
「以前ファクタリングを申し込んだけど審査に落ちた」
「審査どころか申し込み自体ができなかった」
ファクタリングは比較的新しい資金調達法であり、その仕組みなどを理解できていないと、うまく活用できないケースがあります。
過去にファクタリングが利用できなかったという経験があると、もうファクタリングは利用できないのではないかと考えてしまうかもしれません。
しかし、ファクタリングの特徴や仕組みを理解すれば、そんなことはないということも分かるかと思います。
そこで、ファクタリングを上手に活用するために必要なポイントをいくつか紹介していきましょう。
ファクタリング審査に通過するためのポイント
ファクタリング契約を結ぶ前には、必ず審査が行われます。過去にファクタリングを利用できなかったという方は、この審査に通過できなかったというケースが多いでしょう。そこでファクタリングの審査を通過するために、意識しておきたいポイントを解説していきましょう。
取引先の信用度
ファクタリング契約とは債権譲渡契約です。債権譲渡契約が成立する最低条件は、売掛金がきちんと期日までに入金されるということです。
そのためファクタリングの審査では、売掛先である取引先の信用情報が重視されます。取引先企業の規模がより大きいほど審査には通りやすくなりますので、この点を意識して持ち込む売掛債権を選ぶ必要があります。
また、取引先の企業規模と同様にチェックされるのが、申し込み企業と取引先の取引実績です。過去に何度も取引を行っており、その都度きちんと入金をされていれば審査には通過しやすくなります。
いくら取引先が大きな会社でも、取引実績がないとファクタリングができないケースも考えられます。ファクタリング会社の中には、新規取引に関してはファクタリング対象外としている会社もあるからです。
ファクタリング審査の通過率を高めるためには、取引先の情報や取引実績が重要になりますので、その点を意識しながら、どの売掛債権で申し込むのかを決めるのがおすすめです。
必要書類をきちんと準備する
ファクタリングは売掛債権を譲渡する契約ですが、売掛債権とは文字通り権利です。権利というものは基本的に目で見えるものではありません。そのため各種書類から売掛債権という権利が実際に存在していることを証明しなければいけません。
ファクタリング会社としては、実態がない架空の債権で契約するのは絶対に避けなければいけません。そのために各種書類が必要になるわけです。
ただし取引によっては、ファクタリング会社が求める必要書類が存在しないというケースがあるでしょう。こうした場合には申し込み前にファクタリング会社に相談し、事情を説明した上で、どのような書類を準備すればいいのかを聞いておきましょう。
支払いサイト
売掛金には支払いサイトというものがあります。端的に言えば売掛金入金日までの期間が支払いサイトです。ファクタリング契約においては、支払いサイトが短い売掛債権ほど審査に通りやすく、またより有利な条件で契約できます。
手持ちに複数の売掛債権がある場合は、できるだけ支払いサイトの短い売掛債権で申し込むことで、審査には通りやすくなるでしょう。
ファクタリング会社を選ぶ際のポイント
過去にファクタリングが利用できなかったという方の場合、ファクタリング会社選びで失敗している可能性があります。近年日本国内でもファクタリングを利用する企業が増えており、それに合わせてファクタリング会社も増加の傾向にあります。
また、ファクタリング会社が増えていく中で、より特徴的なサービスを提供するファクタリング会社も増えています。特定の業種に強いという会社や、申し込み書類が少ないという会社、即日現金化に対応する会社など、ファクタリング会社ごとの特徴も多様化しています。
これからファクタリングを利用するという場合は、こうしたファクタリング会社の特徴を知り、より利用しやすい会社を選ぶのが重要です。そこで、ファクタリング会社選びの基本的なポイントをいくつか紹介していきましょう。
対応金額を確認する
多くのファクタリング会社は、自社が取り扱う売掛債権の下限金額や上限金額を設定しています。この対応金額をチェックするのはひとつのポイントです。
上でも触れたとおり、さまざまな特徴を持つファクタリング会社が誕生しており、中には個人事業主やフリーランスなどを顧客の中心とし、比較的安い金額の売掛債権のファクタリングを得意としている会社もあります。反対に比較的大きな企業の高額債権を中心にサービスを提供している会社もあり、対応金額のチェックは重要なポイントといえます。
対応金額をチェックする場合は、できるだけ余裕を持って考えるのがおすすめです。例えば申し込みたい売掛債権の額面金額が500万円だったとします。候補に挙げたファクタリング会社が2社あったとして、1社の対応金額は100万円~5,000万円、もう1社の対応金額が500万円~2億円だったとしましょう。
この場合は、100万円~5,000万円に対応している会社の方がおすすめです。もう1社の場合下限金額ギリギリでの申し込みとなるため、審査にも通りにくく、通ったとしても契約条件が厳しくなる可能性があります。
条件提示まで無料かどうか
ファクタリングの基本的な流れを確認しておきましょう。まず売掛債権を持ち込みファクタリング会社の審査を受けます。審査の結果契約条件が決定し、その条件に問題がなければ契約という流れが一般的です。
多くのファクタリング会社は、審査から条件提示まではすべて無料で対応してくれます。ただし、一部の会社では、条件提示の時点で事務手数料が発生するケースもあります。
条件提示まで無料をおすすめするのは、複数社に申し込み契約条件を比較検討するのがおすすめだからです。債権譲渡契約という契約は自由契約と考えられているため、手数料など契約条件に関しては自由に設定することが可能です。つまり、同じ売掛債権でもファクタリング会社ごとに違う契約条件が提示される可能性が高いということです。
そのため複数社から相見積もりを取り、より条件のいいファクタリング会社と契約するのがおすすめとなるわけです。
仮に1社で審査落ちをしたとしても、他の会社であれば審査に通過するというケースも少なくありません。過去に利用できなかったという経験を持つ方には特に、複数社への申し込みがおすすめです。
取引実績や口コミ情報
ファクタリング会社を設立するために、必要な資格や認可、登録などはありません。つまり、誰でも比較的開業しやすい業種ということになります。そのため、ファクタリング会社の中には、残念ながら悪徳業者と呼ばれるような会社があるのも事実です。
悪徳業者と関係を持ってしまうと、後に大きなダメージを負いますし、最悪の場合は倒産という事態に追い込まれる可能性もあります。
こうした事態を避けるためにも、ファクタリング会社の過去の取引実績やネット上の口コミ情報を集めるのがおすすめです。また、会社概要などをチェックし、大きな会社のグループ会社であったり、信用できる企業と提携していることを確認するなど、ファクタリング会社の信用度を見極めましょう。
ファクタリングで失敗しないためのポイント
ファクタリングが出来なかった過去を持つ方は、ぜひファクタリングを利用したいと焦って申し込みをし、自社にとって不利益があるような条件で契約してしまう可能性があります。こうした失敗をしないためのポイントも紹介しておきましょう。
契約条件を確認する
ファクタリングの契約条件に関しては、原則として審査の結果決定されます。審査に通過したことで安心してすぐに契約するようなことはおすすめできません。しっかりと契約に関する諸条件を確認し、納得の上で契約するようにしてください。特に注目すべきポイントをいくつか紹介します。
priority
償還請求権の有無
priority
債権譲渡登記の有無
priority
手数料
priority
違約金や強制解約の条件
償還請求権とは、取引先が万が一売掛金を入金しなかった場合、その未回収リスクを申し込み企業が負うという条件です。基本的にファクタリング契約は、償還請求権のないノンリコース契約となります。償還請求権付のファクタリング契約は違法契約であるという判例もありますので、まずは償還請求権がないことを確認しましょう。
債権譲渡登記は、債権が譲渡された事実を登記所に登記する契約です。登記に関しては契約条件に含まれるのが一般的です。
手数料に関してはある程度の相場があります。2社間ファクタリングで10~30%、3社間ファクタリングで1~9%と言われていますので、その範囲内かどうかをチェックしましょう。また、相見積もりを取る場合は、他社の条件と比較するのも忘れないようにしてください。
違約金や強制解約の条件に関しては、極端に厳しくないことを確認してください。実現不可能な条件が提示されている場合は、無理せずほかのファクタリング会社と契約するようにしましょう。
悪徳業者ではないことを確認する
ファクタリングができなかった経験を持つ方に特に伝えたいのは、悪徳業者には引っかからないようにしていただきたいという点です。悪徳業者はファクタリングに見せかけた、違法金利の貸金契約を結んだり、無理な条件を提示して売掛金だけを搾取するなどの行為を働きます。
こうした業者にひっかからないためにも、しっかりとファクタリング会社を見極め、契約書は隅々までチェックした上で契約するようにしてください。
まとめ
ファクタリング審査の厳しさはファクタリング会社によって変わります。過去にファクタリングできなかったからといって、二度とファクタリングを利用できないというわけではありません。審査に通らなかった売掛債権でも、他社に持ち込めば審査を通過するというケースも少なくありません。しっかりと必要書類を準備し、信頼できるファクタリング会社に申し込みをしましょう。
審査に通過したら、きちんと契約内容を理解した上で契約を結びましょう。できれば複数社から相見積もりを取り、契約条件を比較検討するのがおすすめです。