製造業のライフライン・支払いサイクルの変更でファクタリングを利用した事例

製造業のライフライン・支払いサイクルの変更でファクタリングを利用した事例

製造業の二代目です。
私は先代から受け継いだ機械と人員、そしてお取引先様をベースにして製造業を営んでおり、小さな部品やパーツではありますが、今では多くの方に使っていただいています。

そしてそのパーツや部品が使われた製品は全国に出荷され、もしかしたら今はこれをお読みのあなたのお手元にもあるかもしれません。

そんな小さいけれども必要不可欠なものを世の中に生み出していくということが、私の使命だと思って今までコツコツと製造業の経営に励んできました。

今まで多くのお取引先様とお仕事をさせてもらってきていましたが、最近は不況の折、特にリーマンショック以降は取引先が減少傾向にあるのが悩みでした。

そしてそんな折にとうとう、一つだけのお取引先様になってしまうという時期がありました。これは取引先様のご都合で一時的に発注がストップするということでしたから、1年後には再びお取引先様が復活するということは分かっていました。

それでもやはりお取引先様が大きな会社さんとはいえ、ひとつに絞られてしまうのは経営者として一抹の不安を感じざるを得ませんでした。

しかし、そんなことも言っていられません。

従業員の生活もありますし、何しろ先導に立つ私が不安がっていては社員も不安がってしまいますし、社員のその先にいる従業員の家族という、何よりも経営者として守らなければならない方達が不安に思ってしまうことも十分に考えられました。

そこで私はあえて自分を鼓舞して「心配することはない、1年後にはお取引先様も増えるから今のうちに今お仕事を頂いている取引先さんに対して、精一杯の製品を納入するようにしよう」

「むしろそのくらいの生産スピードがあるのだと、先方さんに認めてもらうチャンスですらあるだろう」と毎日朝礼で話していたものです。

しかし私の一抹の不安は現実のものとなります。
ある日のことでした。
取引先の中でも特に重役の方が直接私の会社まで見えられたのです。

いつもであれば作業着の取引先担当者の方がちょっとした手土産を持って遊びに来てくれるくらいの間柄だったのですが、この日は会社の社用車でスーツを着た上役の方がいらっしゃったということで、何かしら穏やかではないことが起きている可能性があることを物語っていたものです。

私はとりあえず応接室にお通しして、お話を伺うことにしました。すると案の定、支払いサイクルの変更を申し入れられることになってしまいました。

今のところは毎月末に1か月の請求をまとめて請求書を起こし、そこから翌月の月末にはお支払いをいただくような形で事業を継続してきていました。

いわゆる「翌月末払いと」いうやつです。しかし新しい支払いサイクルでは翌々月末の支払いに変更してほしいということでした。

一気に支払いサイクルが2ヶ月もずれ込んでしまうとなると、私のような小さな会社の経営者にとっては大打撃です。特に折り悪く、お取引先様を絞っている時期でしたから、すぐにでも金策に動かなければ資金ショートを起こすことは明々白々でした。

とはいうもののサイクルについてあれやこれと先方様と話し合いをするだけの力も私の会社にはありませんでした。パワーバランス的にも、この支払いサイクルの変更については了承せざるを得なかったのです。

心は泣いていましたが、顔では何とか無理矢理笑顔を作って了承し、その上で支払条件の変更に関する書類に署名押印してお渡ししたものです。

そこからはもう地獄のような日々でした。銀行に融資のお願いをしに何度も日参しました。その中では、やはり若い銀行員の方に「私の会社は古い商売だからいつなくなってもおかしくない」というようなことを言われたり、ビジネスローンではよくわからない恐ろしい人種の人たちに家族構成まで聞かれ、怖くなって帰ってくるということもありました。

どこの金融機関も慇懃無礼に審査中である、あるいは手続き中であるとしながらも一向に連絡をもらうことができず、かといって会社を潰すこともできず、従業員の家族の笑顔が胸に突き刺さるような日々を過ごさざるを得ませんでした。

その時事務のアルバイトとして採用していた女の子が私に近づいてきて一言こう言いました。

「社長、最近顔色悪いですよね。みんな気づいてないかもしれないですけど、何かあったんですか?」

若い子にも見透かされてしまったのでしょう。というより、若い子だからこその感性で私の心の中を読んだのかもしれません。

私は意を決して彼女にだけ相談をしました。彼女はインターネットにも特に明るい人材で、何か情報収集ができるのではないかと思ったのです。

そして実際に私の希望は当たりました。彼女はインターネットですぐにでも、ということで資金調達について調べてくれました。もちろん他の社員には極秘でということでした。

その結果半日後には、ファクタリングという方法があるということを教えてもらいました。ファクタリングというのは昔で言う手形割引のようなシステムですが、取引先の倒産リスクについてはあまり考えなくても良いようなものになっていました。

相手先に知られても良いファクタリングであれば手数料は3%から5%程度が相場ということでしたが、このタイミングでファクタリングを行い債権譲渡するとなると、先方の経営者の方にも「嫌味」に見えてしまう可能性があったため、私は今回自分の給料を返上してでも、という覚悟で相手先に知られない方法でファクタリングをすることを選びました。

とはいうものの、ファクタリングの会社は数多くどの会社に申し込んでよいやら全く見当もつきませんでした。そんな時に若い社員から言われたのが「一括見積もりサービスを使ってみたらどうですか?」ということでした。

一括見積もりサービスというのは文字通りの一括査定で、自分の会社の状況や持っている請求書の額面などを細かく入力することで加盟している各社から見積もりが一括で届くというサービスでした。

これほど便利なサービスが世の中に存在するのかと思い、私は喜び勇んで申し込みをしてみました。不思議と不安はありませんでした。

そして導かれるようにしてとあるファクタリング会社さんとご縁があり、初めてファクタリングという言葉を知ってから48時間後には私は銀行に立っていました。

無事に売却して現金化することができた売り上げを引き出すためです。銀行に入れておいても良かったのですが、なんとなく現金として手元にあった方が安心できたこと、また税務上も特段融資のお金ではないので現金として自由に扱ってもよいということで、会社の金庫に入れておくことにしました。

中小企業をやっているとやはり銀行の通帳の数字では不安という時もあるものです。私はこのようにして資金繰りのトラブルから脱出を果たしました。