ファクタリングを利用しようと考えているけど、どんな準備が必要かわからない。
何を知っておけば安全に契約できる?
そんなお悩みはありませんか?
資金繰りとキャッシュフローの改善を同時にできるファクタリングは一粒で二度三度美味しい便利な手段ですが、どんな資金調達もそうであるように、ファクタリングにもリスクは存在します。
少しでもリスクを減らせるよう、手数料や契約条件、信頼できる業者の選び方など、見落としがちな重要事項は先に抑えておきたいですよね。
この記事では、契約前に必ず確認しておきたいポイントを具体的に解説します。
さあ、一緒にしっかりとチェックして、賢くファクタリングを利用しましょう!
ファクタリング契約の基本:始める前に知っておくべきこと
いわゆる借金である融資と違い、自分が保有する売掛債権を他者に買い取ってもらうことで資金を得るのがファクタリング契約のざっくりとした内容です。
ファクタリングは大きく分けて買取型と保証型があり、その中でも更にいくつかに分けられますが、この記事では最も一般的な買取型ファクタリングを元に進めていきたいと思います。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリング それぞれの特徴
買取型ファクタリングの契約形式には、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があります。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の間で行われるもので、取引先には知られずに資金調達が可能です。そのため、取引先との関係を維持しやすいですが、手数料が高めになる傾向があります。
一方、3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・取引先の3者で契約します。
取引先が売掛金の支払いを直接ファクタリング会社に行うため、ファクタリング会社にとってもリスクが少なく、その分手数料も低めですが、取引先に資金調達の事実を知られることは場合によってはデメリットになるでしょう。
ですので、どちらを選ぶかは自身の状況に応じて慎重に検討する必要があります。
ファクタリング利用のメリットとデメリットを理解しよう
ファクタリングを利用することには、他の融資と比較しても多くのメリットがあります。
最大のメリットは、売掛金を実際の期日よりもずっと早く現金化できる点です。
また、借入ではないため負債として計上されず、信用情報にも影響がないというのも大きなメリットでしょう。
似たシステムの手形割引と違い、売掛金の回収リスクもファクタリング会社が負担してくれます。
しかし、デメリットもあります。一定期間利息が発生する融資と違って一回限りではありますが、必ず手数料が発生します。ですので、実際に受け取れる金額は売掛金-手数料分となることを覚えておきましょう。
また、売掛金を資金調達に利用したことが取引先に伝われば、取引先との関係性によっては経営に難ありと誤解される可能性も。メリットとデメリットをしっかり理解した上で、最適な方法を選びたいものです。
自分に向いているファクタリング会社を見つけるには
ファクタリング会社を選ぶ際にはまず、自分が今一番重視している点は何かを確認しておきましょう。
例えば、今すぐにでも資金が必要なら、入金スピードが速い会社を選びたいですよね。
逆にタイムリミットがそこまで差し迫っているわけではないから、手に入る金額をできるだけ減らしたくない、といった場合は、入金までに少しかかるけれど手数料が一番安い、といった会社を選ぶこともできるわけです。
実際にいくつか選択ポイントを挙げてみましょう。
個人か法人か?
ファクタリングは基本的には企業とファクタリング会社との間での契約になりますが、利用する側の法人としての規模や信用度といったものはほとんど関係がないため、開業届さえ出していれば個人事業主であっても利用可能です。
ただし、ファクタリング会社の傾向として、高額の売掛債権をメインに対応しているようなところでは個人事業主の利用が想定されていない場合もあります。
判断基準としては公式サイトに記載されている契約可能な金額の上下限をチェックするのがおすすめです。
下限を設定していない、或いは少額からでも受け付けているところは個人にも対応してくれることが多いですよ。
手数料を取るか、時間を取るか
資金調達のためにファクタリングを利用するにあたって、手数料を取るか時間を取るかは大いに迷うところです。
ファクタリング会社の回収リスクが高くなるほど手数料も高く設定されます。
逆にファクタリング会社側がこの契約は信頼性が高く、回収リスクが低いと判断すれば手数料は下がる傾向にあります。
細かい回収リスクをどこで判断するかはファクタリング会社によりけりですが、どんな会社でも2社間ファクタリングは3社間ファクタリングより割高に手数料が設定されます。
売掛先の企業も含めて契約する3社間ファクタリングは回収リスクが明確に軽減するため、手数料は大幅に下がります。取引先の理解があるなら、3社間ファクタリングで契約するのが最も手数料を安く済ませられる方法です。
ただしこの場合は手続きなどの都合上、どうしても2社間と比べると入金までの時間は長くなってしまいます。3社間ファクタリングで入金までにかかる時間は1週間~、長ければ数週間と見ておくのが良いでしょう。
そんなに悠長に待てない!今日明日にも必要なんだという方や、そもそも急な資金調達が必要なことを知られたくないという方は2社間ファクタリングの枠組みの中でできるだけ手数料が安い会社やサービスを探すことをおすすめします。
昨今は対応を全てオンラインで完結することで2社間ファクタリングでも手数料を比較的安く設定しているファクタリング会社も増えています。
かと言って手数料だけを見て会社を選ぶと後述する悪質な業者に引っかかる可能性もありますから、あまり不自然に安すぎるところは即決せず、複数の会社と条件を見比べるなど冷静に見極めましょう。
2社間・3社間それぞれの手数料の相場
[check]2社間ファクタリング:8~20%
[check]3社間ファクタリング:1~9%
2社間ファクタリングはとくにファクタリング会社による手数料の開きが大きく、オンライン完結型のサービスでは相場を下回る手数料を設定しているところもいくつかあります。
会社選びに困ったら一括見積もりサービスを受けてみるのも良いですね。
契約後のサポートが必要か
ファクタリング会社の中にはファクタリングだけでなく、資金繰りそのものの相談や経営のアドバイスに対応している会社もあります。
そういったファクタリング会社では、継続して契約することで手数料が下がるといったサービスを取り扱っていることも。
恒常的な資金不足に陥っていたり、経営に不安があって一回のファクタリングでは解決しないかも……という場合は、このようなサービスの有り無しも検討材料に加えてみると良いかもしれませんね。
リスクを最小限にするためには?
ファクタリングを利用する側として絶対に避けたいリスクがあります。
それは、ファクタリングを装った悪質な業者と契約してしまうことです。
ファクタリング会社の中にはヤミ金融やそれに準ずるような違法貸金業者も紛れ込んでいます。
法外な利息で貸付をする彼らは、貸金業者には必須であるはずの貸金業登録がされていない違法業者です。
堂々と貸金業を営めば捕まってしまいますから、売買契約であるために登録の必要がないファクタリング業者を装い、あたかもファクタリング契約であるかのように見せかけながら貸付を行います。
ファクタリングは債権の売買契約ですから、仮に売却後に取引先が倒産するなどして売掛金が回収できなくなった場合、利用者に支払い義務=債権を買い戻す義務はありません。
これを償還請求権の無い契約=ノンリコース契約と言い、貸金業者でないファクタリング会社との契約は全てノンリコースであると言っていいでしょう。
契約時は、この契約がノンリコースであり、償還請求権がついていないことを確認しましょう。
また、給与ファクタリングにあたらないか、支払いが一括であるかどうかも確認しておきましょう。
給与ファクタリングの違法性については金融庁からも注意喚起がでています。
金融庁:給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!
ファクタリングでの支払いは一括のみとされており、分割支払いは売買契約から外れて借入の返済となってしまいます。
ファクタリングが貸金業登録の必要な貸付ではなく売買契約であるためには、償還請求権が無いこと、支払いが一度で完了することが重要な条件になるのです。
諸々を確認したら、契約書の控えを貰うことも忘れずに。
真っ当なファクタリング会社であれば当たり前に渡してくれるでしょう。
逆に、ここで嫌なそぶりを見せるようであればどんなに契約書が問題ないように見えても契約はおすすめできません。
安心! 契約前のチェックリスト
入金までの時間をできるだけ短縮するためにも、必要そうな書類は事前に準備しておくと良いですね。
悪徳商法に引っかからないことも大切ですが、慌てて準備した売掛債権がすでに他で契約済だったりすると二重譲渡でこちらが犯罪者になってしまいます。
契約直前に慌てずにすむよう、以下に必要書類や契約の際の注意点をチェックリスト形式で書き出してみました。
急いでいる方も契約する前にちょっと深呼吸して、こちらを確認してみませんか?
必要書類チェックリスト
よく必要とされる書類
・本人確認書類
・決算書または確定申告書
・売掛債権を証明する資料(請求書・契約書・売上台帳など)
・取引先からの入金確認ができる通帳
・直近の決算書
・商業登記簿謄本(法人のみ)
必要とされることもある書類
・直近数ヶ月分の銀行取引明細
・納税証明書
・印鑑証明書
・債権譲渡通知
・売掛先の支払履歴(法人のみ)
・与信調査書(法人のみ)
・銀行の口座証明書(法人のみ)
売掛債権のチェックリスト
・利用予定のサービスは売掛債権の金額に対応しているか
・譲渡予定の売掛債権は不良債権でないか
・譲渡予定の売掛債権を他のファクタリング契約に使用していないか
悪質業者見極めリスト
・本当に存在するファクタリング会社か
・振込口座の名義が会社名と一致するか
・手数料は相場からかけ離れていないか
・契約書は「債権譲渡(売買)契約」であるか
・償還請求権有になっていないか
・保証人や担保を要求されていないか
・一括支払いになっているか
・給与ファクタリングではないか
上記のチェックリストを活用すれば、安心してファクタリング会社に依頼することができます。
ぜひ、ご活用ください!