、手にできる現金が90万円ということは、10万円分損失が発生したと考えることもできます。

この手数料に関しては、法的に定められた基準というものがありません。貸金契約の場合、利息制限法という法律の下、金利上限が定められています。しかしファクタリングで結ぶ債権譲渡契約は自由契約であり、その条件は契約する両者が納得していれば自由に決めていいことになっています。

つまり、同じ売掛債権を持ち込んでも、ファクタリング会社によって手数料に差が出るということがあるわけです。手数料は各ファクタリング会社が独自に設定しますので、こういった事が起きることになります。

これからファクタリングの利用を考えている方は、同じ売掛債権で複数のファクタリング会社に申し込み、各社の契約条件を比較検討してどの会社を利用するか考えるのがおすすめです。

売掛金入金期日前後の財務状況

ファクタリングは売掛債権を譲渡して、売掛金を入金期日前に現金化する資金調達法です。言い方を変えれば、売掛金の前払いシステムと考えていいでしょう。そのため、本来売掛金が入金されるタイミングで手にできるはずの現金が入ってこないということになります。

ファクタリングを利用する前に、入金期日前後の財務状況をしっかりと予測し、無理のない範囲で利用するのがおすすめです。仮にファクタリングを利用した影響で、入金期日前後に現金不測が発生してしまうと、再度ファクタリングを利用して凌ぐという形になりかねません。

ファクタリングなしでは資金が回らない状況になってしまうと、ファクタリングを利用するたびに手数料という損失が発生し、より財務状況は厳しくなってしまうかもしれません。あまりファクタリング頼りにならないよう、しっかりと自社の財務状況を立て直し、ファクタリングは必要なタイミングでのみ活用するのがおすすめです。

額面金額以上の調達はできない

ファクタリングは債権譲渡契約ですので、当然ですが売掛債権の額面金額以上の現金の調達はできません。それ以上の大きな金額が必要なケースでは、やはり金融機関等の融資を頼るのがおすすめです。

設備を新しいものに入れ替える、新規事業に取り組む、新規事業所を設立するなど、大きな資金が必要な場合は、しっかりと準備をして資金融資を申し込みましょう。

まとめ

ファクタリングは借り入れではなく現金化スピードも早いため利用しやすい資金調達法です。特に急ぎ現金が必要なタイミングではぜひ利用を推奨したい方法と言えるでしょう。

ただし、ファクタリングは万能な資金調達法ではありません。特に大きな資金が必要なケースでは、ファクタリングだけでは補えないケースも多く、こうした場合は金融機関からの融資を受けるのがおすすめです。

いろいろな方法がある企業の資金調達法の一つとしてファクタリングという方法があることを知り、またその特徴を知っておくことで、自社にとってベストなタイミングで利用できるようになるでしょう。

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