法人を経営していると、さまざまな税金が発生します。
国に治める法人税や、各都道府県・自治体に納める税金まであらゆる税金に対応したくてはいけません。
この税金を納めるのが難しくなった場合、法人にはどのような影響を及ぼすのか、この点を解説しつつ、問題解決のための取れる手段についても解説していきたいと思います。
法人が税金を滞納した場合の悪影響
法人が法人税などの税金を滞納してしまった場合、考えられる悪影響に関して解説していきます。
延滞税が発生する
税金は支払いが免除されることはありません。また、滞納をしてしまえば延滞税という別の税金の支払い義務も発生し、納めるべき税額は大きくなります。この延滞税に関しては、罰則の意味合いが大きいことから、税率も高く設定されています。
税金を長期間延滞することで、より状況は厳しいものとなっていくでしょう。
税務調査の対象となる
法人が定められた税金を納められないということは、何かしら理由があるということになります。特に法人税の場合、そもそも収益がマイナスであれば発生しません。つまり、プラスの収益が出ているのに、納税だけしないというのは不自然であり、税務署としてはきっちりとした調査を行う必要があります。
税務調査が行われるということは、その調査への対応も必要となります。税務書類の見直しも必要ですし、税務調査に対する対応のための書類作成も必要です。
そもそも納税ができないほど厳しい状況であるときに、こうした本業の業務以外の作業が発生すること自体避けるべき状況といえますので、税金の滞納がもたらす悪影響は大きいといえるでしょう。
社会的信用度が下がる
税金を滞納しているという情報は、やがて他社や取引銀行にも伝わります。利益が発生していながら法人税を納めていないということが周囲に知られることで、法人としての社会的信用度は落ちます。
信用度の低い法人と、好んで取引する企業も少ないので、その後の業務にも大きな影響が出ることは間違いなく、経営は厳しいものとなるでしょう。
資金融資が受けられなくなる
滞納してしまった税金を支払うために、金融機関に資金融資を申し込んではほぼ間違いなく審査に通りません。金融機関の資金融資では、厳しい審査が行われ、申し込み法人の現在の経営状況や、長期間にわたって返済ができるかどうかという点をチェックされます。
金融機関からの資金融資審査において、税金の滞納があるというのは大きなマイナスであり、まずはこの税金滞納の状況を解消しない限り、融資審査には通過しないと考えていいでしょう。
資金融資が受けられなければ、当然納税もできず、時間が経過すれば延滞税も大きくなり、その影響で取引先が離れるとなれば、もはや法人を経営していくのは簡単ではなくなるでしょう。
財産等の差し押さえが行われる可能性がある
税金の滞納が長期間に渡れば、税務署も法的な措置を取り、最終的には財産の差し押さえが行われます。預貯金を持つ口座の凍結や、所有している不動産の没収、設備機器などの動産も差し押さえ対象となります。
銀行口座が凍結されれば、当然取引にも影響が出ますし、設備機器が差し押さえられれば、通常通りに業務を行うこともできなくなります。ここまで至ってしまった場合は、倒産というものがリアルなものとなるでしょう。
税金滞納の対処法
法人を経営していれば、さまざまなことが起き、場合によっては納税するのが難しくなる状況を考えられます。では、どうしても法人として納税ができなくなってしまった場合、どのような対処法があるのかを解説していきます。
原則として支払うしかない
法人税をはじめとする、各種税金に関しては、結論としては支払うしかありません。納税に関しては免除されることはないため、何らかの方法で支払いを行わなければ、上記のような悪影響が発生し、最終的には倒産という可能性が否定できなくなります。
納めるべき税金を納められない場合は、何とか資金を確保して、支払うことを念頭に対応するしかありません。
支払いの猶予が認められるケースがある
特別な事情で法人税が納められない場合は、何より税務署に相談してください。事情によっては、「換価の猶予」、「納税の猶予」といった猶予期間が与えられるケースがあり、この猶予期間内の納税することで、延滞税を逃れることができる可能性があります。また、猶予期間の間は差し押さえなどの法的手段も取られません。
税務署への相談は、どのような事情でも納税ができないのであればするべきと言えます。税務署としても事情も分からず納税がされない以上、ある程度強硬な手段となっても税金を徴収する義務があります。
どのような解決法があるのかを相談することで、厳しい対処を受けなくなる騎亜農政がありますので、逃げずに相談することが重要です。
税金を滞納しないための方法
法人にとって、税金の滞納は是非とも避けるべき事態と言えます。税金を支払えるかどうかという点は、日常から法人の経理状況を把握していれば、比較的早い段階で予想できるでしょう。こうした場合に取れる方法について確認しておきましょう。
滞納前なら資金融資の申し込みも
上でも書いた通り、税金に関しては原則支払うしかありません。支払うしかない以上、何らかの方法で現金を用意しなければいけません。法人として現金を用意するのであれば、正明に思い浮かぶのが金融機関からの融資でしょう。
上では、税金を滞納した後の資金融資に関して触れましたが、税金対応が発生していなければ、融資を受けられる可能性は0ではありません。金融機関に資金融資を申し込むというのが1つの方法です。
ただし、近い将来の納税すら厳しい企業であるというのは、申し込時点で銀行にも簡単に伝わります。こうした経営が危ない企業に対し、銀行等が資金融資をする可能性は限りなく低いといえます。
非常に厳しい経営状況で資金融資を申し込む以上、何かしら思い切った改革案とともに申し込みを行う必要があります。人員整理を行う、事業所を一部閉じる、事業を縮小し黒字事業に集中するなど、法人にとっては大きな決断が必要でしょう。
そして、こうした大きな決断をしたからと言って、融資が行われるわけでもありません。納税の危機である法人が融資を受けられる可能性は、あらゆる手段を講じたとしても非常に低いのが現実です。
ファクタリングで現金を確保する
納税するために現金を確保するのであれば、ファクタリングという方法があります。ファクタリングとは、手元にある売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、売掛金を早期現金化するという資金調達法です。
金融機関による資金融資と違い、利用のハードルが低いことから、納税が難しいタイミングで利用するというのは1つの方法として有効です。
税金滞納にファクタリングが有効な理由
納税するための現金を確保するというためにはファクタリングが有効です。ファクタリングが有効な理由に関していくつか紹介し、ファクタリングを利用する場合のデメリットにも触れていきましょう。
貸金契約ではなく債権譲渡契約
納税対策としてファクタリングが有効な理由は、何より貸金契約ではないという点です。ファクタリングは、手元にある売掛債権を売却し、その売却益を手にする契約ですから、借り入れ金とはなりません。法人としての負債を増やすことなく現金が得られます。
借り入れ契約ではないことがもたらす大きなメリットが、仮に税金を滞納している状況でも利用可能であるという点です。
ファクタリングを申し込んだ場合でも審査を受ける必要があります。ただし、この審査は売掛債権の譲渡契約の審査ですので、審査の対象は申し込んだ法人ではなく、その取引先が売掛金を入金するかどうかが重視されます。
極端な話、申し込み法人が税金を延滞していようが、赤字経営だろうが、取引先が売掛金を支払ってくれるのであれば契約できるのがファクタリングです。税金を滞納してしまった後でも利用ができる資金調達法として、非常に有効な方法といえるでしょう。
現金化スピードが早い
ファクタリングをおすすめするもうひとつのポイントは、現金化スピードが早い点です。金融機関からの資金融資の場合、申し込みからから現金化まで、数週間~1ヶ月以上かかるんも珍しくありません。ファクタリングに関しては、一般的な方法で3~5日以内、時間がかかる方法でも1週間~10日程度、さらに祭典では即日現金化の対応も可能です。
現金化スピードが早いということは、それだけ延滞税の課税期間も短くなり、支払うべき税額を抑えることができます。
デメリットは手数料と金額面
税金滞納の場面で、ファクタリングを利用するデメリットは2つ考えられます。まずは手数料に関してです。ファクタリング契約を行えば、当然ですが手数料の支払いが必要となります。手数料相場は2社間ファクタリングで10~30%程度、3社間ファクタリングで1~9%程度と言われています。
この割合は、売掛金に対する割合ですので、申し込み法人から見れば、手数料は純粋に損失となります。経営が厳しく税金が納められない状況で、手にできるはずの現金が減るというのは非常に厳しく、デメリットと言っていいでしょう。
金額面に関しては、ファクタリングで用意できるのは、売掛債権の額面金額未満であることに注目です。ファクタリングで準備できるのは売掛金額の額面金額を超えることはありませんので、納税すべき金額がファクタリングで用意できる現金金額を超える場合、納税対策とはならない可能性があります。
まとめ
法人としても納めるべき税金を納めないというのは、非常にリスクが大きい決断です。場合によってはその後の企業経営にも直結し、最悪倒産を招かないともいえません。
法人税等の納税に関しては、きちんと期日までに行われるべきであり、そのためには現金を用意する必要があります。その方法としておすすめなのがファクタリングです。
どうしても納税が厳しいという法人は、とりあえずファクタリングで急場を凌ぎ、納税を行った状態で新たに金融機関に資金融資を申し込むというのがおすすめの手順となります。